山形県 山寺 インドロダクション



仙台から電車で1時間弱という距離にありながら、仙台にはまったく雪がなかったのに、ここは一面の銀世界。

山寺は、比叡山延暦寺の別院として建立された東北一の天台宗霊場と知られている。
急な山の斜面に、石の階段が千余りつながっており、一番の上の奥の院まで続いている。
岩がゴツゴツと露出しており、その岩の上に小さな建物が点在していて、なんとも不思議な景色。

私がここに来たのは、ある人から勧められたから。
雪をかぶった山寺はとても綺麗だよ、と聞いたのだ。
旅の終わりを、歴史のある修験場というのもいいなぁと思い、やってきた。

さて、夕方5時半。
東北の夜は早い。もう真っ暗だ。

ふらりと行くことを決めて、宿を決めていなかった私は急ぎ足で駅の周りの宿を見てまわった。
仙台であらかじめ電話番号は聞いていて、かけてもみたのだが、どこもあまり良い反応はなかった。
しかし、なんとかなるだろうと楽観的に考えた私はとりあえず来た電車に乗ってしまったのだ。

これが、甘かった。
6件あった宿すべてに断られてしまう。
冬の山寺はシーズンオフのよう。
6件目ともなると、だんだん深刻になってきてどんどん寒くもなるし、途方にくれた私は、隣の駅が確かスキー場だったなと思い出した。

駅の待合室にあったパンフレットを見て、駄目もとで電話をしてみた。

「はい、面白山スキー場です」
「あの~、急なんですが今夜、宿泊できないでしょうか?」(おずおずと)
「ん~、、、いや構わないけど、もうリフトも止まっちゃってるんだよね~うちはスキー場のど真ん中だから」
「そうですか~。。(半分あきらめつつ)」
「雪上車で向かえいっちゃるか」
「えっ!! (マジ!?)」
「あーでも次の電車が8時までないわ・・・」
「あ~う~ホントですね~(ガックシ)。。。」
「ちょっと待ってね。。。おーい、お前。。。。」

気の良い親父さんのようだ。
私は藁にもすがる思いで彼らの提案を待つ。

次に出たのは奥さんのようだった。
「もしもし?あのねそこの駅前に山寺ペンションというのがあるでしょう?」
「あーはい!ありますね。でもそこもさっき家の人がいなくて断られちゃったんですよ」
「あー私が買い物頼んじゃったからねー」
「はぁ。。」
「じゃあねー今から連絡してみるから、ちょっとそこで待ってて」
「はい!」

この後、すぐにまた連絡があって、一度断られた『山寺ペンション』になんとか泊めてもらえることになったのでした。

急遽、部屋を用意してもらって、ありがたかった~。
夕飯は間に合わなかったので、山寺駅前の唯一といっていい商店『かどや』さんでパンとリッツとりんごと発泡酒を買った。

部屋に落ち着いて、さっきまで凍えて途方に暮れていた自分を思い出しながら、旅っぽくなってきたな~と笑えて来た。

明日は、朝から山寺を目指す。
天気予報は、雪だ。

かどや

本当に道の角にあるから『かどや』さん。
私の夕飯を救ってくれました。


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: