E★C★E ♪アメリカ幼児教育とゆかいな子供たち♪

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泣き虫トリーク


彼とはまだ出会って4週間ほどしか経っていないが、とても憎めない良い子なので私はすぐに好きになった。
しかし、このトリーク、体の割にすごく気が小さく(見た目は小学校3年生並)、泣き虫なのであった。
もうすでに4~5回は彼の涙を見ている。

初めて彼が泣いてるのを見たのは、ある日、後30分ほどでランチタイムと言うときだった。
後から分かったのだが、彼は食べる事が大好きで、いつでもどこでも食べる事ばかり考えているのだ。

そしてある日、例のごとくお腹をすかせた彼は、リーディングレッスンの最中に突然、お腹が空きすぎてか、
もしくは早くランチに行きたくて、泣き出した。
私はびっくりして、後から先生にトリークがランチ前に泣いていた事を告げたのだが先生は、「彼はいつでもすぐに泣くのよ。」と言って全然気にしていない様子であった。

それから数日後、またもやランチタイム直前のリーディングレッスンの際、
トリークが私に「Can we go to lunch after this reading lesson?(この後、ランチに行けるんでしょう?)」と、何度もしつこく聞いてきた。
私はそのたびに、「Yes, of course. But you don't need to worry aboutit right now.(もちろん。でも今はそんな心配する必要ないよ。)」
といって彼をなだめた。
しかし、それを何度も聞いた先生はいいかげんに呆れ返って、「Tariq, that's enough! You don't need to talk about it right now!!
(トリーク、いいかげんにランチの心配をするのは止めなさい!今話すことじゃないでしょう!)」
といって彼をしかった。すると彼は、ものすごい勢いで泣き始めてしまったのだ。。。

またある日のこと。マス(算数)のレッスンの時、トリークの座っている机のグループの子達が、
レッスンをそっちのけで大騒ぎし、ちょうどその時行っていたコインの数え方で使われていた大量のコインをそこらじゅうにばらまいてしまった時があった。
これにはさすがの先生もいつになく大激怒し、そのグループの全ての子供たちをタイムアウトにした。
他の子達がシーンとなっている中、トリークだけが声をあげて泣きじゃくっていた。

そして昨日、今までの中で一番の涙を見た。
クラスにある、カレンダーの色のパターンを決めると言うとき、先生はまず4人の子を代表として、彼らの考えたパターンを聞いた。
そしてその中で、トリークのアイデアもひとつに選ばれたのだった。
彼の考えたパターンは、ブラック、レッド、ブラック、レッド・・・、というものだった。
そしてその後、残りのクラスの子供たちに、自分が好きなバターンの所に並ぶように言った。

しかし不運な事に、トリークの考えたパターンには、彼を除き、たった一人しか並ばなかったのだ。
これにショックを隠せないトリークは、その場に崩れ落ちて泣き始めた。
しかもなかなか泣き止む様子がない。
先生は、落ち着いて泣き止むまで自分の机に行くようにと、トリークに言った。
しぶしぶ自分の机に行ったトリークは、そこでも相変わらずずーっと泣いていた。

結局彼は、ランチタイムになるまでの30分間泣きつづけ、
「もしこのまま泣き止まないのなら、ランチタイムは無しよ。」と先生に言われ、
あっという間に泣き止んだ。

そして大好きなランチタイム。彼の顔にはすっかり笑顔が戻っていて、私もほっと一安心したのだった・・・。

このトリーク、悪気は全然無いのだが、いつも何かをしでかして先生にしょっちゅう怒られている。
私はそれを見るたびに気の毒でならないのだが、こればっかりはどうにもならない。
さてさて、これから後まだ、どのくらいの涙を見る事になるのだろう。





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