EPISODE 1 ―森を駆けろ!―




いつもの日課として私はギルド「テンペスト」の仲間に挨拶をする。この会話は遠く離れていてもギルドと言う枠内では容易に会話できる。
「皆!おはよう♪」
いつも一番に挨拶をくれるランドⅡ世さん。続いて、朽岐さん。そして、我が師匠のkarenさん。他の方々はまだこの世界に帰ってきてない様だ。
嬉しい。私には帰る場所がある。いつも私を暖かく迎えそして歓談する仲間・・・ただそれだけで満足する。まるで、母の腕の中でスヤスヤ眠る赤子の様に、そして父の様に気高くそして力強い背中ので眠る様に。
そこに、伝令が入った!
「助けてくれ!壁から抜けれない!」
「モンタヌゥス神殿の4F、ターラに出る隣の部屋だ!」
早速、私もマエルのゲートでカイヌゥスからターラへ、ターラの村で身支度をして仲間の待つモンタヌゥス神殿へ。
途中、何度も敵に道を阻まれ、私の体力を奪っていく。私も必死でヒールポーションを飲みながら敵の隙間から駆け抜ける。
「はぁはぁ・・・なんてしつこいモンスターなんだ!・・・」
手持ちのポーションが半分も無くなる。自分の弱さがここで露呈してしまうとは・・・
「情けない!情けないぞ、私っ!」
自分に渇を入れながら、ただひたすらモンタヌゥスへ走り抜ける。森の中をただ目的地に向かい走り続ける。
そして、目の前が開け、そこには大きく口を開け冒険者を飲み込む様な深い闇。そこが、モンタヌゥス神殿へと続く入口。ここを降りれば直ぐ傍に仲間達がいる。後ろからは奇声を上げたモンスター達が追ってくる。
『急がねば!』
私はその大きな闇に飛び込む。




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