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2012.12.16
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【クリムゾン・リバー】
20121216

「悪夢の始まりはゲルノンでした・・・」
「ゲルノン・・・なぜ警察に連絡しなかったんですか?」
「相手は悪魔です。警察など何の力に?!・・・娘のことは手遅れでした」


年末のこういう時期に見る内容じゃないと、拒否反応を示す方がいたら心からごめんなさい。でも私はこういうのが好きなのだ。
自分でも何で好きなのかは深く考えたこともないけれど、こういう猟奇事件を扱った、衝撃的で緊張感のある作品は見終わった後、「自分はこんなに恵まれた環境の中にいる! ありがたや、ありがたや・・・(合掌)」という気持ちになるからかもしれない。

『クリムゾン・リバー』は、フランスでベストセラーになった同名小説を映画化したものらしい。(ウィキペディア参照)
これまで『羊たちの沈黙』とか『セブン』などを見ても、原作を読んでみたいとまでは思わなかったが、この『クリムゾン・リバー』を見て初めて原作を読んでみたいと思った。
というのは、ところどころ原作を端折っているのか、「なんで?」と不思議に思う場面が多く、想像力を働かせないとストーリー展開に追いついていけないという失態を犯してしまうからだ。
また、フランス人というのはある意味日本人に似ているのか、ハッキリとした意思表示のある表情を見せない人種に思えてしまった。
なにしろ役者たちみんながみんな、雲行きの怪しい表情で、何をどう考えているのか読み取りづらい表情なのだ。

舞台はフランス、アルプス山麓にある大学町ゲルノンにおいて、裸で目がくり抜かれ、手首が切断されている変死体が見つかった。
しかも胎児のような格好で縛られている。その捜査を担当することになったのは、パリから派遣されたピエール・ニーマンス警視で、雪深いこの町の閉鎖的な雰囲気に、暗い影を感じる。

こちらの事件を担当するのは、まだ若手のマックス・ケルケリアン刑事で、捜査をすすめていくうちに、ゲルノンで起こった事件とどうやら関係があることに気づくのだった。

こういうゾクゾクするような猟奇モノは大好きなのだが、別の事件を追う刑事がお互いに二つの事件の関連性に気づき、パートナーを組んで一緒に解決していくプロセスを、もう少し具体的に表現しても良いような気がした。
例えば若手刑事の方が、ニーマンス警視のこれまでの伝説的な武勇伝に尊敬の念を抱いていて、ひと目で一緒に捜査をしたくなったとか、あるいはニーマンス警視が元警察学校の教官で、若手刑事の恩師だったとか。
ゲルノン大学での裏の顔についても、何で優生学を研究する必要があったのか? それがどんな利益をもたらすものなのか?
そういう背景が分かってくると、私のようなサスペンス好きにはもっともっと楽しめたかもしれない。

主人公ニーマンス警視に扮するジャン・レノ、それに若手刑事ケルケリアンに扮するヴァンサン・カッセルの、息の合った演技も見逃せない。ミステリアスでスリリングでホラー色がところどころに感じられるこの作品は、きっとサスペンス好きにはたまらない刺激になると思う。おすすめ映画だ。

~追記~
続編の『クリムゾン・リバー2』は コチラ から。

2000年(仏)、2001年(日)公開
【監督】マチュー・カソヴィッツ


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2012.12.23 06:26:32
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