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知人の話。
首都圏在住の知人は夫人を伴って週末を親元で過す。
親元は首都圏周辺県の地方都市である。
近くに長男夫婦が住んでいるが、親とは疎遠にしている。
次男である知人に親から、毎週の訪問と家事が求められた。
知人は、自宅を建てるに当たって親の援助を受けていて、その依頼を無碍に出来ない。
両親は健在だが、父親は横のものを立てにもしない男であり、母親は家事・炊事が不得手な女である。
近所に住む長男夫婦が毎日のように訪れていたが、長男妻が来なくなり、やがて長男自身も来なくなった。
そうして次男である知人に話があったのだ。
親孝行の労力は主として女の仕事になり勝ちである。
男は車の運転で充分な仕事をしたと思うようだ。
最初が肝心、次男は親からの話があった最初の時点で、なぜ長男夫婦が親元を訪ねなくなったか考えるべきであった。
また、自宅建築時の援助にしても、長男に対してはどうであったかを考えて良かった。
しかし、親に頼られることのなかった知人は、ようやく順番が来たかのようにむしろうれしかったと言う。
知人は毎週、夫人を伴って親元を訪ねるようになった。
親子三人が、掃除をする次男夫人を避けて部屋を移り、ようやく寛ぐと夫人の作る食事を待つのが習いになった。
夫人の用意する食事を待ちかねて、彼女が居間と台所を往復する内に食べ始め、彼女が席に着く頃には食後の茶を求めるのが定番であった。
知人の夫人は、機嫌が良い訳はなかった。
義家訪問に先立つ買い物、旅費としての高速料金・ガスリン代の全てが夫人が責任を持つ家計からの支出であった。
親の気遣いを期待すると、知人は不機嫌になり沈黙を守るだけだったから、夫人は黙って家計をやりくりするしかなかった。
義家への訪問が長くなると、いろいろなことが、それなりに聞かされ分かってきた。
長男は、やがて同居することもあるとして、家は親の全額負担で建てられていた。
しかし、長男嫁はフルタイムの仕事についているから休日は自宅で休まなくてはならない。
それが義親の語る理由だが、真偽のほどは分からない。
知人は信じ、夫人は信じていない。
夫人の体調が思わしくなく、義家を訪ねることが出来ない週があった。
義家と電話でやり取りをしていた知人、ひとりでの訪問を取りやめた。
親孝行の労力は夫人に他ならなかったからだ。
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