図書館で、「愛の詩集」を借りたら、
以下の2編の、永瀬清子さんの詩がとても気に入りました。
パソコンで検索したら、
「あけがたにくる人よ」と「悲しめる友よ」の詩が見つかりました。
載せていいのか、分からないので、
こちらに飛んで、読んでください。
あけがたにくる人よ
悲しめる友よ
この載せてる方も、おっしゃってたのです。
著作権の許可は取ってないのですが、
素晴らしい詩を皆様にも読んでいただきたく、
個人の趣味の範囲で、載せさせてください。
よろしくお願い致します。
「だまして下さい 言葉やさしく」永瀬清子
だまして下さい言葉やさしく
よろこばせて下さいあたゝかい声で。
世慣れぬ私の心いれをも
受けてください、ほめて下さい。
ああ貴方には誰よりも私が要ると
感謝のほゝゑみでだまして下さい。
その時私は
思ひあがつて傲慢になるでせうか
いえいえ私は
やはらかい蔓草のやうにそれをとらへて
それを力に立ち上がりませう
もつともつとやさしくなりませう。
もつともつと美しく
心きゝたる女子(おなご)になりませう。
あゝ私はあまりにも荒野に育ちました
飢ゑたる心にせめて一つほしいものは
私が貴方によろこばれると
さう考へるよろこびです。
あけがたの露やそよ風のほどにも
貴方にそれがわかつて下されば
私の瞳はいきいきと若くなりませう。
うれしさに涙をいつぱいためながら
だまされだまされてゆたかになりませう。
目かくしの鬼を導くやうに
あゝ私をやさしい拍手で導いて下さい。
「私のそばへ」永瀬清子
獅子の心をもつた貴方
何度も私を救ひ出して下さつた貴方
今日は莨(たばこ)くさく、ぢゞむさくお見えになる。
すつかり疲れていらつしやるのが
足音ですぐわかる
秋になつてわが藍色になるやうに
ふかく愁へていらつしやる。
私のそばへたゞおいでください。
私の眼の中の虹をご覧下さい。
私の大きなポケツトから
よいなだめ歌をだしませう。
よい生き方を静かに話しませう。
忘れていらつしやるものを
思ひださせてあげませう
どんな苦しみも
私たちだからこそ意味があると云ふことを。
さあ
私のそばへたゞおいで下さい。