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明けましておめでとうございます。昨年は、私にとって良い年ではありませんでした。 今年は、良い年になってほしいと思っています。今現在はトラックの運転手として、各地に行っています。昨年の後半よりも、今年の景気は悪くなり、失業者が増えるのではないでしょうか?今の状況が続けば、失業者はもっと増えつづけて、犯罪も増え、最悪の事態を招く気がします。 トラックに乗って半年になりますが、景気の悪さは輸送量を見ると分かります。しかし、この状況を政府は、鈍感で、打つ手が遅い。失業者をいかに増やさないようにするかなどを、早急に国会で審議すべきだと思います。与党自民党でさえ、舵取りができないのに、野党民主党に、できる訳がないと思います。1日も早く景気がよくなればいいと、思います。
2009年01月06日
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皆様、お久しぶりですまた、日記に書き込みができます。4月の事件から、7ヶ月にが過ぎます。裁判までして無罪になりましたが、会社から、罪人扱いされて、心に一生消えない傷ができました。 だが、会社も私が貸してあげた、トランシーバー3台を勝手に処分して、謝罪もしない。今度は、私が会社に対して、私物を勝手に処分した事で、警察に被害届を出そうかと、思っている。大手の家電量販店だからと言って、泣き寝入りはできない。一度、警察で相談しようかと思っています。今は、正社員として、新しい会社で頑張っています。しかし、前の会社には恨みがある。いつかは天罰があるだろと思っています。
2008年11月06日
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昨日積み込みした荷を広島市内で、朝の5時に降ろし、同じ所で積み込み、山口県内に輸送した。8時に荷降ろしが完了したものの、待機時間が6時間を過ぎたが、積み込みの指示が無く業務終了となる?
2008年09月02日
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昼過ぎから、雷を伴って雨が降り始めました。お盆を過ぎて降る雨からは、少しずつ涼しくなってほしいと思っています。ですが、残暑は厳しいと思っています。朝夕だけでも、涼しくなってくれればいいと思っています。
2008年08月16日
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今日は、私が暮らしている、町の花火大会です。路上では屋台が並び、大勢の人達で賑わっています。私の家からも、花火は見ることができるので、近所の人達も来ています。子供たちは、花火より屋台が気になっているようで、早々に出かけました。天気もよく、年に一度の夜空の祭典を、楽しんでいます。
2008年08月10日
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30度以上の日々が続いています。私の暮らしている地域でも、熱中症になって、救急車で病院へ運ばれるお年寄りもいます。皆さんの暮らしている地域では、熱中症になっている人はいませんか?この夏も暑い日が続きそうです。皆さんも暑さ対策して、暑い夏を乗りきりましょう。梅雨時期にでる松茸も終わり、何年ぶりかの豊作でした。例年ならば、1本か2本、多くて5本位しか採取できませんが、今期は少なくて7本、多い日は18本も採取できました。今年の秋のシーズンが楽しみです。
2008年07月16日
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昨日は山口県地方は大雨となりました。一時間に50ミリ前後の激しい雨が降りました。午前中は曇っていました。その為、山に行き、雨の降り出す頃、下山しました。もちろん松茸も見つけていました。車の所へ出た時は、激しく降っていました。週末から来週にかけて、曇や雨の日が続くそうです。地震で被害にあわれている方々に、心からお見舞い申し上げます。
