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2023年06月15日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 先週は東京のダービーのお話でした。今週は、もちろん岩手のダービーのお話。

 6月11日にに行われた岩手のダービー『東北優駿(岩手ダービー)』は2番人気のミニアチュールが優勝、牝馬にして岩手の3歳クラシック二冠を達成しました。


★東北優駿(岩手ダービー)優勝 ミニアチュール

 “一冠目”のダイヤモンドカップが終わった時点では“二冠目”東北優駿は無風というか、ダイヤモンドカップの上位馬による再戦気配が濃厚と考えられていました。

 ミニアチュール、リッキーナイト、スノーパトロール。ダイヤモンドカップは結果こそミニアチュールの勝利で幕を閉じたものの、勝負所から直線半ばまで馬体を併せる位置で食い下がり続けたスノーパトロール、そんな前の二頭の隙を突くかのように猛然と追い上げたリッキーナイトのレースぶりも目を惹くものがありました。
 東北優駿は1600mから2000mに距離延長。そこでこの構図が、この着順着差がどう変わるのか?変わる可能性も十分にあるのではないか?と感じさせたのがダイヤモンドカップのレースであり、その直後の雰囲気でもあったと思います。

 そこに飛び込んできたのが南関からの移籍馬・ロッソナブアの登場。そして鞍上に御神本訓史騎手を配するという情報。さらにはダイヤモンドカップでミニアチュールの手綱を取っていた山本聡哉騎手が負傷のためここでは騎乗できないという状況も発生。レース直前になって事態というかレースの前提条件のような部分も二転三転して、とても“無風”とはいえない戦前の状況になっていました。

 一番の注目はロッソナブア・・・ということになりましたよね。門別でのデビューが8月後半と遅めだったこともあって現地での重賞戦線には間に合わなかったものの、デビュー戦・2戦目ともに高い評価を与えられていた素質馬。南関に移ってからも重賞への出走はありませんでしたが重賞級の相手と互角に渡り合っており、備えた性能はこの馬も“重賞級”という評価が妥当・・・になるのはごく自然。

 ロッソコルサの半弟という点も注目度を高めたでしょう。そのロッソコルサは2012年の不来方賞・ダービーGPを制し、年末のグランプリ・桐花賞も3歳馬にして優勝。その年の年度代表馬にも選ばれた馬。古馬になってからは休養が多くなり、結局3歳時の輝きまでは取り戻せませんでしたが、しかし4歳秋の青藍賞を制しているのですから地力はやはり高い馬でした。


★ロッソナブアの半兄・ロッソコルサは12年の年度代表馬に選ばれる活躍を見せた(写真は12年ダービーGP)



 反対側の、ライバルの方から見ると、それが闘争心をよりかき立てた面も確かにあっただろうと感じますね。それがミニアチュール・山本政聡騎手の真っ向勝負ぶりにも表れたのではないでしょうか。

 ピラヴロスが逃げる、ロッソナブアが2番手あたりに付ける。この辺の位置取りは自分の想像の通りでした。少し違ったのは、自分は同じくらいの位置にスノーパトロールがいてミニアチュールはその一列後ろ、そこで前を見つつ後ろにいるだろうリッキーナイトを警戒するだろう・・・と思っていたのが、ミニアチュールが序盤からロッソナブアの直後・外に付けた点。
 一周目のスタンド前を通過していく馬群、ミニアチュールの位置を見て“強気だ”と感心すると同時に“大丈夫なのか?”と思ったのが正直なところ。


★一周目スタンド前を通過する馬群。ピラヴロスが逃げロッソナブアが2番手。ミニアチュールはその外3番手で真っ向勝負の位置に付ける

 しかし2周目の向こう正面半ばすぎ、ロッソナブアに外から被せていくミニアチュールは、ロッソナブアの手応えが怪しくなっているにしてもひたすら強気・強気。ねじ伏せにいったのかと、そこまで真っ向勝負で勝とうというのかと、何というか見ていて息を呑むというか息が詰まるというか、直線にいたる攻防を見ていた時の自分の胸の高鳴りは先日の東京ダービーの直線を見ていた時とかわりがなかったですね。

 ここまで“徹底的に勝つ”競馬をするのかと。いやこれは本当に見事だった。


★引き上げてきた山本政聡騎手のけれんのない笑顔。いかに嬉しい勝利だったかがわかる

 レース後のインタビューの際、山本政聡騎手も佐藤祐司調教師も感極まったのか言葉に詰まりかけるようなシーンがありました。
 そういうところはあんまり無いお二人だと思っていたんですけどもね。それくらい力が入る一戦・想いのこもった勝利だったのだろうと思います。





 ただ、勝ったミニアチュールから4着スノーパトロールまでがざっと5馬身。そのうちの4馬身はミニアチュールが抜群の競馬をしたから生まれた差であって、この辺の着差が各馬の力の差だと判断するのはまだ早いでしょう。
 それぞれの馬に“勝てる世界線”があったはずで、今回はこのような結果になりましたが、これからのそれぞれの成長や変化によっては勢力図も変わってくる。そんなふうにも思います。
 ただ。もう一度“ただ”を重ねますけども、ミニアチュールってセンスの良さで勝つタイプだと思っていましたが、今回のような力尽くでねじ伏せるような競馬をしてそれで2000mを乗り切れるような底力があるところを見せた。ミニアチュールがもっと強い馬だという可能性も十分にあるとも思いますね。

 いずれにせよ秋が楽しみです。


★2着リッキーナイト。「序盤からかかってしまって。あれだけかかっていながらあれくらい走っているからたいしたものです。距離が伸びたら逆転もできるかもと思って挑みましたがミニアチュールは勝負所で持ったままでしたからね。いろいろ含めて今回は完敗です(高橋悠里騎手)」


★3着ロッソナブア。「先行して2番手に付けるのは理想の展開だったけど、2000mはちょっと長いのかもしれない。それでも最後までよく頑張って走ってくれたと思います(御神本訓史騎手)」



 勝ってウイニングランとか、今年は多いじゃないですか。山本政聡騎手もそうでしたけども。
 来年以降も各地の3歳三冠路線は残るかもしれません、残るでしょうが、そこに「ダービー」と付くレースは無いはずです。“実質的にダービー”というレースはあるでしょうが。
 もしかすると最後の各地のダービー。各地の関係者も心中期するところをもって挑んだ・・・というとオーバーかもしれませんが、なんとしても勝ちたいという強い思いが生まれてしまう今年だったのかもしれません。

 やっぱりダービーというレースは馬に関わる人々にとって特別な意味合いがあるんですよね。

 ダービーって、やっぱり良いなあ。





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最終更新日  2023年06月17日 01時09分44秒


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