つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

全て | 徒然 | 読書 | アート |
2009年05月24日
XML
カテゴリ: アート
春に高島屋で松園の絵をさんざん見たので、
こちらはパスしようかと思ったのだが、日本
武道館のついでに寄ってみた。

実際には松園の絵だけだなく、それ以外の画家の
絵も多く、おまけに春信、歌麿、清長の程度の
よい浮世絵まで出展されていて、見応え十分の
展覧会だった。出展作、すべて美人画なのもうれ
しい。山種美術館の千鳥が淵最後の展覧会をパス
しないでよかった。(余談だが、パスといえば、


砧.jpg

松園の有名どころの絵は、「砧」ぐらいだろうか。
あとは、今まで、ぽつぽつと眺めたことのある絵が
多い。あまり松園に詳しくないのでひょっとしたら、
他にも代表作があったのかもしれない。
もちろん松園の美人画は素晴らしいとは思うのだが、
逆に破たんなく整いすぎて、面白みに欠けると
いうのが私の印象である。

今回も松園以外の画家の作品の方が、正直なところ
見ていて楽しかった。

奥村土牛の、キツネ目の「舞妓」はかわいい。
三輪良平の「舞妓」の方は、まん丸にデフォルメ


青山亘幹という現代画家の絵には惹かれた。着物の
しわまではっきり表す写実と今の時代らしい
ビビッドな彩色が目に鮮やかで、見とれてしまった。

オーソドックスなところでは、村上華岳の「裸婦図」
がある。この作品は、いつ見ても素晴らしい。

ある線が好きだ。

線と言えば、橋本明治のステンドグラスを思い起
こすような太い輪郭線にはもうずいぶんと馴染みが
出てきた。

洋画の和田英作の「黄衣の少女」があった。昭和
6年の作。赤いバックに少女の黄色い衣装が映える。
日本絵の具の発色のよさばかり眺めていたので、
油絵でも、こんなに鮮やかな黄色が出るのだと
再認識。

先に松園の作品は面白みに欠けると書いたが、
やはり髪の毛の生え際の精緻さや眉の描き方などは
必見である。それから表装された絵の周囲の裂
(きれ)地の見事さも見どころである。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年05月24日 06時20分08秒
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: