フランスでの暮らし

フランスでの暮らし

January 21, 2007
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私がフランスに来たきっかけはフランス菓子を学ぶため。
私がフランスに居ついてから、いろんな日本人からどうすればフランスで働けるのかと聞かれた。
それほど日本のパティシエにとってフランス菓子とはすばらしいものである。

では実際、フランスに来て満足して帰って行った日本人はどれくらい居るのだろう。
もちろんな何を重視するかがポイント。
大半は技術
しかし技術を学ぼうとすれば当然有名店
日本で有名となるとたくさんの人が働きたいとくるわけで、そうなると給料ただだよ!
と言っても働きたいという人が多い。

ひどいとまったくない。
こればたった3ヶ月程度のものなら我慢もできようが、一年くらいになるとやはりやる気もそげてくる。
しかし3ヶ月程度で逃げてしまっては何にも得るものはない。

それなりにお金が欲しいとなれば、いまいちな店で働くことになる。
そうなるとお店としては、研修生と言うよりは働き手としてきて欲しいことになり、技術を学ぶと言うよりは、今現在持っている技術を提供すると言う形になり、得るものはほとんどない。
そういう店で働きたいと言う人は少なく、それなりに給料を出さねばすぐに逃げられてしまうのでお金は結構くれる。
しかし学ぶものはない。
私がここ何年かフランスに居て感じたのはこんなもんである。
なのでフランスで働いてみたいと思う方はこの辺をよく考慮しておいて欲しい。

そんなことはどうでもよかった。
本題はそんなことではない。

以前居た店はシェフが完ぺき主義のブルジョワ志向。量より質、いいものは高くても売れる。
店のあったところも高級住宅地だったのでシェフの精神はまかり通った。
高級高質の材料を選び、それを使って時間をかけてすべて自分たちの手で作り上げていた。
そのせいで働く時間は長かったし、材料費をケチらない分人件費をケチってるのか、給料は安かった。
そんなことに嫌気をさして高給、短時間に惹かれやってきた店は、大半が仕入れ商品であった。

簡単粉と牛乳(本とは水でもいい)を混ぜればできてしまう。
オーナーが俺はぜんぜん気にならないからこれをお菓子に使ってもいいよ。
と言ったらしい。
シェフはその一言に喜んだ。
簡単だから。
以前のシェフにこんなこと言ったらお前パティシエ?と言って馬鹿にされるだろう。
私は気になりますけど・・・
と言う言葉を我慢した。
いやぽっそり言ったけど相手にされなかった。
こんなことでいいのだろうか。フランス菓子が消えていく。

だんなの店も高級住宅地にあり、こんな私を馬鹿にしていた。
お前ほんとにパティシエ?ってな感じで。
カスターくらい炊けよ。とも言われた。

そんなだんなの店も先日オーナーが代わり状況は一変。
なんと高級菓子を売っていたお店を買ったのは工場生産、冷凍製品のみと言うパン屋と呼べないお店をたくさん持つ職人ではない商売人。
それでもオーナーは今の店をこの状態で続けたい気持ちはあるらしいが、職人ではない彼は何にもわかっとらん。
材料はこれ以上無理というくらい低質
ケーキの味はもちろん職人のうでもあるけど大半は材料の質にある。
いくらがんばってもまずいものからはそれなりのものしかできない。
彼の持っている他のお店はビジネス街にあり、とりあえず口にできたらいいかもしれないが、だんなの店は住宅街。しかもブルジョワ地区。
お金がかかってもいいからよいものを求める人たちが住むのだ。
その辺わかってないらしい。
しかもだんなが助手が欲しいといったら・・・
もし間に合わないなら他の店から商品を送るよといったそう。
だんなは、いや、あなたの店のくだらない(ほんとはもっとひどい言い方をした)商品はこの店にはいりませんと言いはなった。

なぜこういう店がはやりだしたのだろう。
ここ最近パン屋の質は落ちてきた。
フランスでパン屋というと2種類あって、実際技術者がパンを焼いてるパン屋と呼べるものと、技術はなくても、ダンボールを開けてオーブンで焼くことができればいいポワンショーと呼ばれるもの。
これは仕入れ商品やら冷凍物ばかりを扱っているものでそこで売られているケーキはフランス菓子と呼ぶには悲しいもの。
しかし多い。こんな店。
先日うちの店のシェフが見せてくれたカタログを見て声も出なかった。
一冊の本だがこれさえあればケーキ作りができなくったてお店ができる。
何でもある。
クロカンブッシ(小さなシューを積み上げた結婚式なんかに用いられるケーキ)でさえ仕入れることができるのである。
しかもこぎれい。
不気味なほどつやがあったり、奇妙なほど形がそろっている。

なぜこんなものがはやりだしたのだろう。
以前まだ日本に居たころフランス人の講習会に行ったことがある。
そのとき彼が言っていた。
35時間制度になって、どの店も時間短縮に躍起になっている。
中には仕入れ商品でごまかす店も増えた。これは悲しいことですと。
その意味が今わかった。
しかも物価もどこどこ上がる。
ユーロ導入以来物価は5倍近く上がっているとか。
それなのに給料平均は以前と変わらないらしい。
人は質より量を選ぶことを強いられた。
だからこそスーパーのパンが売れる。
ほんとの技術の意味も知らないぺーぺーが、とりあえずの見よう見まねでやりつくろう店が増えた。
安い給料で雇えるから。
有名な技術者は、日本などからの研修生を安月給でこき使う。
ほんとのフランス菓子はこのまま消え去ってしまうのか?
パティシエを目指す甘えた若者はその厳しさと安月給に耐える根性もなくどんどん減る一方。
本当にがんばれる人が少なくなった。
この先フランス菓子はどうなっていくのか?
日本の伝統技術が失われていく過程に似ている気がする。
手染めのものより機械で大量に染められ、値段も安いものが出回るあれに・・・





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Last updated  January 22, 2007 12:13:26 AM
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Re:フランス菓子の行く末(01/21)  
兎遊月子  さん
読んでいて私も心配になってしまいました。でも、私も時々ポワンショーで買う事があるんですけど。旦那はあそこのバゲットが大嫌いなので、私が買ったら怒るんですけどね。
でも、フランスのパン屋が、冷凍ものばかりになるのはやっぱり淋しいなあ。 (January 22, 2007 04:32:47 AM)

Re[1]:フランス菓子の行く末(01/21)  
PANDA88  さん
兎遊月子さん
ポワンショーのパンはやっぱりおいしくないんでしょうね。
私達は買ったことがないのでわかりませんが・・・・
そんな店ばかりになるのはやっぱり嫌ですよねぇ。 (January 22, 2007 09:15:17 PM)

Re:フランス菓子の行く末(01/21)  
カボ&セル  さん
昨日 パン職人の男の子がワーホリでこっちにきてて 遊びに来ました
で 同じようなことをいってて・・・ 
彼は日本の労働時間が長い仕事のほうが今フランスで短い時間働くより好きなようです ちゃんとしたパンが作れるからだそうです
でも 東京で名前は忘れましたが ちゃんと8時間労働で昔からやってるパティシエの店があるので やってやれないことは日本でもないのだろうとも言ってました (January 22, 2007 10:21:14 PM)

Re[1]:フランス菓子の行く末(01/21)  
PANDA88  さん
カボ&セルさん
パンのほうはまだケーキよりましかも・・・
ケーキの世界は恐ろしいことになってきている気がする。
日本は労働時間長いけど、ちょっとのんびりしているところもあります。
一度日本に帰ったとき、以前働いていたお店をのぞいたときになんてのろのろ働いてるんだろう?ッて思いました。
こっちは常に走り回ってる感じ。
だから雑なのかも・・・
フランスも人さえ雇えば35時間でもやっていけます。
ただこちらは人を雇うと日本とは比べようもないくらいお金がかかるから、それくらいなら機械や出来合いに頼っちゃえって感じなのかな? (January 27, 2007 12:57:29 AM)

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ちぃちゃん@ Re:フランスのケーキ屋で働くということ(07/16) 今、私は中学生です。ケーキ屋の娘なんで…
特権階級にでもなりましたか?@ Re:フランスのケーキ屋で働くということ(07/16) みずがにごっているのはあなたでしょ …
PANDA88 @ Re:そうだった!(12/13) 景子7000さん 私も一度たどり着いたこと…
PANDA88 @ Re[1]:お知らせします。(12/13) 私も初めの方は削除したりがんばってたん…
景子7000 @ そうだった!  一度、足跡をたどってPANDAさんら…

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