2008年06月21日
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山口県地方は、曇空でしたが時折青空も広がって日差しもありました。夕方からは雲に覆われて、今にも雨が降りそうな状況になっています。今日も山へ行き、サマツを探してみました。ツボミが4本見つけました。しかし4本中1本が駄目でした。大きさ的には、長さ17センチ直径3センチくらいでした。明日も山へ行く予定にしていますが、明日は雨が降ると天気予報では言っていました。小降り程度であれば、行ってみようかと思っています。雨が降れば、熊と遭遇する事がないので、安全といえば安全です。だからといって、油断していると遭遇する可能性もありますからね。目も耳も鼻も野獣の如くでないと、山は危険です。熊が人間を襲う時は、正面からも攻撃してきますが、背後からも襲ってきます。大きな体ですが移動する時など、あまり音がしません。今日はこれで失礼します。
2008年06月18日
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今日の小説は、書き込みしません。そのかわりに、松茸の紹介をします。梅雨時期にも、松茸は出ます。量的には秋の時期と比べて少なく、見つける事が難しいです。私の暮らす地方では、サマツと言っています。今年は雨も間隔をおいて降っている事もあってか、よい松茸が出ているようです。例年なら、1本か2本位しか見つける事が出来ませんが、今年は数的にも多く出ているようです。
2008年06月16日
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伸一郎も、一人娘の真奈美が幸せになる事を望んでいた。しかし、源次郎と裕一の事を考えると、ライバル会社でもある、会長の息子と真奈美が交際している事に、腹立たしく思っていたが、真奈美の幸せを望んでいる自分は、どうしたものかと迷っていた。伸一郎と律子は、交際している二人の事を話すたび、真奈美の幼い頃の事が、昨日の事の様に思えてならなかった。小学校へ入学する直前に、流行していた風邪にかかり、高熱で苦しんでいた真奈美を伸一郎は、真夜中に病院へ連れて行ったが、夜間診療の病院が見つからず、隣町の病院まで行き、やっとの思いで診察をしてもらった時の事や、小学校三年の時、学校の帰り道で、捨てられていた子猫を抱いて帰ってきたが、子猫を飼う事は許さなかった。伸一郎と律子は、真奈美に気付かれないように、近くの公園に子猫を置き去りにした。しかし、子猫がいない事に気がついた真奈美は、泣きじゃくり、学校へは行かないと言って、部屋から出ようとしなかった。伸一郎と律子は、仕方なく公園に行き、子猫をつれて帰り、飼う事を許したのだった。伸一郎の胸の内は、真奈美が好きになった男性が、裕一ではなく、他の男性であって欲しかったと思っていたのだった。伸一郎は律子に「お母さんは笹山の息子をどう思う、私は笹山の息子の所へなど、嫁がせたくないのだが」と言った。律子は、伸一郎の弱気の一面を見た様に思えた。伸一郎に、「とても誠実で、思いやりのある人と思っているけど、真奈美が好きになるのは当然かもね」と律子は言った。桜の蕾みも膨らみ、春の空は雲もなく、青空が広がっていた日曜日の朝、裕一と真奈美は宇都宮市に向かって車を走らせた。二人が知り合うきっかけとなった人物に会うためだった。そもそも、裕一と真奈美が知り合ったきっかけは、裕一の会社が、新校舎の建て替え工事をしていたのである。建設中の現場に、この学校の校長である前島悟と真奈美が一緒に、現場の視察訪れた事で二人は知り合ったのだった。それ以来、前島の口添えもあって、二人の交際が始まったのである。休日には、二人で前島が暮らしている宇都宮市まで、よく出かけて行った。真奈美が席を離れている時裕一は、真奈美の恩師でもある前島に、真奈美の事や両親の事について、話を聞いていた前島の話を聞いているうち、裕一は真奈美の事を、深く愛する様になっていた。真奈美も、工事現場の人達に慕われている裕一の姿を見て、今まで以上に、裕一への愛が強くなっていた。