ごはんぢから ~武蔵野婦人の厨房から

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武蔵野婦人

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カテゴリ: 旅の食卓から
みなさま、明けましておめでとうございます。

暗いニュースも多い世の中だけど
でもさ
不安とか心配でいっぱいになったり、暗くなったり眉にしわを寄せたり
そんな時間を積み重ねてもなーんにも変わらないわけで。

せめて明るく今日うまいものを食べて
今日できる仕事を、今日できる範囲で、淡々と繰り返していれば
いつの間にか吹雪は過ぎ去って、春になる。
そう思って、今年もごはんを作ろうと思います。






さてさて、お正月の協奏曲はほんとにいろいろありましたが>笑

そんなごたごた気分を吹き飛ばそうと、いつも足を運ぶ山のロッジに
三が日明けに行ってきました。
ここは私が学生時代からお世話になった場所。
さらには、うちの息子も0歳の頃から、毎年毎年足を運んでいる場所です。
もう、ほぼ第二のふるさとといってもいい場所。
ほんと、落ち着きます。
ここです。

http://www.redwoodinn.jp/


このロッジのいいところは、食事がおいしいところ!
青山でレストラン経営をしていたオーナーさんが、腕利きのコックさんを呼んでくれてるので、山の中なのに極上のフルコースが食べられるんですよー。
しかもすっぴん寝巻きのまま、風呂上りに!>笑


自分のペースで食べたいものを決められないのは苦手。
ヘンに気取っていたり、いかにもの雰囲気があるお店も苦手。
プリフィクスって言いながら、お仕着せの数品を選ばせて
サラリーマンが一日に稼げる額以上のお金を払わせるようなお店もすごく苦手。
食事って、いかほどのもの? 


そう思っちゃうんだよねー。

なので、先日はせっかく東京ミシュランの本をいただいたのですが
たぶん、ここに出ているようなお店は何を見てもほとんど興味がわかなくて>笑
貧乏性なんだなあ。てへ。



でもね。
この宿でいただくごはんは別物です。

山でゆったりくつろいで温泉に入って
子どもみたいにテーブルについて、フォークとナイフ握って待ってると
山のお兄ちゃんが次々とおいしいものを出してくれる。
で、お酒も飲んで、おなか一杯。
デザートを食べてから、きついおなかをほぐそうと外に出ると
空は満天の星空。
自分へのごほうびって気になります。

2009_0107izumi0098.jpg

宿にあるスモークハウスで作った自家製のスモークがオードブルに出ます。
一日目はサーモンと、ホタテとポークのパテ、そしてお豆腐(これがうまい)
二日目は岩魚と鴨。鴨のコンフィもあったなー。

オードブルのあとは、信州の野菜を使ったてんぷらが3種類出ます。
これを、レストランで燻製にした岩塩で食べる。うまいのです。
今回のびっくりてんぷらが、これでした。

2009_0107izumi0099.jpg

りんご!!!???


りんごのてんぷらー!?!?


生まれてはじめて食べました。
いやさ、これうまいね。しかも燻製の岩塩がよく合います。
考えてみたら、りんごのフリッターとかはあるものね。てんぷらでもOKなのか。
山盛りあったら困るけど、ちょっとだけ作ったら、家でもおいしいかもです!
ワインとよく合います。


今回の何よりの収穫は、息子がこれを食べたことでした。

2009_0107izumi0103.jpg

オマールえび。

うちの息子は、好き嫌いが多いです。完全な食べず嫌い。
野菜はよく食べますが、甲殻類はほぼ手をつけません。えび、いか、かに、たこ大嫌い。
えびは憎んでいました。たぶん、形がダメなんですね。
私がこんなに料理好きで食いしんぼなのに、どんな工夫をしても食べません。

そんな息子が、えびを食べるのをはじめて見ました。
いやあ、びっくりしたな。



息子は、この宿でここ2年続けて居候をしながら1週間ほど一人で滞在して、宿を手伝うっていうのを続けています。今回はお客さんだったけど、宿の人たちはだから、一緒に働いていた場所の人たち。
料理を作る人たちが、どんな思いで毎日厨房にいるのか。
下げたお皿を毎日洗いながら、料理を作るってどういうことなのか。
そんなことを少なからず体験したあと

この場所で出るものは、残さず食べるようになりました。
(それまでは、手付かずで残すことさえあったのです)

「食べる」こと
「食べるものを作ること」 を通して学ぶことの大きさって
ほんとのほんとに大切なんだなあ。
この場所に、そしてこの場所の私たちを取り巻く人たちに感謝なのです。

こういう体験をするたびに、大好きなエッセイスト山本ふみこさんの本のタイトルを思い出します。

「親がしてやれることなんて、ほんの少し」


好き嫌いもいっぱい、わがままもいっぱい、反発しながら、甘えながら
それでも毎日気持のいい布団と、日々の食事があって
なんか悲しいときには誰かいる、っていう場所を作るのが私の仕事。

親があれもこれもと先取りして心配しなくても
大切なことはこうして、子どもが自らの場所で学んでいく。
甘えや反発から親の言うことなんて耳に入らなくなる時期が子どもにはあるわけで
そんなときに、まわりからたくさんのことを吸収できる子であってほしいと思います。

そういう力がちゃんと、子どもにはあるんだと思います。

あせらなくていいんだよね。
少しづつ、マイペースで大人になっていっておくれ。
そんなことをえびの一皿で思っていた一夜>笑




食事のあとは癒しねこちゃんとお部屋でまったり。

2009_0107izumi0118.jpg

この温泉にゃんこ太郎ちゃん(でも女の子)は、おそらく14歳ぐらいだろうって。
温泉の水を飲んでるから、こんなにきれいで元気なのかも。
ほんと、癒されます。
太郎ちゃん、長生きしてね。

2009_0107izumi0120.jpg


山は雪がたっぷりで、スキー日和だったのに、私も息子も部屋でまったりしちゃいました。
温泉もいっぱい入って
これまた宿の癒し犬、ポパイと散歩してのんびり。
14歳思春期の息子と、バージンスノーに変な足跡をつけて歩くという散歩なんかをして休日を過ごせるなんて、ほんとにしあわせだなあ。

2009_0107izumi0112.jpg

至福のおいしい3日間。
さあ、今年もまた、頑張ります。
こんな風に、ちっちゃく日々の足跡を残しながら
毎日を小さく積み重ねていかれればと思います。
今年もよろしくお願いいたします!

2009_0107izumi0124.jpg





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Last updated  2009年01月08日 09時58分08秒
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