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信州・信濃の国 街道物語
信濃、信州の街道
新シリーズ
信濃の国、そして、信州、現在の長野県には、昔から東山道、中山道、北国街道、谷街道、千国街道、伊那街道など更に細かい街道がたくさんありました。大きなのは、大化の改新以降の東山道、そして、江戸時代の中仙道がありました。徐々に更新して行きます。
江戸時代に徳川家康の重要な政治・事業として主要街道の整備がありました。5街道に東海道、奥州街道、日光街道、甲州街道があり、そして信濃国を通る中山道があります。東海道が最も有名だし、交通量も多かったですが、特に、東海道53次はつとに知られています。大井川など水の増水などで難儀も多く、女性陣には、この中山道が人気あったと聞きます。
したがって、信州の街道の主要な中仙道とのアクセス街道も多く、塩尻洗馬から善光寺までの善光寺街道、中仙道追分から長野そして越後へと北国街道、伊那谷街道が飯田方面に伸び、三州街道、遠州街道などで静岡、愛知へのルートは現在に至っています。
司馬遼太郎氏が「街道をゆく」を執筆していますが、「信州佐久平みち」で詳細を掲載しています。小生も読みましたが、勉強になりました。さすが、司馬さんは、この街道以外にも全国主要街道を調査され、執筆されています。
また、国交省道百選には、長野県では3箇所が選定されている。1、白馬山麓の道路 2、北国街道 3、飯田の並木通り 現代の道路では長野県には少ないですね。
鰤街道が野麦街道、油街道が大笹街道、鯖街道が伊那街道、塩の道が千国街道など物資流通や経済、食文化などが通称ともされていたンデスね。生活のにおいも感じます。
●東山道
東山道は近江、美濃、信濃、上野、下野、陸奥、出羽の8カ国からなるとされる。
上田市になる信濃国分寺が当時の様子を垣間見ることができます。大化の改新以降東山道が発達したようであるが、まだ、研究の余地が多いようだ。現在の美濃つまり岐阜県から(神坂峠超え)し、飯田方面から伊那を通過し松本の信濃国府(推定)を通り、上田市の信濃国分寺まで行き、碓氷峠を越えて関東に向かうルートのようだ。資料として「延喜式」がある。筆者は歴史学者ではないので詳細はまだよく知りませんが、中仙道で発達した江戸時代以前は長いスパンで歴史浪漫を感じます。
もちろん、想像できることは信濃の国はその昔は山国でもあり、アクセスなど非常に困難を極めたこと、特に、冬季は。もあり、いにしえ人の苦労を感じます。したがって、当時は人口も少なく、資料も多く残っていないようです。この東山道は、信濃の国には、馬の生産地(南牧、望月、木曾、伊那、菅平、高山村牧、山ノ内町夜間瀬川上流等々)が官営としてあり、重要な要衝であり、かつ、馬をはじめ、米の上位ランクらしく、流通としても当時の朝廷からも注目されていたということなんでしょう。また、政治的・軍事的には、当時、東国の蝦夷に対する前線基地のような地であったといわれる。
●中仙道
鳥羽一郎が中仙道を歌っています。
信濃の国中仙道宿場町西からの各宿
落合宿~馬籠 妻籠 三留野 野尻 須原 上松 福島 宮ノ越 薮原 奈良井 贄川 本山 洗馬 塩尻 下諏訪 和田 長久保 芦田 望月 八幡 岩村田 小田井 追分 沓掛 軽井沢 ~坂本宿
この宿のなかでは、馬籠、妻籠、奈良井、望月、追分などは有名な宿場町として現在でも観光的にも人気あります。
東山道が信濃のアクセス道路を形作ったことは、周知のことです。そして、戦国時代ころになって、東海道の裏道的存在になったと考えられる。小田原北条氏が関東方面に宿場町として安中、松井田まで作り、その後、武田氏が下諏訪、洗馬、塩尻、奈良井、薮原、福島などに伝馬の継立 馬の中継地点?のような宿場駅なるものを設けたようである。今でいう自動車の通行可能な道路や駅ということであろう。
そして、徳川時代に家康によって、上記にも記したように中山道が5街道に数えられ、東海道の第2ルートのように利用可能に設計したようである。特に、調べると、東海道がメインとして馴染まれていたが、大井川など河川氾濫などの問題も多く、女性陣には、中仙道が人気あったこと面白い事実です。当時を知るには、この中山道には、非常に多くの宿場町が存在し、現代でも追分、和田、下諏訪、塩尻、洗馬、奈良井、薮原、福島、須原、野尻、妻籠、馬籠などが観光地や歴史保存地区として残っており、当時の面影を垣間見ることができる。特に、奈良井、妻籠、馬籠などは全国的にも有名です。中山道は江戸日本橋から京都三条大橋まで。69次。東海道53次よりかなり多いのはやはり、山岳地帯で通行が非常に困難であり、距離も長いということなんでしょう。2004年NHK大河ドラマ「新撰組」で香取新吾の近藤勇一行がこの中山道を通って京都に向かったとやっていましたのが記憶に新しいです。
