もうひとつの新曲はタイトルにもなっている「幻影伝説(Tales Of The Unexpected)」で、これが素晴らしく良い! “幻影伝説”とはよくつけたもので正にその言葉のイメージ通りのサウンドが聴こえる。 下手したら デイブ・ギルモア
しかしそれもココまで。 次の瞬間リズム隊がちょっとジャズ風味を加えるとフランク・マリノのギターもノーマル・サウンドになりもろジャズ・ギターのソロを弾き出す。 この緊迫感こそがこのアルバムの最大のハイライトで心して聴いてほしいパートである。 必聴。
A面には他にボブ・ディランの…というよりもジミヘンもカバーして有名な「All Along The Watchtower 見張り塔からずっと」とザ・ビートルズの「Norwegian Wood」が収められている。 どちらもよい出来で、特にボクは一時期この「Norwegian Wood」のみへヴィー・ローテイションしていた。 なんとも言われぬトリップ感が気持ちがいいのだ。 (しかしこの曲の邦題「ノルウェーの森」というのはどうしてもいただけない)
さて、B面は先ほども記した通りライヴ音源である。 特に1曲目「Down Down Down」がカッコイイ。 ジミの「Manic Depression」によく似たフレーズ
炸裂で(苦笑)グルーヴ感あふれるナンバーとなっている。 A面で消化不良だったロック・ギターを思う存分聴くことが出来る。 2曲目「Door Of Illusion」も一瞬チャーの大ヒット曲のイントロを思い出す(あれほどのシャープさはないが)ナンバーだが前作『LIVE!』の興奮を思い起こさせる白熱のパフォーマンスだ。 他の2曲も興奮は伝わるが楽曲自体の魅力はちょっと落ちるので前作ほどの達成感というか満足感は得られないのが事実だと思う。 もちろんフランク・マリノ自身はメチャクチャ弾きまくっていてそれなりに凄いんだけどね。