花屋な日々

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2007.12.10

金の糸

カテゴリ：季節のお花

本日ののらねこ、切花の仕入れ　大人買いしてまいりました。

写真はアルストロメリア「ロッシーニ」。

ストックやらユリやら菜の花、ラナンキュラスなどなど、またまたたくさん
「大人買い」してきたのであります。

ま、大人買いもなにも、ロットが大きいのでそうなってしまうわけです。

きれいなストックがたっくさーん出てきたのですよ～。
迷うわ悩むわ　いや実際、迷っている時間には競売でどんどん流れてしまうので、
一目見て気に入った花はバンバン競り落とすわけであります。

うーん。大満足。

後半に出てくる花は安いのですが品質がいまいちです。

でもやっぱり高かった～

ストックの高値、一瞬ギョっとしますね。
年末は大丈夫か！？
このまま高値で　いやむしろ更に高値が付くのか？こわ～っ

競売のあと、年末に必要なお花の注文をとりあえず口頭で伝えておこうと
競り人君をつかまえました。

「年末に、またＩさんの金の糸お願いします」

「あ～・・・あれはもう今年は作ってないんですよ・・」

「ええ！？じゃあＩさん以外に作っている方はいますか？」

「Ｉさんだけなんですよねぇ・・・今年はもう作るのやめちゃって」

「採算が取れないそうです。残念ですけど・・」

ガーン。

金の糸というのは、毎年年末だけ出てくるすばらしく美しい黄色の菊です。

細い細い花びらが開くと、最後は直径１５センチにもなる大輪の、本当に美しい、おめでたい印象のすばらしい菊なんです。

いつでも欲しいのだけど、年末のお正月用にしか作っていないということで、毎年注文していました。

採算が取れない。それは仕方のない理由で、理由として充分ではありますが、
あのすばらしい菊がもう世に出てこないのかと思うと残念でなりません。

うちのお店では年末にはイチオシの菊でした。
一度買ったお客さんは本当に感動されます。

「あの菊すごかったわ～、開いてびっくりしたのよ～、長持ちするし、すごく華やかだし、あれは買って正解だったわ～」

「でしょ？でしょ？あれは本当にきれいな菊ですよねー」

なんて会話が、年明けには楽しみのひとつでした。

あー残念。
なんだかとても悔しい。

Ｉさんの菊はいつもステキで、私はよく仕入れています。
名前からしておじいちゃんかと思われます。
とても興味のある生産者さんのおひとりです。
私が菊好きになったのは、Ｉさんの菊を仕入れるようになってからなのです。

本当に残念です。

お金には替えられないものがものがある。

だから、よい花を競売で買い叩くのは絶対にいけません。
よいものはよい値段で買わなければ、こんな事態を招きます。

お花屋だってもちろん利益をあげるために、少しでも安く買って、少しでも高く売りたい。
それはもちろんそうなのだけど、

あの花に二度と出会えない、
それはもう取り返しのない事実で、

なんだかとても悲しくなった今朝の出来事でした。

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