元代表の穴

Calendar

Profile

かとう　あきら

長野市在住。かとうあきらのBlogです。長野を拠点に、名古屋、東京などで音楽の仕事しています。アマチュアオケの指揮指導、violin,violaのレッスン、コンサート企画、楽曲解説の執筆、レクチャーなど。 2011年に脳出血で倒れ、現在も左半身麻痺状態でリハビリ継続中。

フォローする

Freepage List

号外

(82)

Keyword Search

▼キーワード検索

< 新しい記事

新着記事一覧(全7335件)

過去の記事 >

2013/10/25

（承前）

いよいよenergico本番。
ついに戻ってきたenrgico。おれは、このオケが立ち上がったときから深く関わってきたし、危機的状況も一緒に体験して、通り抜けてきた。今は若い子も増えて、いろんな技術レベルの子が混在しているので、そこそこのレベル、まあまあのレベルに持っていくのですら大変だ。従って、仕上がりはもちろん難有り(-_-;)。それでも全体としては「真摯に」「前向きに」がんばっているし、楽しそうだし、結構なことです。こんな感じで活動を続けていれば必ず向上していきます。練習の雰囲気も出席状況もおれが指揮し始めた頃に比べたら格段に良くなってる。そんなわけで、とても愛着のあるオケだ。彼らに生きて再び会えて本当に良かった。ゾリステンのときもそうでしたが、時間が許せばメンバーひとりひとりの手を取って、ひとりひとりにそう伝えたかった。これで名古屋はゾリステンにも戻れたし、energicoにも何とか戻ることができた。これでひと安心だ。ほっとしてます。名古屋のみんなありがとう。みんなが待っててくれたので死なずに戻ってくることができました。

今回はオープニングが協奏曲。ちょっと異例な感じかもしれないが、おれはこーゆーのもアリだと思います。Schumann Op.92。短い協奏曲。この15分足らずとゆー中途半端なサイズが問題だからだと思うが、なかなか演奏されない曲。とても素敵で感動的な作品なのにもったいないことだ。個人的には有名なイ短調協奏曲と同じくらい好きだ。こーゆー短い協奏的作品はロマン派にけっこう多いのだが規模の大きい作品ばかりが演奏されて、こーゆー小規模なものはなかなか演奏されないのは残念なことだ。Shumannは他にもあるし、Mendelssohnもこーゆーのを複数書いてる。ChopinもLisztも大規模な2曲の協奏曲ばかりが演奏されてオケバックの小品はなかなか演奏されない。

序奏は夢見るように美しい。Schumannの音楽の中でもトップクラスの美しさ。クラ、オーボエとホルン（主にクラとホルン。2人ともよくがんばった！）とピアノの室内楽のように書かれている部分が多い。

あき先生、いいソロでした。おれが倒れていなければ、あきちゃんとはMozartの協奏曲を昨年にもう共演しているはずだった。ようやく一緒にできてほんとうによかった。しかもこんなに素敵な曲で！彼女は目下売り出し中のピアニストだが、おれも微力ながら今後も協力を惜しまないつもり。ほんとにいいピアニストなのでご同業のみなさんどうかご贔屓に！以前ゾリステンでやったFinziなんてマジで名演だったし（あれ以来おれは同僚として彼女を見るようになった）、今回のSchumannも見事な出来でした。あきちゃんと演奏できることは喜びです。今回は練習の度に、energicoの中心メンバーたちも学生だった頃、名大オケでSchumannのa-mollの協奏曲を彼女が代弾きしてたときのことを思い出した。彼女もおれも、みんなもとても若かった。それからどれだけの大事なステージの時間を一緒に過ごしてきたことだろう。おれがよく知っている彼女はピアニストではなく、だいたいTuttiの一介のアマチュアチェロ奏者だったのだが。でも、例えばこの夏の「田園」の時間を一緒に過ごせたことはプロアマの区分は関係なく決定的だ（あきちゃんもあの田園の影響はとても大きいようだ＝あきちゃんの言葉を借りれば、『田園ショック』）。あの時間を共有して、それを前提にして音楽できるのはうれしいことだ。田園のステージはおれにとっては本当に特別なものだったのです。だから、あの田園を一緒にやった人たちは、おれにとって本当に特別な人たちだ。

あき先生のアンコールのトロイメライもしみじみよかった。お疲れちゃん。あまり間をおかずにまた協奏曲やりましょう。

で、引き続きSchubert "Unvollendete"これは大変だった。おれもオケも大変。この曲を何となくやっつけるのではなく（実際追求せずなんとなくやっつけることも多い。残念）、この難曲にちゃんと真面目に向き合って、苦しみながら逃げずに誠実に練習したのはオケにとっていい財産になった。良いチャレンジ。

後半はBrahms。落ち着いた、とても感じのいい演奏になったんじゃないかな。

今回のような音の出し方が身に付いてくるといいと思う。今後もenergicoはこーゆー感じで積み上げていくつもり。ここでやったことはメンバー一人一人の身体に宿っていくので、その他のいろんな若いオケにもいい影響が少しずつでも及んでいくことを強く期待してます。もちろんゾリやBONのためにもなるだろうし、メンバーがブラスで子どもを教えるときにもいい影響が出ればいいかなと思うのです。

若手の台頭が著しい木管。いいことだ。未熟な若手が増えて、聴くに耐えない場面が出ちゃったとしても、おれは若手が増えるのはうれしい。ちょっとずつ良くなっていけばいいのです。真剣にやってれば必ず良くなるし。
まっちゃん。今回は大変だったと思う。でもよくやったよ。もちろんぜーんぜんまだまだなんだけどさ。そろそろ男になれよー期待してるぞ。
特にオーボエパートを見てるとホントに名大オケの指導してるような気がしてしまう（笑）。不思議な気分だ。