40才の高齢出産体験記

40才の高齢出産体験記

発疹



ある夜、寝入る頃左手首にチクリとかゆみを感じた。
ポリポリ掻いてそのまま寝た。
翌朝、左手首の掻いた後を相棒に見せて
「ダニが出たよ、ダニが」
と愚痴った。

それから何時間かした午後だっただろうか。今度は右手首に
同じようなかゆみを感じ、ポリポリ掻いた。
よく見ると両手首にできた不思議な発疹はどうもダニの噛み後ではなさそうだ。
さほど気にせず、それから1週間が過ぎた頃、今度は手首から肘にかけての内側に
小さなブツブツがでた。痒い。
「なんだろう・・・」
相棒はしきりに検診をすすめたが、私はまだ「すぐに治るだろう」と過信し何も手を施さなかった。
それから数日経った頃だったろうか、ある夜お風呂上りに妊娠線予防のオイルを塗ろうとして
思わず息をのんだ。お腹一面に小さな発疹がでたのだ。
「しまった・・・」
その夜、病院での検診を強気に拒んだ自分を少し後悔した。

翌朝、産院へ電話をし「皮膚科へ行くべきか産院で検診すべきか」相談をしたところ皮膚科へ行くよう促されたので
別項の「耳管開放症」でお話した総合病院へ行ってみた。
外科でも耳鼻科でも好印象だったその総合病院で今度は皮膚科のどんな素敵なドクターに診てもらえるのか楽しみだった。
7月に入り猛暑の兆しが感じはじめられた頃、バスを乗り継ぎ20分程して病院へ到着。
受付を済ませると思ったより早く名前を呼ばれ診察室へ。
中に入ると狭い診察室いっぱいいっぱいのカバが、イヤおばちゃん先生があぐらを・・いえ座っていらっしゃった。
様子を聞かれ、症状を話すと私の手首を見ながら
「発疹は蚊にさされたようなプクッとしたやつ?大きな?」
と聞かれ、記憶に薄かったのとどう表現してよいか迷ったのも手伝って曖昧な返事になったと思うが
「とにかく最初は小さな発疹で、その後蚊に刺された後より少し小さめのふくらみがココにワァーッと・・」
などど一生懸命必死に伝えた。
カバドクターは、ふんふんと聞きながらこの症状について3つの見解が考えられる、と前置きの上話しはじめた。
途中「じんましん」という言葉が出た時に「あ、それです」と思わず話にくらいつく私を
「いや、そうかもしれないという仮説だっていってるでしょ?何の病気かなんてわかりません」
と強い口調で制された。カバの言う3つの見解を最後まで黙って聞いてみたが、結局病名はわからなかった。
以前、知人が皮膚トラブルに見舞われた時も皮膚科で「要因はよくわからない」と診断されたそうだ。
皮膚科とはそういうものかもしれない。しれないが、原因はともかく現状くらい説明できてもいいじゃないか。
なんの為に検診にきたのだ。カバを見にきたんじゃないんだぜ!
「湿疹でしょうか?」と聞いても「わかりません」と言う。
「アレルギーでしょうか?」と聞いても「わかりません」と言う。
「何かにかぶれたのでしょうか?」これもわからない。
最後に「アトピー」と「風疹」ではない、という事は断言された。
この時期、巷で風疹が流行っていた為「風疹」の懸念が一番心配だった。聞くと発疹が全身に広がってない為該当しないと云う。
では今後この発疹が背中及び全身にまで広がったら「風疹」となるのだろうかと聞くと「なりません」と即答。
もっと痒くなったら、また来院した方がいいのでしょうか、と尋ねると「そんなことは本人が決める事ですから」と玉砕された。
何かと特定しずらいらしい皮膚病。命に関わる疾患がないわけでもないだろうに、むしろ厄介な症状に悩まされる患者は多いはず。
もっと献身的な対処を切望する。
結局、症状を特定できないまま痒み止めの塗り薬(ステロイドなし)を処方され病院を後にした。

すぐに治るだろうと思った発疹は、その夜もっとひどくなった。
腰・太ももにまで発疹は広がり何より痒みがひどく眠れない程だった。
処方された薬を塗ってみたが何の効果もない。思い余って2-3日後産院で検診してもらった。
担当のドクターに症状を話すとすぐに「妊婦特有のものです。出産するまで治りませんよ」と言われた。
またか・・・耳管開放症といい妊婦特有の症状が次から次へと顔を出す。
本当に出産したら治るんだろうか・・そんな不安が頭をもたげた時、ある妊婦さんと出会った。
妊娠トラブルについて聞くと「発疹」があったという。聞けば聞くほど症状は似ており痒みの辛さもよくわかる。
彼女の場合1ヶ月くらいで完治したという。実は私もこのあとほぼ1ヶ月くらいして症状が激減した。

総合病院で処方された薬:【塗り薬】レスタミンコーワ軟膏(1%)50g 
私にとっての効果   : 2-3日塗ったが効果なし。その後使用せず。
産院で処方された薬  :【飲み薬】ポララミン(6mg)10日分【塗り薬】アルメタ軟膏(0.1%)5gx2本
私にとっての効果   : 飲み薬は非常に眠気を帯びる為、夜・朝各1回のみ服用したのみ。
             塗り薬は度々使用したが完治するまでに1本の1/3量も使っていない。

発疹についてヨガの先生にチラとお話した際に言われたのは
「赤ちゃんは母体からありとあらゆる栄養などを摂取しようとするから自然と母体の免疫力も低下しがちなんですよね」
とのこと。ひょっとするとそうかもしれない。だとしたら助かる。
例えば私が発疹になる事でお腹の子に誕生後、皮膚トラブルが起きないとしたら尚更ありがたい。
アレルギー湿疹やアトピーは本人も辛いが親も辛い。代わってあげられるものなら代わりたい心情である。
なんでもいいから私から奪いとれるものは何でも獲ってくれ!心からそう願った。

発疹が治まっても、季節はまだまだ真夏。私はマメにシャワーをあびた。
気分転換にもなるし気持ちいい。このマメなシャワー作戦はヨガの先生に助言された対処法であるが、実はこれが一番効いたように思う。

発疹は辛いですね・・・
ちなみに相棒はアトピーの気があり、そのわずらわしさを少しでも共感できたような気がして、これはこれで良い経験となりました。
そういえば相棒も飲みすぎで夜中に吐いた翌日、当時つわりを引きずっていた私に
「つわりって苦しいんだろうね。辛いでしょう」
と声をかけてきた事があった。
全て体験しなくても人の気持ちを察する事はできそうだが、実際体験してみると身にしみて思い知らされる事情ってあるものだ。

何事も無駄な経験はないものですね。


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