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呉善花さんという人R1
<呉善花さんという人R1>
昨今では、嫌韓本を連発し、母国では入国拒否の憂き目にあっている呉善花さんであるが呉さんの真骨頂は、日本、日本人を見る目の確かさだと思うのです。
このほど、たまたま図書館で「日本が嫌いな日本人へ」という本を手にしてページをめくったが、まず、そう思ったのです。
呉さんの本は「スカートの風」から読んできたが、呉さんの本を並べてみます。
・なぜ「日本人がブランド価値」なのか
・『日本語の心』
・「日本が嫌いな日本人へ」
・呉善花さんはどんなかな
・スカートの風
R1:『なぜ「日本人がブランド価値」なのか』を追記
<『なぜ「日本人がブランド価値」なのか』1>
図書館で『なぜ「日本人がブランド価値」なのか』という本を、手にしたのです。
『今こそ、韓国に謝ろう』という嫌韓本を借りたので・・・
この親日本を借りて中和?しようという魂胆でおます。
【なぜ「日本人がブランド価値」なのか】
呉善花著、光明思想社、2016年刊
<「BOOK」データベース>より
日本が“世界の行き詰まり”を救う!来日1年目の“親日”、2~3年目の“反日”そこを超えて著者が見たものは、世界のどこにもなかった“理想の大地”だった!著者渾身の“日本人論”!
<読む前の大使寸評>
『今こそ、韓国に謝ろう』という嫌韓本を借りたので・・・
この親日本を借りて中和?しようという魂胆でおます。
rakuten
なぜ「日本人がブランド価値」なのか
<『日本語の心』>
図書館で『日本語の心』という本を手にしたのです。
呉善花さんと言えば親日的な評論、母国での酷評で知られるが・・・
この本で述べられている日本語、漢字に対する博識には驚くばかりです。
【日本語の心】
呉善花著、日本教文社、2006年刊
<「MARC」データベース>より
日本のことばのもつ高い精神性や繊細さに深い驚きと興味を感じた著者が、古代にまで遡りながら、日本語に込められた人々の心を辿る。月刊誌『理想世界』平成14年5月号から平成18年3月号まで連載されたものに加筆訂正。
<大使寸評>
呉善花さんと言えば親日的な評論、母国での酷評で知られるが・・・
この本で述べられている日本語、漢字に対する博識には驚くばかりです。
呉さんは日韓両国の歴史、風俗にも触れて述べているので、その民俗学的な比較も面白いのです。
Amazon
日本語の心
次の章で日本語の心が述べられているが・・・異邦人だからこそ、よく見えるのかもしれないですね。
p89~92
<彼方の世界への思い>
私は知人からは、目上でも目下でも、通常は「呉さん」と呼ばれている。しかし、普段はそう呼んでいる目上や対等の者から、なぜか「あなたは・・・」と言われることがたまにある。それはどんなときと言ったらいいのだろうか。
そういうときには、相手が私を対等と意識したいとか、下位と意識したいとか思っているような場合もあるかもしれない。でも、そういうこととは別の距離感を、「あなた」という言葉から感じさせられることがたしかにあると思える。
そんなふうに、通常は「~さん」「~くん」と呼ばれている相手から、何かの拍子に「あなた」と呼ばれることは、誰にでもあることだろう。そう呼ぶとき、その人は無意識のうちに、相手との間に通常とは異なる距離感を生み出そうとしているのだと思う。
ことさらによそよそしい他者の意識を向けたいから「あなた」というのではないだろう。また、ことさらに性的や親しさや親友としての親密さの意識を向けたいから「あなた」というのではないだろう。その両極を中和させたいようなニュアンスが「あなた」にはある。
「あなた」を国語辞典で引いてみると、「他称」としては「あちら、向こうのほう」「以前、過去」「未来」「あのかた、あちらの人」とある。また「対象」としては「対等または上位者に用いた・・・現在では対等あるいは下位の者に用い・・・」とある。近世初期には最高の敬意を表したが、しだいに敬意が低下していき、昭和初期ころまでは比較的高い敬意を表していたものの、今日では目上の者には使われないようになったという。
「あなた」は「彼方」と書くように、もともとは空間的にも時間的にも一定の隔たりを意味する言葉としてあったことがわかる。ただ、私が思うところ、日本人にとっての「彼方」とは一種の憧れを含んでいる言葉である。と同時に、未知なるものへの恐れや畏敬の念も含まれている。海の彼方、山の彼方、村の彼方への、期待と不安のあいまざった独特な思いといったらいいだろうか。
「彼方」とはいっても、日本人にとっての海の彼方、山の彼方、村の彼方は、それほど遠くにイメージされてはいない。それは、岸辺から望める近くの島だったり、村落の背景をなす裏山だったり、村境に広がる野原だったり、実際には生活圏の身近に思われる「彼方」なのである。
かつては最高の敬意を表した「あなた」は、時代と共にしだいに敬意を低下させていったという。その推移は、そのまま海の彼方、山の彼方、村の彼方への敬意が薄れていった近代以降の精神の流れに重なっているといえるだろう。これを日本人の精神層としてみれば、「あなた=彼方」という言葉の深層(古層)には、かなり緊張度の強い敬意の気持ちが潜んでいるといえるかもしれない。
「あなた」には、そういう独特な距離にある「彼方」の世界への思いが込められているのではないだろうか。「彼方」の海や山や野は先祖の魂が眠る所。また「彼方」の海や山や野は、新たな生命をもたらせてくれる所。季節の折り目ごとに村を訪れる神々も、「彼方」の海や山や野からやってくる。
「わたし」は見知らぬ「あなた」と、世俗の価値や値打ちでは量れない、自然な生命の巡り合わせのようにして結ばれたいと願っている。それはどんな人にも、神や隣人や見知らぬ客人との無償な出会いを求める、いのちの衝動があるからだろう。自分を「あなた」と感じてくれる人との出会い、相互に「あなた」と感じあえる人との出会いが欲しいのである。その意味で、「あなた」を求める気持ちは、理想的な美や善を永遠に求め続けていく気持ちとよく似ている。
<「日本が嫌いな日本人へ」>
呉善花さんの本には、日本応援本と嫌韓本と2種類あると思うのだが・・・
もちろん、日本応援本を読むのは気分がいいのです♪
この本で、気になったヵ所を紹介します。
<いまなお根強い農耕社会の共同意識>
p216~217より
たびたび引き合いに出して恐縮だが、シンガポールなどの場合では、およそ道徳的な秩序は縦方向からの強い力によって維持されていることがよくわかる。無料教科書配布の例からもわかるように、横からの力はほとんどきいていないのである。
欧米や中東では唯一の神が、韓国や中国では儒教的な徳治思想が、それぞれ人々の意識の上のほうから語りかけることによって、道徳的な秩序が保たれている。それが、それらの国々の伝統でもあった。
一方日本では、伝統的に、上のほうからささやきかけることで国民の大多数に有効な力を発揮することのできる、どんな体系的な思想も宗教ももってこなかった。ではなぜ日本では道徳的な秩序がよく守られるのだろうか。私の考えでは、共同体意識の伝統が根強いからだと思う。
共同体は生産と生活を共にする一個の自立した協同組織だったから、それ自体でひとつの完結した社会であった。そして日本の農耕共同体は、非血縁共同体として成立していたことが、他のアジア諸国とは決定的に異なっている。非血縁で構成される共同体によって高度な農耕社会を築きあげたのは、日本とヨーロッパだけといわれる。
共同体は土地を共同所有し、互いに協力して働き、平等な配分を行った。それは単なる共同作業としての協力ではなく、構成員全員の共同感覚に基いた相互扶助であった。しかもそれは、日本では非血縁間の相互扶助だった。それができたのはきっと、横のほうに自分を超えたところ、つまり自分と他人のあいだに、自分と他人の区別のつかない「人間」の世界が広がっていたからである。
この共同体はすでに崩壊してしまったが、共同体意識は残った。だから現代の日本人もそんな世界のあることをどこかで信じていて、そんな世界に生きることを無意識の理想としているのではないだろうか。
そう考えると、外部からは一種の融通のきかないモラリストとも見える日本人の、特異な道徳観が、よくわかるような気がする。
日本人の意識の尻尾に残っている共同体意識を、これだけ持ち上げてくれると気分がいいわけです。
でも、東日本大震災時には、その共同体意識が見事に発揮されましたね。
【日本が嫌いな日本人へ】
呉善花著、 PHP研究所、1998年刊
<「BOOK」データベース>より
アメリカ型改革に追随するなかれ!日本の伝統、システム、技術には、秘められた可能性がある!自信喪失のニッポン人への熱きメッセージ。
【目次】
第1章 なぜ日本人は誤解されるのか/第2章 日本は、アジアのリーダーになれる!/第3章 「生の文化」に見る日本人の創造力/第4章 日本的システムの復権/第5章 日本が目指す「脱亜超欧」
<読む前の大使寸評>
1998年頃はすでに日本人は自信喪失していたのか。まだ韓流ブームも嫌韓本も無い頃でしたね。
今では嫌韓本を連発し、韓国では入国を拒否された呉善花さんであるが・・・・
とにかく、呉さんの日本人観は深く鋭い♪
rakuten
日本が嫌いな日本人へ
<呉善花さんはどんなかな?>
仕事柄、韓国と関わってきた大使には、愛憎あいなかばする想いがあるわけで…
韓国といっても一言で形容し難いのです。
韓国関連の蔵書にもそれが表れていて、嫌韓本も少なからずあり、怒りに任せて衝動買いをすると、韓国本が増えて収まりがつかないわけで・・・
渡部昇一×呉善花という日韓スペシャリストによる対論形式の本を買い求めて、収拾を図りたいと思ったわけです。(できれば、この本で打ち止めとしたいのだが)
これから読むところだが、このお二人からは日本寄りの結果が予想されます。
(だいたいワック文庫自体が右寄りだもんね)
さて呉善花さんの意見はどんなかな?
