羊水。






               其処に僕達は存在して居ました。

               未だこの様な殻とも形容可能な肉体を持ち

               この世に生まれて来る迄は。



               淡い波に羽毛の様に抱かれて

               未だ逢わぬ未知の世界に心震わせて

               僕達は待って居たのです。

               其処がどんなに汚れた恐ろしい世界で在るか

               まるで怯えて居なかったのです。



               却説 僕達は此の世界に存在してしまいました。

               僕達の居た 幻想の様な空間こそ

               真実とも例えられる居場所で在ったのに。

               生まれてしまった。

               存在してしまった。

               もう僕達は彼処へ戻ることを許されないのです。



               僕は深い水辺で潜ります。

               身体を赤子の様に丸く縮めて

               そして水中から降り注ぐ光に刺し抜かれるのです。

               身体中が波に包まれる其の瞬間に

               僕は限り無く彼の優しい幻想に近い位置に居るのです。


            ______________________________

               最近、生まれる前に戻りたぃと良く考ぇマス。

               母親からすれば充分に良ぃ迷惑以外の何物でも

               無ぃでしょぅけどね。(^-^;




© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: