クルグールイ岬



長い道中は、歌ったりロシア語や日本語の勉強をしながらで結構あっという間だった。

辿りついたそこは、見渡すかぎり海と山が見えるばかりの場所だった。

これほどマイナーな旅というのも珍しい。
ここ、クルグールイ岬は地図でも小さく書かれてるきりだし、周りに人は住んでいないし、人も滅多に来ない。(現地の漁師がたまにやってくる程度)

「クルグールイ」とはロシア語の「丸い」という意味で、その名の通りまん丸な岬が海にせり出している。
高さはゆうにビルの4・5階程度はあるだろうか。
頂上にのぼるためか、急な斜面に2本のロープがたれさがっているのが見える。
まさか。。。

隊長がセルゲイさん達の言葉を訳してくれる。
「初音さん、発掘現場はあの岬の上だそうですよ」

再び保険に入ってこなかったことを悔やんだ。
(ロープを握って実際に登った時は、もっと後悔した。)

とにかく、私たちは今日からここで、約一週間生活する。
薪を集め、水を汲みにいくことが生活に欠かせない素朴な生活。

夕日が海に沈むのが見えた。

誰かが、海を指差して何か叫んでいる。

見ると、遠くの海の水面を魚が何匹も飛び上がっているのが見えた。

以来、日が沈む時、海を見るといつも魚が飛び上がるのが見えた。

なんだか非現実的で、自分がそこにいることが不思議でしょうがなかった。


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