桜の花も風に吹かれて舞い散る頃、前島の家で過ごした後、戦場ヶ原へと、車を走らせた。中禅寺湖を通り過ぎ、土産店の前にある駐車場に車を止めた。店の周りでは、観光で訪れた人々で賑わっていた。裕一は伸一郎と会う時期について悩んでいた。真奈美も同じ気持ちであった。「真奈美さん、少し歩こうか。歩いているうちに、答えが出るかもしれないからね」と裕一は言った。裕一が止めている車の横に、グレー色の車が一台入り込んできた。その車には、倉田とその家族である。倉田も真奈美が戦場ヶ原に来ているとは思っていなかったのである。車の側で倉田は、土産店の中を見た。そこに、真奈美に良く似た女性がいる事に気付いた。しかし、人違いかも知れないと思っていた。倉田も気になるのか、幾度となく女性を見ていた。裕一と真奈美は、答えの出ないまま車へと歩いた。その様子を見ていた倉田は、朝倉真奈美に間違いないと思い、声をかけた。「朝、朝倉さん、やっぱり朝倉さんでしたか先ほどから、見ていたのですが、人違いかも知れないと思い、声をかける事が出来ませんでした」と言った。真奈美も驚いた様子で、倉田のほうを見た。裕一は倉田の事は知らなかったのである。「真奈美さん、知り合いの方なの」と裕一が言った。「ええ、会社の上司なの」と真奈美が答えた。裕一と真奈美、そして、倉田と家族は歩み寄った。「倉田さん、今日は家族でお出かけですか?」と真奈美は言った。「まぁね。休みの時くらいは、家族サービスをしないとね。家族に嫌われるからね」と倉田が言った。真奈美は倉田に、裕一を紹介した。「初めまして、笹山裕一と言います」と倉田に言った。「倉田です。よろしく」と言った。倉田の家族も頭を下げていた。始めて会った裕一は、真奈美を見る倉田の様子に、倉田に対する敵意の様なものを感じたのだった。倉田も同じ思いであった。裕一と真奈美の二人は、倉田たちと別れて後練馬にある真奈美の自宅まで車を走らせた。
2008年06月15日
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三章 ライバル源次郎と裕一は、大事な一人娘の交際を認める事は無いと思ったのである。源次郎が「私もかなりの頑固者ですが、真奈美さんのお父様と会って、一度、頑固比べがしたいものですな、私と裕一を、お父様に会わせて貰えませんかな」と言った。真奈美は源次郎と裕一が、伸一郎と会った時の事を想像していた。真奈美は、裕一との交際が駄目になったらどうしようと思っていた。裕一が「お父さん、遅くなるから真奈美さんを家に送って、私達も帰りましょう。後日、真奈美さんのお父様に会えば・・・」と言った。「じゃあ後日、お父様とお会いしましょう、良いですね真奈美さん」と源次郎は言った。真奈美は「はい」と返事をしたのである源次郎と裕一は、真奈美を家まで送り、帰路の車中で、真奈美の両親と会う時期や、伸一郎の事について話し合ったが、会う時期については決めかねていた。源次郎が「裕一、明日お母さんと三人で、話し合って決めよう、それからだな」と言った。裕一は「真奈美さんのお父さんが、駄目だと言っても、諦めませんよ」と源次郎に言った。「そうだな、真奈美さんの為にも、諦める事は出来ないな・・・」源次郎は言った。そして、二人の乗った車は、都内にある自宅へと向かった。翌日、裕一は、母、登美子を会社に呼んで、朝倉真奈美と交際している事を話したのだった。交際している事を聞かされた登美子は「裕一、今、朝倉さんと言ったけど、朝倉さんと言えば、お父さんから聞いた事があるけど、アジア建設で企画部長をしていらっしゃる、あの朝倉さんなの」と登美子は言った。「はい、アジア建設に勤めている、朝倉さんのお嬢さんです」と裕一は登美子に言った。裕一の話を聞きながら登美子は裕一と真奈美の交際は、長く続かないと思ったが、裕一が真奈美の事を心から思っている。様子に、登美子は何も言えなかった。社長室で、登美子と裕一が話をしていると、源次郎が入ってきた。「お母さん、来ていたのか」と言いながら、登美子の横に座った。「朝倉さんの勤めている会社と、我が社は、ライバル関係だからなぁ、裕一と真奈美さんの交際を、父親が認めてくれるかが問題だ」と源次郎が言った。