また、文化的には、木曾漆器、薮原のお六櫛、マゲワッパ等々大量の物流が困難な時代にそれらは街道道中の各地や家族などへのお土産として全国に知られていったようです。特に、お六櫛は、江戸の女性陣に大変人気あったようだ。
●北国街道
追分から越後まで
当時は中山道がメイン道路だったですが、商売の発達、佐渡金山の金の運搬や長野市の善光寺参詣利用などもあり、現在の東信から北信への重要なアクセスであった。途中、佐久、小諸、上田、別所温泉・塩田平などを経由し何より伊勢神宮や成田山参詣と同じ位人気あった善光寺参りを目的に発達したようだ。追分 小諸 田中 海野 上田 坂木 上戸倉 下戸倉 矢代 篠ノ井追分(善光寺街道と合流) 丹波島 善光寺 新町 牟礼 柏原 野尻 そして越後へ
もう一方矢代から東部を通過する街道があり、牟礼で合流。矢代 松代 川田 福島(大笹街道起点でもある) 長沼 神代 牟礼
善光寺 昔から一生に一度は善光寺参りといわれる名刹。
そのなかでも海野宿は、当時の面影を残した保存がしてあり、一度は見学したい宿場町です。
海野宿 江戸時代以降は養蚕が盛んで生き残ったと歴史書にはあります。
●善光寺街道(北国西街道)
松本城 お城の東側を通過し、北上し岡田宿を目指す。
中仙道洗馬から長野善光寺までといわれる。
東山道の影響もあったらしい。
現在は、近代の幹線道路(高速道や国道など)でほとんど影を薄めていますが、善光寺参りと物資の運搬などで昔は栄えたようです。麻績(麻績は高麗の渡来人が住んだ村といういわれがあります。名前のように麻の技術を持ち込んだようです)、姨捨、稲荷山などに当時の面影を感じます。筆者は歴史学者ではないのであまり知識はありませんが、かなりの山岳地帯を横切るのでやはり、当時の人の健脚には
驚くばかりです。
青柳宿の峠にある切通し いにしえ人の執念も感じます。
どこの街道もそうですが、現在は、車などで通り過ぎて行くのでじっくり歩いてみるのもいいものですね。
洗馬で中山道と分岐。洗馬宿、郷原、村井、松本、岡田、刈谷原、会田、青柳、麻績、稲荷山、篠ノ井追分で北国街道と合流し、丹波島、善光寺と続き参詣がやはり重要な目的だったらしい。
●千国街道
松本から糸魚川
塩の道・千国街道といわれる。上杉謙信と武田信玄の川中島合戦の頃、敵に塩を送った謙信の話が有名ですね。木曽路と同じように険しい山岳のアルプスの麓で筆者は車で昔通過しただけですが、交易、善光寺詣で、文化交流などで栄えた。山国信州への魚や塩など海産物の搬入の重要な街道でもあった。塩の道祭りが盛んに毎年イベントして実施されている。戸土では、日本海が見えたようだ。
牛道でもあり、牛方が多く活躍 その名残の牛方宿が保存されています。
信州には中仙道が5街道のひとつとしてメジャーですが、他の街道も風情があったのでしょう。もちろん、現在は、鉄道や道路、高速道、空路などが便利になり、じっくり街道を歩くことは少なくなりましたが、これも、老後の楽しみに取っておきます。
●大町街道
長野市中御所から大町市。現在、途中五輪道路ができアクセスもよくなりました。小川村や中条村経由するが、ここも当時は厳しい道であったようだ。松本や千国街道とも合流し、善光寺参詣にもよく利用されてようです。北信の善光寺へのアクセスとして大町街道、松本街道、北国街道、善光寺街道、谷街道、大笹街道などがあり、善光寺さんはやはり信仰厚いお寺なんですね。現代でも同じです。
●谷街道
現在の千曲市稲荷山から千曲川東岸を通り須坂福島宿起点に小布施、中野、飯山を通り越後十日町街道へ
菜種油、生糸などの物資の交易も盛んだったらしい。松代、川田、福島、須坂、小布施、中野、飯山などには、当時の面影が少し残っています。
臥竜公園桜日本百選 さくらの名所
須坂市八十二BK須坂支店横の綿幸さんにあります谷街道、大笹街道、山田・草津街道分岐点の看板標識 この地も交通の要衝だったんですね。
●大笹街道
須坂福島宿から仁礼、菅平から鳥居峠を越えて現在の群馬県嬬恋村大笹へ そして、中仙道追分・沓掛までアクセス。
菅平の峠が難所であった。石仏も多く、旅の安全祈願の歴史を感じる。
その昔、東山道時代は、朝廷の東国(蝦夷地征伐で鳥居峠た碓氷峠は重要な分岐点として見張りとしての位置づけがあったようだ)信州は政治的、軍事的にも重要な要塞でもあったということかも?日本武尊など伝説が当地には多いようだ。
また、保科からのアクセスもあり、大笹街道・保科道もあった。
