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2009.01.15
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カテゴリ: 映画/ヒューマン

「(養子にもらわれた後に)僕のママが来たら?」
「名字が本物なら捜せる。施設での命名なら絶望。駅で拾われた僕は絶望だ。」

映画に限らずテレビドラマにも言えることだが、子どもが健気にがんばっている姿とか、動物が過酷な自然の中で生き抜く姿とか、人間のメンタルな部分に訴えかけるものは概ね成功率は高い。
そういう弱者を作品のテーマに掲げられたら誰も酷評できないし、否が応でも“ガンバレ!”とか“お幸せに!”みたいなエールをおくってあげたくなるものなのだ。
例外でなくこのロシア映画「この道は母へとつづく」も、人間の良心がくすぐられる名作だ。

真冬のロシア。
孤児院では多くの子どもたちが身を寄せ合って暮らしていた。
貧しく過酷な生活から抜け出す術は、裕福な養父母に引き取られていくこと・・・。

そんなある日、すでに養子として孤児院から巣立って行ったムーヒンの母親が突然孤児院を訪ねて来た。
一度は捨てたはずの息子だが、我が子への愛情冷めやらず、必死に捜し出して来たのだった。
だが院長から母親失格の烙印を押され、追い返されてしまう。
そんなようすを遠巻きに見ていたワーニャは、自分がイタリア人夫妻のもとへ引き取られた後、実母が孤児院を訪ねて来たらどうしよう・・・と、母親への憐憫の情と恋しさが募るのだった。

生きるためとは言え、まだ成人してもいない少女が娼婦となって稼いでいる姿は、正直、閉口した。
また、就学年齢に達しても読み書きすら教えてもらえないのかと思うと、社会主義国家の闇を見たような気がした。
あるいは孤児院という特殊な環境にある者たちだけが味わう社会の過酷な運命なのか。

ラストは、主人公ワーニャがやっとの思いで実母と対面するところでエンディングなのだが、果たしてその後の生活がどうであるかは分からない。
ただとりあえず、母のぬくもりとあたたかい部屋と、まだ冷めていないスープにありつけたのだろうと、想像するばかりだ。

2005年(露)、2007年(日)公開
【監督】アンドレイ・クラフチューク


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.01.15 08:31:34
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