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2007.04.25
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カテゴリ: 小話
ある一室で、とある人物が本を読んでいた。
その名も『珍獣の飼い方10の基本』。
だがここはサファリでもなければ動物園でもない勿論水族館でもない。
プラントの国防の要・ザフトの軍事施設である。しかも、この部屋は隊長室なのだ。

この部屋の主であるキラ・ヤマトはザフトでも五本の指に入るほどの能力を持った指揮官である。白服を纏って年月は浅いが、つい先日まで赤服で第一線に出ていたので経験も申し分ない。彼は議長の信頼を得て新しくヤマト隊を結成したばかりだった。
そして配属されるパイロットたち。今日ここに訪れる予定の新米はアカデミー外にも聞き及ぶほども問題児だという。
そこでキラは彼らが来るまでの時間潰しにと本を読んでいた。それが『珍獣の飼い方10の基本』。どういうセンスをしているのかと突っ込むものは悲しいかな誰もいない。しかも、生半可な者がうっかり口を挟めば・・・何も起こらないとイイナと神に祈るしかないのだ。
「遅くなりました」
インターホンから聞こえてくる声は少年のもの。どうやら待ちわびた彼らがやってきたようだ。

「失礼します。」
始めに入ってきたのは金髪の少年。その青眼とても落ち着いている。彼が問題児とは思えないが。
次に入ってきたのは少女。トラウマを呼び起こされるような配色と軍機違反のミニスカートに少し眩暈を覚えた。
そして、最後の一人。閉じられていない首元に彼がうわさに聞く問題児君であることは一目瞭然だった。反抗的なオーラと真っ赤な目を持つ少年。
「自己紹介はいいよ。資料に目を通したから。」
入ってきた順にレイ・ザ・バレル。ルナマリア・ホーク。シン・アスカ。三人ともアカデミーTOP10しか着ることの許されない赤服である。
エリート意識を持つ彼らとこれから共に戦場を駆けることになる。手綱はきっちりと握らないと致命的なことも起こりかねないなとキラは密かに笑った。
だがその前に
「君たちには期待しているよ。特にインパルスのパイロット・シン君。」
上司に楯突かないように飼いならさないと。
「あ、ありがとうございます。」

「え…。」
なんとなくシンに耳と尻尾が見える気がする。ガタリと立ち上がってシンに近づく。
状況が理解できないルナは「何?何?」とレイに問うが、レイは冷静に事の成り行きを見守ろうと決め込んだようだ。「知らない。」と返しただけだった。
ボーッと突っ立ったままのシンに接近したキラはシンを思いっきり抱きしめた。
「かわいー。お兄ちゃんって呼んで~!!」

「ぎゃー。」
逃げ出そうとするシンが腕をばたつかせるがびくともしない。それどころか
「照れてる、かわいーvv」
と抱きしめる腕に力がこもった。徐々に肋骨が悲鳴を上げていく。嬉しいけど、痛い。
「一体、あんたは何なんだー!!」
ボキッ
嫌な音が部屋に響いた。パイロット一名医務室送り。




リライト様よりお題拝借『珍獣の飼い方10の基本』





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最終更新日  2007.04.25 11:56:22
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