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カテゴリ: 陽明学


舜〔しゅん〕、何ぞ此〔かく〕の如き美器を始め給うや。

 云う。是〔こ〕れ凡人〔ぼんにん〕の知るところに非〔あら〕ず。
数千歳の後をはかり給えば也。
上古飲食の器物は多くはやき(焼き)物也。
朝夕〔あさゆう〕用うる物なれば、くだけやすく損じ易し。
人も次第に多くなりて、天下に是れを用うる事かぎりなし。
帝舜の時より五百数千歳の間には目に見えぬ事なれ共〔ども〕、
数千歳へて(経て)後〔のち〕は山林あれて(荒れて)、
人民の難儀天下の凶乱の根となるべき勢いあり。
天下のひろきといえ共、つくるに至りては俄〔にわ〕かにすべき様〔さま〕なし。
故に、山林ふかき時において、うるしをとり木地〔きぢ〕をぬり、
飲食の器を始め給えり。

 問う。世人、貴賤となく、我一代をはかるのみ。
子の代をおもう事だにふかからず。
他人の代・万歳の後を憂え給う事、何ぞ此〔かく〕の如くいたれるや。

 云う。父母の子を愛するは愛の至り也。
しかれ共〔ども〕、子不孝なれば、其の愛心うすくなる事あり。
聖人の民を見給うこと、凶人悪人といえ共〔ども〕にくみ給わず。
刑罰に落ち入るときは、政教のいたらざる事をなげきて、其の罪人をいかり給わず。
悪をにくむべきは当然の理〔ことわり〕也。
一人を捨て万人を助くべきが為〔ため〕也。
天下のひろきも一家のごとく、万古の遠きも一日のごとし。仁愛の誠やむ時なし。
是れ則ち天地生々の心なり。





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Last updated  2023年01月06日 20時26分31秒


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