私の名盤557選

 Helen Meryl Helen Merril with Clifford Brown
 日本フォノグラム(Emarcy), SFX-10503, 1954年12月22,24日録音.
(2003.26.MAY.#1) 今日から"私の名盤557選"を初めたいと思います. 557枚の名盤は僕の好きなジャンルであるJazz Vocal,R&B,Folk/Rock系を中心に ご紹介します.尚,記載の盤ナンバーは僕の所有する古いレコードやCDのものですから 悪しからず.記念すべき第1回目はヘレンメリル.ジャズボーカルの決定的名盤です. 彼女の新人の頃,天才トランペッタークリフォードブラウンとクインシーの編曲によるあまりにも有 名な1枚ですね.ハスキーな声とナイーブな唱法が心に残ります.

 B.B.King B.B.King / Live at the Regal
 コロムビア,YZ8027 1964年 シカゴ リーガル劇場でのLive.
(2003.28.MAY.#2) 彼の出現は黒人大衆音楽であるブルースの歴史を全く新しいものに変えてしまいまし た.黒人聴衆を相手に彼本来の魅力が充分に味わえる名盤中の名盤です. 若手の黒人ブルースマンばかりでなく,広く白人ミュージシャンにも多大なる影響を与えた ブルースギターの魅力が炸裂します.さらにA面2曲目の大傑作曲Sweet Little Angel ではシンガーとしても超一流の実力をまざまざと見せ付けます.本物を知る人達に よって,永遠に語り継がれるであろう歴史的な1枚です.

 Van Van Morrison / Moondance
 Warner Bros. WS1835  1970年 3枚目のオリジナルアルバム.
(2003.07.JUL.#3) Van Morrisonは彼生来の気骨と誠実さによって,ロックを肉声化した類い稀なる シンガーです.ゼムの解散後,彼自身の音楽の根源を求めて,異郷の地アメリカを彷徨う その苦悩の歴史は,そのまま一つのロック史と言ってよいでしょう. このアルバムは彼の初期の傑作として名高いものです.あれ!どこかで聞いたこと があるなあ.と言う何か懐かしい感じの名曲が並びます.日本の歌謡曲から 後進のロックシンガーまで,彼のフレーズを頂戴しているところが多いのでは? 僕はこの名盤をイギリスのオリジナル原盤で持っています.

 Cockburn Bruce Cockburn / High Winds White Sky
 True North TN-3
(2003.21.JUL.#4) 彼のアルバムを選ぶに当たって,Salt Sun and Timeとどちらにしようかと最後ま で悩みましたが,アルバムとしてのバランスとその静けさの面からこれにしました. 透明なギタープレイ,ジャズへの郷愁,冷たさと温かさが同居するヴォーカル,全てが 唯一無二の個性であります.正直な話,僕はこのアルバムとCockburnをここで紹介 したくはなかった.でも,本物の音楽,そしてその中から選りすぐりの名盤を紹介 していくことに半ば義務感のようなものを感じて掲載した次第です. カナダのシンガー&ソングライターであるCockburnは僕の大切なアーティストの一人です.

 Billie Billie Holiday / Lady in Satin
 CBS SONY, 23AP-100, 1958年2月録音.
(2003.26.JUL.#5) "私の名盤557選"の5枚目は再びJazz Vocalに戻ります. Billie Holidayは1959年に他界した不世出のVocalistです.これは彼女が他界 する前年に残した限りなく美しくも悲しいアルバムです.彼女の全盛期からは想像 もできないほど声は衰えていますが,Ray Ellisのどこまでも美しいストリングスと 不思議なくらいに調和して聞く者の涙を誘います.僕はこのアルバムを初めて聞いた 時に訳も無く涙がポロポロと出て困りました.衰えながらもなお魂で歌い続けた Billie.音楽の枠を超え,人間が到達した芸術の極みではないでしょうか.

 Hopkins Lightnin’ Hopkins / Lightnin’ Strikes
 テイチク,VLS-6021 オリジナルは1962年の作品.
(2003.07.JUL.#6) Pure Blues, 正しく純度100%のブルースアルバムの傑作であります. ブルースはライトニンに始まり,そしてライトニンに終わると言われます.どこまでもダーティー な彼のボーカルとブルースフィーリングたっぷりのギターが冴え渡ります.何と言いますか, 言葉では言い表せない例えようも無く素晴らしいブルースであります. 1978年の2月に来日,1982年1月には帰らぬ人となったライトニン.今は大切なこの レコードで時々彼に会うことにしましょう.So long! Mr.Blues.

 Van Tom Waits / Closing Time
 Asylum IAP-80856  1973年 彼の1stアルバム.
(2003.06.NOV.#7) 久し振りに"私の名盤557選"の7枚目です. レコードの時代に「擦り切れるほど」と言う表現が使われたものですが, 僕は本当にスリ切れるまでこのレコードを聞いたものです.2枚目のアルバムと共 に是非お薦めしたい名盤です.イメージとしてはフィリップマーロー?,ジャックティーガーデン でもないし,やっぱり彼独特の世界が広がります. かつて音楽が音楽であった,ギリギリの時代の狂い咲きとでも言いましょうか? 交錯したコンプレックスと,早熟且つおくての彼自身の姿が,感性をクスグル素晴ら しいメロディーに乗って表現されています.ウーム何度聞いても名作です.

 Nina Nina Simone /
 Jazz as Played in an Exclucive Side Stereet Club
 CBS SONY SOPL-275BH,1958年彼女の1stアルバム
(2004.10.FEB.#8) またまた久し振りに"私の名盤557選"8枚目はニーナシモンの名作です. 彼女は2003年4月に亡くなりましたが,最後までこれを越えるアルバムは無かった. ボーカルは勿論素晴らしいのですが,彼女ほどピアノの上手な歌手は他にはいない と思います.自分自身が自分の歌の最高の伴奏者であったわけです. Jazz Vocal,Soul,時にはクラシカルと幅広い才能が示されます.僕は彼女の歌には 全て"祈り"にも似た様なものを感じます.Vocalスタイルの一つの道を開いた歴史的 な名盤であります.原盤は有名なBETHLEHEM BCP6028です. 個人的にはNina and Pianoもお薦めです.

  Fats Domino / Rock and Rollin' with Fats Domino
 Imperial LP-9004,1956年3月 衝撃のデビューアルバム
(2004.13.MAR.#9) "557選"9枚目でようやくこの御大の登場です. ニューオーリンズサウンド最大の大物と言えば,もう,この人以外にはないでしょう. 重厚で泥臭い中にも,とても楽しくてポップな感覚を織り込んで,1950~60年 代を通して黒人アーティストでは最大のヒット曲数を誇ります.チャックベリー,リトルリチャード と共にロックンロールの創世記を彩った彼のデビュー作であり,名盤中の名盤であり ます.彼の曲は白人アーティストにカバーされることが少なかったのですが,それは 彼の曲が正しく本物のニューオーリンズサウンドであったことの証ではないでしょうか?


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