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2023年12月07日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 12月3日、全レース終了後の水沢競馬場パドックにおいて木村暁騎手の引退セレモニーが行われました。


★引退セレモニー、胴上げされる木村暁騎手


★寒い中たくさんのファンが待っていてくれました

 これに先立つ11月17日、地方競馬全国協会から発表された『令和5年度第2回調教師・騎手免許試験 新規合格者について』で木村暁騎手の調教師試験合格が発表されて、11月いっぱいで騎手を引退、12月1日から調教師となることが明らかになっておりました。
 ファンの皆さんはお気づきだったかもしれません。今年二度ほどかな、木村暁騎手が“家事都合”という理由で騎乗していなかった時期があったことを。その間は調教師試験のために教養センターに行ったりしていたわけですね。

 木村暁騎手は2002年のデビュー。同期の齋藤雄一騎手が一足先に調教師に転身しているんですけども、両騎手は自分が岩手競馬の仕事を本格的に始めてからデビューして、自分からするとデビュー戦から見ている騎手でしたから、齋藤雄一騎手の時も思いましたが“ついに引退かぁ”“もう引退かぁ”と、ちょっと感慨深いものがあります。

 ということで今回は木村暁騎手のこれまでを振り返ってみようというお題であります。

 木村暁騎手のデビュー戦は2002年4月20日の水沢5R。ヴィノロッソ号に騎乗しました。その結果は10頭立て10着。“ほろ苦いデビュー戦”ということになるのでしょうか。






★2002年4月20日水沢5Rでのデビュー戦。結果は10着


 初勝利は同年4月29日の4R、ロイヤルエリート号に騎乗して挙げました。デビューから7戦目の初勝利。




 初勝利後のインタビューを見ると「同期で他に勝っていた人がいなかったので自慢できた」とのコメントが。同時に「早くもう1勝したいが、勝つことに焦りすぎているかも」というコメントもありました。

 その後はまずまず順調に勝ち星を挙げて、1年目は通算11勝でシーズンを終えた木村暁騎手でした。

 ちなみに齋藤雄一騎手は、デビュー日は同じ4月20日でしたが初勝利は6月1日。初めての勝利は木村暁騎手の方が1ヶ月以上早かったんですね。ただし2勝目は齋藤雄一騎手は6月29日。こっちは逆に1ヶ月以上早い。
 同期の齋藤雄一騎手の1年目は通算12勝。初勝利や2勝目やらが前後しながらもシーズンは同じような勝ち星で終わるのが“同期”らしいというかなんというか。

 木村騎手の騎手人生、その序盤に大きな影響を与えたのが度重なる怪我です。改めて振り返ってみると、

・2003年7月5日、水沢4Rで落馬負傷して同年11月29日まで離脱
・2006年10月7日、盛岡8Rで発走前に負傷し翌年春まで離脱
・2007年は4月16日まで騎乗したが負傷、この年も翌年まで離脱
・2010年7月4日、水沢6Rで落馬負傷、同年10月23日まで離脱

 この後は長期間の離脱がなかったものの、廃止問題や東日本大震災もあった時期ですし、デビューから10年ほどの間“流れが悪かった”のは本当に痛かったですよね。

 これについて木村暁騎手に「どんな怪我だったか」をうかがったのですが、2003年は「850mの新馬戦で内ラチに突っ込んでしまって右腕の尺骨複雑骨折。他の所から骨を移植したけれど、それがうまく付かなくて」。2006年は「枠入れの時にゲート裏で馬が転倒。その右手の上に馬が落ちてきて・・・」。2007年は「肩甲骨を折ってしまった」。
 さらっと話してくれましたが、文字にしてみると“よく生きていたな・・・”と思う怪我ばかり。木村騎手も「一番アピールしたい時期に乗れない時期が続いたのは堪えたね。騎手をもう止めようと、真剣に考えていた」とこの頃を振り返ります。



 自分の手持ちにある特別勝ちは2008年4月14日水沢10R『大屋梅賞』。コスモパライソ号は2番人気での勝利。




★大屋梅賞の表彰式で。若い!


 2012年には『南昌山賞』、C1芝1600mと条件やレース名が少し変わった“南昌山特別”をバクソクトレイン号で制しています。


★2012年の南昌山賞優勝時

 木村騎手というとけっこう「芝」のイメージがあるんじゃないでしょうか。実際各シーズンの成績を見てみると芝未勝利で終わっている年もまあまあ多いのですけども、芝での勝率・連対率がダートでのそれを上回っているような年もありました。
 芝でも1000mや長距離はあまり勝って無くて1600mか1700m、なかではやはり1600m。人気薄も多そうなイメージですがはたして??


★2018年のダイヤモンドカップではエルノヴィオで2着

 重賞はなかなか勝てなかったですね。2着まではわりとあったんですけどもなかなか「1」には届かず。ついに届いたのが、皆さんもご存じの通り昨年のシアンモア記念。木村騎手も重賞ウイナーの仲間入りとなりました。「ここまで長かったけど、伝統のある重賞が初めてのタイトルになったのが嬉しい」とはその時の木村騎手のお話。




★木村暁騎手にとって待望の初タイトルは昨年のシアンモア記念でした。赤松杯も惜しかったですよね


 それだけに今年になっての引退はちょっともったいない気もしますが、調教師試験を始めて受験して一発合格ってなかなか無い事ですからね。これも運命の流れというものなのでしょう。

 今年の11月13日・盛岡9Rではユキノマツシマ号で優勝して自身の地方通算700勝達成。この時はまだ試験結果の公表前でしたが「間に合って良かった」と話していたのが記憶に残っています。





 騎手としての最後の勝利は2023年11月21日・盛岡6R、ハッチャキコク。3連単18万円あまりの高配当をたたき出す木村騎手“らしい”勝利。


★騎手としてのラストウィンでも万馬券をたたき出す

 そして最後の騎乗は11月28日の水沢12R、エイシンヌチマシヌ号でした。騎乗最終日はこの1レースのみの騎乗、それも当日の最終レース。結果は7着でしたが、最後まで見守ってくれていたファンの皆さんに良いお別れになったのではないでしょうか。






★騎手としての最後のレースに向かう木村暁騎手。レース後は馬上からファンの皆さんへサヨナラ

 また、これは自分語りですけども、「騎手として最初のレース」と「最後のレース」、「初勝利」と「最後の勝利」を現場で見ることができたのは、こういう仕事冥利に尽きるのかなとも思います。そういう事もあっていろいろと感慨深いですねえ。

 さて木村暁調教師。12月1日免許交付でなるべく早く厩舎の準備を始めたい希望だったそうですが、現状水沢競馬場に馬房の空きがないので年明けまで待つとのこと。例年2月10日頃になる、来季に向けた調教はじめの頃までには準備を整えて、3月の特別開催から出走・・・という流れになりそうです。
 来春、「木村暁厩舎」のデビュー戦を、そしてその先の活躍を、楽しみにしながら待ちたいと思います。

木村暁騎手の騎手生活を振り返るお話、​ こちらのインタビュー ​でもけっこういろいろ語っていただいているのであわせてご覧ください。





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最終更新日  2023年12月21日 19時11分28秒


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