唐沢の滝
●三原街道
須坂灰野から上州嬬恋まで。牛街道であったらしい。筆者も全く知らない街道です。現在は、道があるのかは不明。牛は馬より険しい山道には向いていたようです。
●平林街道
長野市中御所あたりから須坂谷街道 現在も通称として地元長野市や須坂市住人には馴染みがある。
●草津街道
谷街道の中野あたりから志賀高原、志賀山を越えて群馬の草津へ ここは、特に険しかったので当時の難儀は想像以上かと思います。名湯草津温泉湯治や善光寺参詣の旅人が行き交ったようだ。
志賀高原は白樺が綺麗です。昔も街道の旅人の目を楽しませてくれたものでしょう。
●山田街道
須坂谷街道と大笹街道の合流点が現在も記念碑が八十二BK須坂支店と老舗呉服店綿幸さん近辺にありますが、要衝だったんですね。山田街道も草津街道同様大変険しいのでここも難儀だった。山田峠峠超えは特に命がけと思います。最近、古道復活の活動が高山村で開始されたようだ。ここ高山村は、秘湯山田温泉があり、旅人の待望の休憩地点。また、良質の炭ができるので炭焼き小屋も残っていると聞きます。小生祖父やご先祖さんは炭焼きもしていたようで郷愁も感じてしまいます。
近年松川渓谷の紅葉が日本1とかいう方もいるように観光でも脚光浴びています。この写真八滝は旅人の疲れも癒してくれたことでしょう。
●飯山街道
谷街道から飯山で左折し、富倉峠を越えて、北国街道新井宿まで。
上杉謙信が信濃攻めの重要なアクセスだったらしく、発展したようだ。
●祢津街道
現在の東御市新張から地蔵峠経由で鹿沢温泉、嬬恋まで。百体観音がお迎えしてくれる。菅平経由鳥居峠越えての大笹街道ともアクセスしていたようだ。鹿沢温泉湯治目的も多く、千手観音はじめ昔の新張地区の人々が建立に尽力したようだ。ただただ、頭が下がりますね。麓に海野宿の北国街道があり、旅人がゆっくり宿泊し、明日の旅に備えたのでしょう。湯の丸高原があり、夏にはつつじで癒されたのでしょうか?昔の旅は、今と違って、水杯で乾杯し、決死のたびであったようです。舗装はしてなく、わらじで獣や盗賊、怪我や病気などと戦いながらその健脚には、ひ弱な現代人には想像以上に厳しかったと思います。
●伊那街道(三州街道)
塩尻から遠州までの伊那、飯田経由で現在の静岡県まで。太平洋の海産物と信州の物産の交易で大いに栄えたようだ。南信方面は中仙道がメジャーであるが、この伊那街道、甲州街道、秋葉街道、野麦街道など周辺街道とのアクセスも多かったようだ。
●野麦街道
山本茂美氏小説「ああ、野麦峠」であまりに有名な街道。岡谷製糸工場への女工哀史。
別名鰤街道とも言われる。飛騨から松本。富山の鰤を運んだそうな!山国信州は塩、海産物は貴重な食料で他の街道でも塩の道としての街道はは多く残っています。
飛騨・高山から中仙道を経由して江戸への重要な街道。
●杖突街道
茅野から伊那まで 峠百選にもあるように杖突峠は名前のように杖をついて超えるほどの峠でこの街道もかなり急峻で険しかったらしい。
●佐久甲州街道
岩村田、佐久から甲州街道韮崎まで。武田信玄の時代は重要な信濃路の街道。塩など物資運搬や善光寺参詣などの利用も多かった。
●秋葉街道
中央構造線。南アルプスと伊那谷に中間。遠州の秋葉神社(火の神とか)参詣ルートとして諏訪方面からも利用したようだし、塩の道でもある。また、信玄の南下のルートとしても重要なアクセスであったらしい。筆者は、北の人間で南の方は地理や土地勘に疎いですが、一度、通ってみたい街道です。杖突峠からの諏訪、八ヶ岳は絶景と出ていますね。高遠、入野谷あたりまでしか行っていないので。赤石岳も見てみたいものです。
信州は、日本百名山にも書きましたが、多くの100選の山岳が多いし、名水、滝、峠も多いのでドライブには飽きが来ないですね。
●保福寺街道
野倉の道祖神 この街道近くの塩田平・別所温泉にありますが、街道には、道祖神、一里塚、庚申塔、千手・馬頭観音などがお出迎えしてくれますね。旅の安全祈願に昔の信州には特に多いようだ。
別名松本街道 松本から上田への東山道時代(上田の国分寺、国府へのルート)からの重要な街道。現在は、高速道や国道19号線で短縮になっているが、ここも険しい山岳地帯で難儀であった予想される。現在の143号線。保福寺峠はウエストンでも有名です。江戸時代松本藩参勤交代での重要な街道だったらしい。
●甲州街道
5街道の一つ。
蔦木 金沢 上諏訪 下諏訪で中山道に合流。
甲州金山が発見されてから軍事、商業などで栄えた。信州では、上記のように短い。
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