宮木京子の さらさら散文
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中学3年生は、受験真っ只中です。昨日は、私立の一般入試。A日程です。明日はB日程で、2日間とも試験を受ける生徒もいます。昨日の3年生の教室はガラガラで・・・どのクラスも半分くらいしか生徒がいません。授業はプリント学習になり、私は出勤したものの全く授業がありませんでした。こういう日は、保健室のお手伝いをすることがあります。中学校の保健室はとにかく忙しい。怪我や体調不良を訴える生徒が途切れなくやってきます。体調不良者の中には精神的な苦痛を抱えている子も多くて、ひとつひとつ話を聞くことも大事です。昨日私が話をしたのは、3年生の生徒でした。「授業中に具合が悪いと保険室に行ったが保険室にいるかどうか確認をして欲しい」と言われて出向きました。その子は保健室にちゃんといて「具合が悪いの?」と聞くと「精神的にしんどい。ストレスが溜まってて」と言います。その子の受験日は来週です。試験を目前に控えたストレスか、と思って話を聞いていくと、「全然勉強していない。受けたくない学校に親の希望で受けさせられるから、落ちるように塾の先生に相談している」というのです。こういうことは、珍しくありません。本人と保護者の意見が一致せず、納得がいかない受験に更にストレスをつのらせているケース。それぞれ状況は色々で、大人の考えとしてその見通しの甘さを批判したいこともあります。私も「親」なので無理にでも受験させたい親心もわかるのです。でも。受験するのは本人で、3年間通うのも本人で、子供の人生は子供のものです。中学3年生は、まだ子供です。頭でっかちで、現実を知らず、自分のことにしか興味がない。宝くじに当たるような幸運が自分にも訪れると疑いもなく信じる純真さ。でも、自分の意思を持っている。いくら子供だと思えても、やっぱりその子の意思は尊重すべきだと思います。「夢がある」とその子が言うのなら、その夢を追いかけることはどういう苦難を伴うものか、体験させてあげればいい。「夢がない」というのなら、夢がなくたって生活していかないといけないないんだ、と判らせればいい。子供にとって、最初の「選択」であるこの機会を、「納得」がいくようにしてあげて欲しい。子供の言うままにするのでなく、親の意見で動かすのでなく、お互いに納得ができる機会に。この時期になると、毎年、そう思います。
2016年01月28日
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