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弓を取る手に心が止らば、
九百九十九の手は皆用に立ち申す間敷候、
一所に心を止めぬにより、
手が皆用に立つなり、
観音とて身一つに千の手が何しに可有候、
不動智が開け候へば、
身に手が千有りても
皆用に立つと云ふ事を
人に示さん為に
作りたる容にて候、
仮令、一本の木に向ふて、
その内の赤き葉一つを見て居れば、
残りの葉は見えぬなり、
葉ひとつに目をかけずして、
一本の木に何心もなく打向ひ候へば、
数多の葉残らず目に見え候、
葉一つに心をとられ候はゞ
残りの葉は見えず、
一つに心を止めねば
百千の葉みな見え申候、
是れを得心したる人は、
即ち千手千眼の観音にて候
(『不動智神妙録』より)