てにをは

ひとひら 壱





 言葉のひとひら。
 ここでは、文そのものの内容、と云うより、言葉の持つ美しさに、思わずはっとなった文を紹介します。





さくら2






                  雨に似た言葉を持った人   (加藤千恵「ハッピーアイスクリーム」)




  ワタシ
  アノヒトノコトガ
  スキ
  デシタ   (マツモトトモ「キス」)





    気がふれる。気がふれる。僕は静かに気がふれる。

                              (嶽本野ばら「それいぬ」)




  もうここに おられんようになりました
            妻うらがえりうらがえり消ゆ
                             (東直子)




                           僕は流れる水だ。ことごとく岸を撫でて流れる。
                           僕はみんなを愛してる。きざかね。
                                         (太宰治「パンドラの箱」)



  あんちゃんはあほやと思うけど、
  あんちゃんがいるおかげで、
  オレらは、いつも、
  心のどこか、うれしい。       (灰谷健次郎「天の瞳 幼年編2」)







  ・・・・・・刹那、心に降りてきた言葉はあの。

                          (朝丘戻「わすれな人。」)




                    世のなかに 絶えてさくらのなかりせば
                        春のこころはのどけからまし

                                    (在原業平)








                「鏡暮鳥だ。死者のことばを喋るよ。」  (長野まゆみ「魚たちの離宮」)







《投稿者:サティ》 7月11日(火)20時44分
  □サヨナラ
  ニンゲンハ、トベナイ。
                         (岩井俊二「リリイ・シュシュのすべて」)






                     何を探してるの
                      大事なものだよ
                       大事なものってなぁに
                        さぁ、それは忘れちまった
                       ぢゃぁ、きっと見つからないね
                       いゝんだよ、それで
                           どうして、
                             すっと探してゐたいからさ




   空が卵だったら、何が生まれてくるのだらうかと問ふ
   そんな宿題がでたなら
  ぼくは、いつつでも解いてみせるのに
     けれど先生はけしてそんな質問をなさらない
 綴りをお訊きになる
      あゝ、さうだ
    黒板に答えを書いておかう
      白いチョークで

                               (長野まゆみ「賢治先生」)








       私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしているのです。
         私の鼓動が停まったとき、あなたの胸に新しい命が宿ることが出来るなら満足です。
                                            (夏目漱石「こころ」)







                    今だまされているのは俺の手か。
                   だったらこのまま醒めずにいよう。
             たとえ川の流れを枕に見ている邯鄲の夢だったとしても。
          朝霧はきえのこりても ありぬべし たれかこの世に のころはつべき
          はじめなく おわりもなきに わがこころ 生まれ死するも 空の空なり
                   柳は緑 花は紅 行脚 争畢る
                  今日時節 杖を折り 六月の雪に焼く

                          (野田秀樹「TABOO」)







夕方の赤い空は どんどん色を変える
人の気持ちによく似ている    (望月花梨「笑えない理由」)




        心のピントが奇妙に何でも上手い具合に合ってしまう夜がある(吉本ばなな「アムリタ」)






                          キレイな人に会いました
                          会ってしまいました

                                      (「FLY」)




  幾度も星は流れ、そして時はめぐる。地上では詩が生まれ、歌が作られる。人々は絶えることなく、それぞれの物語を、各々の言葉で語りつづける
  そして時は流れ、星はまためぐりつづける。
                          (北村薫「リセット」)





 キスして・・・!
 でないとバラすよ
 ひきちぎられた
 羽のあと・・・!     ―ムテ・ママ―
              ―キスがにがいだなんて・・・・・・    (萩尾望都「トーマの心臓」)








             粉雪とともに、あの日、恋は舞い降りてきた。

                            (「Last Game」)






僕は何処で間違ってしまったのでしょう。
どうして人は、本当に大切なことを喪失の後にしか
気付けないのでしょう。
(嶽本野ばら「世界の終わりという名の雑貨店」)









                                        僕の声になって・・・
                                           (映画「独立少年合唱団」)
















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