西新オレンジ通り日記

西新オレンジ通り日記

IFとWHENで保険を考える


という、掲示板の書き込みに
「上手いこと言うな~!」と感心。
たしかに、宝くじにたとえて保険の話をすることもあり
<自分が稼いだわけじゃない大金>
<突然受け取ることになる大金>のイメージは、まさに宝くじ。
「縁起の悪い」という形容は、
生命保険に対する、お客様の心理を表しているんでしょうね。

「もしも、宝くじが当たったら、どうする?」と、よく子供に聞かれますが
宝くじは「もしも?=IF?」の世界。
これを保険にたとえると
「もしも、事故にあったら?」
「もしも、がんにかかったら?」
「もしも、災害に巻き込まれたら?」という、仮定の世界の保障。
一生、事故にもあわず、がんにもにもならず、
災害にも巻き込まれない人もいるので
これは、ガン保険や損害保険の分野の世界なんですね。

じゃあ、生命保険は?というと
実は生命保険の世界に「もしも・・?」はありません。
人は必ず死ぬので、
「もしも、夫が死んだら?」という仮定は
生命保険にはないのです。
私達も「万が一の時は・・」と気安く使ってしまいますが
本当は、人が死ぬのに、「万が一」も、「もしも」もないんですね。

じゃあ、生命保険はなんなんだ?というと
「WHEN?=いつ?」の世界ということになります。
生命保険で考えなくてはいけないのは
「WHEN?=いつそれが起こったら困るのか?」というところです。
「WHEN?=いつそのお金が必要か?」という場合もあります。
学資保険などは、高校入学時にも受け取るか?大学進学時にまとめてもらうか?
「WHEN」は考えるところですよね。

人はいつ亡くなっても、辛く悲しいし、寂しいけれど
「困る」という状態になるのは、一生を通じて起きるわけではありません。

一昨年、父が亡くなりましたが、85歳と言う高齢でもあり
保険はすべて切れていて、保険金は一銭もありませんでした。
しかし私も弟も、すでに成人しており家庭もある身で
父の経済的な援助は、もう必要としない上に
実際にはお葬式代を含め、すべて香典と父自身の貯蓄で間に合い
保険金がなくても、何も困ることはありませんでした。

しかし30年前に、保険金の一円もない状態で父が亡くなっていたら、
こうはいかなかったはず。
私達も、のんきに学校には行っていられなかったかもしれません。
50歳代には必要だった保険も、
80歳代にはもう必要ではなくなったということですね。

もちろん、80歳でも90歳でも相続税の負担が重い人や
借金の返済が必要な人の中には、子供が自立した後も
生命保険が必要な人もいるでしょう。
反対に若くても、すでに資産を築いていたり
妻の収入が多くて、困らない人もいるかもしれません。
「WHEN」は人それぞれ違っているので、一口には言えません。

父の遺産を整理していて、身辺整理ができるだけの蓄えと
一円の借金もローンもないきれいな通帳に
「俺も親父のように生きるぞ!子供に金は残さん!」
と弟は自分に宣言していましたが、それは私も同じ気持ちだったので
2人で大笑いしてしまいました。

父が亡くなっても、宝くじのような大金は入らず
正直なところ、ちょっぴり残念でしたが
今では私達姉弟は、こんな父でよかった、幸せだったと思っています。
糖尿病だったので、実際には保険に入れなかっただけのことかもしれませんが
結果的に父の保険の入り方、お金に対する考え方、生き方は
私達への、何よりの遺産であり励ましだったと思っています。

あなたの「WHEN?」はいつですか?



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