四寸道



ここでも、当然のように雪の中、雪かき。
彼に拝観料を払って、心細かったスニーカーから長靴に履き替えていざ出発だ。
どうやら、私が今日最初の参拝者のよう。

はじめの一歩

誰も踏んでない新雪を歩く。

新雪をギュッギュッと踏みしめながら歩く。
静かで、全てが雪におおわれ、ところどころからお地蔵さんが顔をだす。
枝に降り積もった雪がサラサラサラーッと零れ落ちる音。
水がチロチロと流れる音。
吐く息が真っ白だった。

雪の中だけでなく、ごろりと転がっている岩にも良くみると、祈りが彫られている。
どうやって削ったんだーという高さに穴が掘られ、そこには人骨が納められているそうだ。
私が歩いているこの参道も、「四寸道」と呼ばれ、修行僧の道でもあった。

こんな場所があったのか、とただただ驚きに包まれて歩いた。
空気に秘密を感じた。
数え切れない人たちの祈りがただよっている場所。
まぎれもない霊場。

ゆっくりゆっくりと登っていると、後ろから人がやってくるのが見え、あっという間に過ぎていった。
挨拶が爽やかなその人は、〒のマークのついたザックを背負っている。
上にお届け物があるのだろうか。

その足取りはしっかりしていて、これが彼の日課なのだと思った。
そして、ちょっとうらやましい気持ちがした。

ポストマン

後姿を隠し撮り。



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