登美子と真奈美は一度も会った事はない。一度会ってみたいと裕一に「一度、真奈美さんと会ってみたいわ、裕一お母さんと真奈美さんが会えない?」と、裕一に登美子は言った。裕一も一度、真奈美を会わせたいと思っていた。一方、朝倉伸一郎の家では、律子と真奈美は裕一との交際について話し合っていた。律子も、裕一と一度も会った事がなく、会ってみたいと思っていた。律子も伸一郎から、笹山源次郎と裕一の事は聞かされていた。「真奈美、お父さんから聞いた話だけど、笹山源次郎と言う人は、とても堅物で強引な人間と言っていたわ」と律子が言った。真奈美は、源次郎と始めて会った時の事を思い出していた。どうしても源次郎が堅物な人柄には思えなかったのである。真奈美は律子に、裕一との交際について、聞いてみる事にした。「お母さん、裕一さんと電話で話をしているでしょう。どんな感じの人だと思う?」と真奈美が律子に言った。「とても感じが良くて誠実な人みたいね。真奈美の事を大事に思っているわ。お母さんも一度、会いたいわね」と真奈美に言った。真奈美は律子の話を聞いて、気持ちが楽になっていた。裕一に会ってみたいと言った律子の言葉に、真奈美は感激していた。「裕一さんに、お母さんが会いたいって伝えるね」と律子に言った。しかし、伸一郎には、律子も真奈美が裕一と交際している事は話していなかった。真奈美が「もしも、私が裕一さんと結婚したいと言ったら、お母さんは・・・」と言って律子を見た。真奈美の言葉に、律子は笑みを浮かべながら「真奈美自身が決める事だから私は何も言わないわ、貴女が幸せになれるのなら、それでいいわ」と言ったが、律子も伸一郎に話せば、真奈美と裕一の交際を認める事は無いと思った。真奈美が「お母さんは賛成してくれる?それとも反対するの?」と言ったが、律子からの返事はなかった。律子も真奈美に聞かれて、戸惑い、返事をする事ができなかったのである。律子は真奈美が、裕一の事を心から信頼し、愛しているのだと思った。しかし、真奈美の愛する男性が、父親のライバル会社で、会長の息子である事に、二人の交際を認める事はない、でも、真奈美の幸せを考えると、二人の交際を、伸一郎に認めさせなければならなかった。伸一郎と律子は、真奈美と裕一の交際について、話す日々が続いていた。
2008年06月14日
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源次郎は「真奈美さん、貴女のお父様のお名前を聞かせてください」と真奈美に言ったのである。真奈美が朝倉と言った時から、源次郎は気になっていたからである。真奈美が「父の名前ですか?伸一郎ですけどそれが何か?」と気になる様子で言った。源次郎と裕一は、朝倉伸一郎と聞かされて、お互いの顔を見合ったのだった。
2008年06月14日
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真奈美が「母は裕一さんの事を、誠実でとても優しい感じの良い人と言っていました。でも、父にはまだ、裕一さんとの事は話していません」と源次郎に言った。真奈美の話を聞いて、公園のベンチに座って、悩んでいたのは、真奈美が父伸一郎に話そうか、話すまいか悩んでいた姿だったのかと思った。「どうして、お父様に裕一の事を話さないのかな?話した方が良いのでは?」と源次郎は言った。「父は、とても頑固な人で裕一さんの事を話しても、私達の交際を認めてくれません。裕一さんと相談し、時期をみて話そうと思います」と言った。源次郎自身、裕一と真奈美の交際は認めていた。源次郎が「そうですか。どこの父親も同じですなぁ」と言った。源次郎と裕一は、朝倉伸一郎の名前は知っていたが、真奈美が朝倉伸一郎の娘だとは思っていなかったのである。
2008年06月13日
