元代表の穴

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かとう　あきら

長野市在住。かとうあきらのBlogです。長野を拠点に、名古屋、東京などで音楽の仕事しています。アマチュアオケの指揮指導、violin,violaのレッスン、コンサート企画、楽曲解説の執筆、レクチャーなど。 2011年に脳出血で倒れ、現在も左半身麻痺状態でリハビリ継続中。

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2024/01/22

2023/10/07
福田村事件」(2023)舞台挨拶回。観る。
とてもよかった。もちろんこーゆー題材だからなかなかしんどいが、それでも多くの人に観られるべき作品だと思う。そして知られるべき事件と思う。
おれはチクルスで山田耕筰やってたときに関東大震災時のことについて調べたこともあって、わりと知識はあったが、この福田村の被差別部落の人たちが犠牲になった事件後のことは知らなかった。クライマックスで水平社宣言が唱えられる場面はすごかった。
普通の人たちが殺戮に向っていく感覚が超怖い。
水道橋博士がやばいすごかった。おれはこーゆー人がホントに怖いし嫌い。居丈高に正義を振り回す元気な自警団のおっちゃん。それに対してあまりにも弱々しい井浦新さん豊原功補さんが演じるインテリ…
柄本明さんのエロシーンはもっと赤裸々でよかったと思う。あの時代の性に対する感覚は今と全然違う。地方の村落とかはまだ夜這いだってふつーに盛んだった。そこらへんを踏み込んで描写しておいた方が東出さん(👍)と田中麗奈さんのボート上のラブシーンと対照的になっていいバランスになるのではないかなと思う。田中麗奈さん(素晴らしい！)の役は村の空気からは浮きまくる「変人」だ。当時は青鞜の時代、彼女もおそらくそっち側だろう。青鞜の女子たちは田舎の女性のように素直に大らかだったわけではないが、性に対してはかなり貪欲だった(理念的だが、やることは結局一緒)。おれはこの時代を描くときに性の問題は避けて通れないと思ってる。「もどり川」「丑三つの村」「エロス+虐殺」などなどは言うまでもなし。とにかく現在の性の感覚とは全く違う…
被差別部落の薬売りの人たちの風通しかわいい感じの雰囲気がよかった。瑛太さんすごい。

ドキュメンタリーの森監督の劇映画ってどうかなと思っていたが、でもすごくしっかりしてて驚いた。距離感がすばらしいなあと思った。ドキュメンタリー作家だからどうのこうのとかはほとんど思わなかった。素直にいいなと思った。
いろんな視点から描くのでなかなか複雑だが、客観的にわかりやすく整理されてて見事(ちょっと整理しすぎかも)。木竜麻生ちゃんの記者の目がもっと生かされてもよかったのになと思う。

上映後の舞台挨拶挨拶は以下の方々。楽しく有意義な時間。
荒井晴彦さん佐伯俊道さん井上淳一さん水本佳奈子さんMIOKOさん岩崎聡子さん市川洋さん
ずらっと並ぶと壮観。