LovelyDogの部屋

シロのはなし


 私が産まれる前からいた犬でオスの日本スピッツでした。現在のスピッツは色々と性質が改善されて、あまり無駄吠え等はしないようですが、その頃は、番犬としてものすごく人気のある犬種だったようです。
日本スピッツ

日本スピッツ(文中のシロではありません)


 私の記憶にあるシロはもうすっかりおじいさんで、あまりうるさく吠えていたようには覚えていません。今から30年も前で田舎の事ですからもちろん外で飼っていました。私はシロが大好きで、よく首もとに手を回し、ギュウしていたように思います。ふかふかで少しほこり臭い匂いのする白い被毛が鼻をくすぐるのが好きでした。
 共働き家庭の子供でしたので、昼間は祖母とシロとにわとりくらいしか遊ぶ相手がおらず、本当に良くちょっかいをかけていたと思います。一度など「シロ~!!」と網戸にもたれて呼んでいたら、古い網戸の網が破れそのまま庭の敷石に、バンザイの格好をしたまま激突しました。額にかなりの傷を負い、今でもその傷跡があります。それは確か3歳くらいの頃。
 私の犬好きの土台を作ってくれたシロですが、なぜか、いつ頃どのようにして死んだのかを、まったく覚えていません。父がシロの亡骸を山の畑に埋める際に、「山犬やいのししに掘り返されたらいかんから、ちょっと焼いてから埋める」と言っていたのだけが頭に残っています。
 犬種からいって実際はそれほど大きな犬ではなかったのでしょうが、小さな私にはとても大きく頼り甲斐がある犬でした。残念ながら実家のどこを探しても、1枚も彼の写真がありません。私の記憶の中でだけ生き続けるシロです。
 これが私のLovelyDog第1号です。


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