【「近くて遠い国」でいい、日本と韓国】
渡部昇一×呉善花著、ワック文庫 、2013年刊
<「BOOK」データベースより>
そうだったのか、韓国人の反日感情。日本は無理して韓国と仲良くしなくてもいい。“君子の交わりは水の如し”、淡々とむしろ突き放したような関係でよい。
【目次】
第1章 日本と韓国は「近くて遠い国」が健全な関係だー中国を父、日本を弟と思っている韓国人/第2章 韓国と韓国人はどこまで変わっていけるのかー反日教育がもたらした大きな弊害/第3章 日本と韓国の決定的な差はどこにあるかー王家が絶えていない国と絶えた国/第4章 「呉善花非実在説」のミステリーーインテリならば母国を非難しない/第5章 古代史論争の最重要ポイントを点検するー「古代日本人の90%以上が韓半島人」という主張/第6章「積み重なる文化」と「古いものを捨て去る文化」-アイデンティティが揺るがないからルーツが語れる日本人/第7章 ウリ民族の排他的な集団主義ーアメリカで分散する日本人と集中する韓国人/第8章 原始の尻尾がついている日本の自然主義ー韓国で見えにくくなった美学が日本で生きている
<読む前の大使寸評>
これでもか!とばかり刊行される嫌韓本の1冊かなと思い、本屋で立ち読みしたのだが・・・
仕事柄、韓国と関わってきた大使としても、お二人が説く「近くて遠い国でいい」というスタンスが良いのではないかと思った次第です。
rakuten
「近くて遠い国」でいい、日本と韓国
呉善花さんは、韓流ブーム以前に刊行された「スカートの風」の著者として知られています。
その本にも表れているが、素直な物言いが災いして母国にいられなくなり、日本に帰化したそうです。
今では大学教授と著作を生業にしているようだが…それで食っていけるなら幸せというしかないのかも。
まだ、この本を読み終えていないけど、気に入ったところを紹介します。
渡辺さん談(p99~100)
呉さんが書かれた「スカートの風」に、呉さんがどのようにして日本の生活に慣れ親しんでいったかということが書かれていますが、そのプロセスが非常によかったですね。最初は日本に来て日本人が掴みどころがなくてノイローゼみたいになり・・・・。
初めのうちは憧れて行ったものですから1年ほどはいいんですが、2年目くらいから何だか嫌になってしまう。そして、もう少し居ると次第に良さがわかってくるんですね。その間の心のプロセスがとても正直に描かれているように思いました。
「うん、うん、よくわかる」といった具合に、相手のことがわかれば仲良くなれるというもんじゃないんですよ。そうならば、ユダヤ人もとっくにヨーロッパに溶け込んでいるはずですから。しかし、「わからない、どうも違う」というその「違い」がわかれば、それできちんとスタンスがとれるんです。呉さんの本はそのへんがいいんですね。
ところで、このところ発表された日韓共同世論調査では日韓関係の世論は悪化しているようです。(韓国側がより悪化)
5/7
日韓世論調査「関係悪い」50%超に
より
日本と韓国の民間団体による共同世論調査の結果が公表され、現在の日韓関係について、「悪い」と答えた人が両国で50%を超えるとともに、この1年間で悪化したと考えている人が多数を占め、竹島などの問題を巡って日韓関係が行き詰まっていることが浮き彫りになりました。
それによりますと、日本側の韓国に対する印象は、「良くない」「どちらかと言えば良くない」が合わせて37%で、「良い」「どちらかと言えば良い」の31%を上回りました。
一方、韓国側の日本に対する印象は「良くない」「どちらかと言えば良くない」が合わせて77%で、回答者の8割近くが日本に良くない印象を持っていることが分かりました。
日韓共同世論調査 日韓世論比較分析結果
韓国は、民族のアイデンティティを抗日に掲げているようなお国柄なので、事あるたびにそのナショナリズムが噴出するようです。
それが歴史認識というものかもしれないが・・・・
その頑なな認識に対しては、この本が説く冷めた認識が、案外と望まれているのかもしれないですね。
<スカートの風>
呉善花さんという存在を知ったのは、「スカートの風」という本を通じてであり、まだ韓流ブームも嫌韓本も無い頃でした。
スカートの風
より
呉善花さんが、この本を出して20年ほど過ぎたが、日韓の価値観もかなり変容しています。
私が韓国出張で渡り合った彼の地の人たちを見るに、この本に書かれた儒教的価値観も今では時代に合わせて衰退しているようです。
でも、呉善花さんが述べたカルチャーショックには・・・日本人にとっても反面鏡を見るようなカルチャーショックを覚えるのです。
今でも、それだけの衝撃を与える彼女の洞察だったということでしょうね。
『韓国人から見た日本人』
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