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をご存知でしょうか?
部屋のドアには月曜から金曜までの札がかかっている。街で捕獲したり飼い主から預けられた日ごとに分けられ、もとの飼い主か、新たな引き取り手が現れないかぎり、1週間で処分される。
最後の場所は 「ドリームボックス」 と呼ばれるアルミの廊下のどんづまり。
ここで、炭酸ガスで窒息死させるのだ。
「安楽死ではなく、苦しみがある」
とナレーションがいう。
カメラが近づくと、イヌたちは尻尾を振りながら寄ってくる。人に飼われていた証だ。子イヌもいれば老犬もいる。
様子もさまざま。わずかなすき間に顔を突っ込んで、外をみつめたまま動かないイヌもいる。
取材中にセンターを訪れた家族がいた。ネコを処分して欲しいという。
まだ子ネコだった。理由を聞くと、父親は「海外旅行にゆくので、飼えないから」という。
子どもは旅行かネコかと迫られ、旅行をとったと。
母親は「 今度また、ここでもらえばいい
」
センターは預かるときに理由を書いてもらう。
多いのは「かみつく」「家族が病気で面倒をみられない」「イヌの病気の世話ができない」‥‥。
ハスキーの老犬が持ち込まれた。立つこともできないほど弱っていた。長年飼われた飼い主に最後に見捨てられたのだった。
各地のセンターでイヌたちの写真を撮り続ける写真家がいた。
「捨てた飼い主たちに、イヌたちがどんな死に方をするのか伝えたい。どんな顔で死ぬのかを」 (大石成通さん)という。
「セブンデイズ、処分された犬たち」という写真集からの画像も紹介された。犬たちの目が悲しい。
イヌたちは「その日」が来ると、「ドリームボックス」に追い込まれる。
予知するのか、悲しげに鳴き、抵抗するイヌたち。ガス注入のボタンが押される。鳴き声がやがて途絶える。
様子を見るのはテレビのモニターだけ。それは数分で終わり、その後、焼却炉で焼かれる。
「初めはボタンが押せなかった」というのは、13年になるという職員。
「本当は飼い主に押させたい」と。
だから、新しい飼い主が決まったときが一番うれしい。「イヌが好きでないとできない仕事だ」ともいう。夏の盛り、蚊が多いからと蚊取り線香をたいてやったりもする。
センターは親子体験教室などで、見学を受け入れている。
訪れた子ども達に、これらのイヌやネコたちが、1週間後には処分されていることをきちんと伝える。
「イヌたちが悪いんじゃないですよね」と。こうした努力の結果か、処分される数は年々減ってはいるというのだが‥‥。
最後にハスキーが処分される姿が写った。
「こういうイヌたちが殺されないようにと、飼い主を探したり、署名活動したことがある。生まれてきたものは、生きる権利があるんです」。