暗闇(2000)

暗闇(2000)

暗闇を知っているだろうか。
暗澹たる感情の渦の中に埋没する意識の悲鳴が聞こえるだろうか。
闇夜に光る宿り火は、希望と呼ばれるのだろう。
だが狂った心を持つ者に宿り火はあるのだろうか。
その希望は、果たして明るいものだろうか。
何が正常かを知らない俺に何が明かりだと気づかせることができるだろう。
何を探せば良いのだろう。
過去を省みて人生の軌跡のなんと薄っぺらなことに驚くことか。
記憶の点と点を繋ぐ糸は細く儚い。
本当に歩いてきたのだろうか。
いいや、ただ、今生きているから、その上で過去がある、ただそれだけだ。
そう、ただそれだけのものでしかない。
闇夜を歩くものに過去は無い。
薄っぺらい記憶の断片は酒の場の摘みに費やされ、無味に拍車をかける。
時にドラッグに走る。
倫理に背徳を感じつつも、もはやそれだけが頼れる道標となっている。
いつ、破綻するか解らない。
いつ、破綻しても良い。
考えなくても良い。
何も変わらずに歩きつづけたらいつかやってくるだろう。
待ち遠しいその日が。



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