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東北大学の研究チームが、月面に人間が住める都市を造るため、AIロボットの開発に本気で取り組んでいます。
「2050年までに月面に未来都市を作る」
東北大学の吉田和哉教授がそう言い切るとき、その言葉にはちゃんと根拠があります。
ハリウッド映画の台詞じゃなくて、内閣府の大型研究プログラム「ムーンショット型研究開発制度」に採択された、れっきとした国家規模のプロジェクトなんですよね。
ムーンショット型研究開発制度とは、少子高齢化や地球温暖化といった社会課題を解決するため、日本発の"破壊的イノベーション"を生み出すことを目指した内閣府の大型プログラムです。
目標1〜10まであり、吉田プロジェクトは「目標3:2050年までにAIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」に取り組んでいます。
このプロジェクトの主役は、「MoonBot(ムーンボット)」と名付けられたモジュラー型AIロボット。
東北大学を軸に、大阪工業大学・京都大学・東京理科大学・産業技術総合研究所といった錚々たる研究機関が結集して開発を進めています。
2025年3月12日には、JAXAの相模原キャンパスにある月面模擬フィールドで、試作機の公開実験が初めて行われました。
MoonBotの何がすごいか、というと「完成品を月に送らない」という発想の転換にあります。
アームや車輪といったモジュール(部品単位)をロケットに積んで月に運び、現地で自律的に組み立てるんです。
しかも用途が変わったら、AIの判断でその都度ロボット自身が組み替わって変形する。
「Minimal」や「Dragon」といった形態があるそうで、その変幻自在ぶりはまるでトランスフォーマーみたいな話です。でも、これが現実に動いているんですよね。
月面での作業内容も多岐にわたります。
太陽電池パネルの展開、資材の搬送、そして特に面白いのが居住棟の建設方法。
折り畳まれた膜状の構造物に空気を送り込んで風船のように膨らませ、傍らでMoonBotがカメラで膨らみ具合を確認しながら完成まで見届ける——なんともロマンのある光景です。
人間のいない場所で、ロボットたちが互いに助け合いながら都市を作るんです。
開発ロードマップ
〜2025
地上での試作機実証・JAXA施設でのデモ公開。大阪・関西万博でも展示予定。
〜2030
宇宙環境で動作するロボットを開発し、月面での動作実証を目指す。
2050
月面での探査・資源活用が促進され、人間が持続的に滞在できる有人活動拠点を実現。
「ロボットが都市を建ててくれるなら、人間はいったい月で何をするの?」ということ。
吉田教授は「全体をマネージするのは人間で、その中で機械が自律的にいろいろなことをするのが、一番好ましい人間と機械の関係」と語っています。
つまり、ロボットが雑務や力仕事を担い、宇宙飛行士は知的・科学的な活動に集中できる未来です。
月面版「働き方改革」といったところでしょうか。
ムーンショット目標3には吉田プロジェクト以外にも、月の地下空洞「溶岩チューブ」での居住環境構築を目指す中央大学の國井康晴教授らのグループも取り組んでいます。
溶岩チューブの中は隕石衝突や宇宙放射線から守られるとされており、月面都市の有力な候補地のひとつ。
複数のアプローチが並走しながら、2050年という同じゴールを目指しているわけです。
夜空を見上げて月を眺めるとき、「あそこに人が住んでいる」という日が来るかもしれない。
その日を迎えるための礎を、今まさに日本の研究者たちが一つひとつ積み上げている。
そう思うと、なんだか胸が熱くなりませんか。
2050年——今から25年後。
これを読んでいるあなたも、きっと生きてその瞬間を目にできるはずです。
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