値札。




               貴方は何時もあたしに云うけれど。

               「君は存在価値が有るんだから。」

               じゃあ あたしに教えて頂戴。

               こんな廃棄物の存在価値を。

               若し あたしに値札が付くとしたら。

               一体幾ら分の値打ちが付くのかしら。





               貴方のあたしを繋ぎ止める鎖は脆くて。

               歩みを進める度に 足元を煩わせるから。

               貴方が「柔らかいね」と撫でてくれた此の髪も。

               貴方が「細いね」と握ってくれた此の指も。

               貴方が「透き通ってるね」と覗いた此の瞳も。

               貴方が「綺麗だね」と聴いてくれた此の声も。

               全て 所詮は紛い物なんでしょう。

               偶然あたしが持ち合わせただけの装飾でしょう。

               貴方はあたしの何処を気に入ってくれたの?





               あたしは自分の首に値札を打ち込んだ。

               細い針金で白いプレェトを首に巻き付けて微笑った。

               プレェトには未だ何も値段が書き込まれていない。

               貴方にあたしの価値を書き記して貰う為に。

               あたしを難く定義付けて頂戴。

               詰まらない思考が永久に働かない様に。





               ねぇ。あたしは貴方にとって少しでも価値が有ったのかしら?


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               誰かに価値を見出して貰ぇる人は幸せだと想ぅ。。。




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