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二章 一年後の出会い平成十三年の秋、源次郎は、知人の村瀬に会うため、列車で宇都宮へ向かった。駅に着いた源次郎は、川沿いの道を、村瀬宅に向かって歩いた。途中に小さな公園があり、ブランコや、滑り台が設置してあった。砂場では、小さな子供が遊んでいた。秋風も肌寒く感じるというに、子供は元気だなぁと、源次郎は呟いた。しばらくして、村瀬宅に着いた。出迎えてくれたのは、村瀬の妻だった。村瀬は、作業小屋で何か作っていた。源次郎は、ソファーに座って村瀬が来るのを待っていた作業を終えて「笹山さん、良く来てくれましたね。ありがとうございます」と言いながらソファーに腰を下ろした。村瀬は笹山コーポレーションの元社員である。建設現場で事故があり、作業員を死なせてしまったのである。その責任を取って、会社を辞めたのだった。村瀬の家で一日過ごした源次郎は、夕暮れの駅に向かって歩いていた。源次郎が公園脇の細い道を歩いていると、公園の中にあるベンチに一人の若い女性が悲しそうな顔をして、ベンチに座っていた。源次郎は、女性の様子が気になっていた。年齢は二十代後半から三十代半ばくらいで、髪は短く細身で小柄な女性である。源次郎は一年前に、不慮の事故で若くしてこの世を去った娘と、ベンチに座っている女性が、源次郎の目に重なって見えていた。源次郎は、女性が座っているベンチに歩み寄り「お嬢さん、横に座ってもいいですかな」と言った。女性は、小さくうなずきながら、小さな声で「はい」と言った。源次郎は腰を下ろしながら、「歳を取ると、長道を歩くのが辛いですなぁ、歳は取りたくないですね・・・」と言いながら、ベンチに座った。しかし源次郎が話しかけても、女性は下を向いたままで、何も話そうとしない。源次郎は女性が持っている一枚の写真を見た源次郎は写真を見て驚いた。女性が持っている写真に、息子裕一が写っていたからである。なぜ、この女性が裕一の写真を持っているだろうと思った。源次郎は女性が持っている写真の事が気になっていた。「お嬢さん、良かったら、少し話をしてもいいですかな」と言った。女性は写真を見ていた。「お嬢さん、何を悩んでおいでかな、良かったら、この年寄りに話してくれませんか。美しいお嬢さんに、悲しい顔は似合わないですぞ」と言った。すると女性は源次郎が言った言葉に「この写真の男性は、私の大事な人なのです。将来、結婚の約束もしています。彼の事を、父に話そうと思っているのですが父は頑固な人で、反対されたらと、思うと悲しくなって・・・」と言った。源次郎が「私にも、息子と娘が居ました。息子に好きな女性がいると聞かされれば、その場で反対するかも知れませんね」と言った。女性は「お嬢さんは、ご結婚されているのですか?」と言った。源次郎はベンチから立ち上がり「娘は一年前に亡くなりました。不慮の事故でね。親として何もしてやれなかったと、悔やむばかりで・・・」と話した。源次郎の話を聞いて女性は「ごめんなさい、知らなかったとは言え、悲しい事を思い出させてしまって、許してください」と言った女性の目に光るものがあった。源次郎と女性はベンチに座り「お嬢さんを見た時、娘の姿と重なって見えたのですよ、気にしないで下され」と言った。女性は源次郎の冷たくなっている手を握り「本当に御免なさい。許してください・・・」と何度も頭を下げていた。源次郎は、この女性の素直で優しく、礼儀正しい姿を見て、この女性と裕一が交際するのであれば、許しても良いと思ったのである。源次郎は駅に行く事も忘れていた。しばらくして源次郎は、ベンチ立ちから上がり、駅に向かって歩き始めた。源次郎は裕一に携帯電話で、町のレストランまで迎えに来る様にと、連絡をしたのだった。源次郎は持っていた小さなバックをベンチに置き忘れている事も知らずに駅へと歩いていた。しばらくして、バックを持っていない事に気付いた源次郎は、引き返そうと振り向いた。すると女性が息も荒く駆け寄って「バックをベンチに忘れていましたよ、手から離しては駄目ですよ・・・」と言った。この時源次郎は、自分の娘に言われている様な気がしていた。「有難う、バックを持っていた事を、すっかり忘れていました。助かりました、有難う」と女性に頭を下げた。「先ほどは、失礼な事を聞いて御免なさい、気を悪くしないでくださいね」と優しく言った。源次郎は空を見上げて、「お嬢さん、空を見てごらんなさい、星が輝いてとっても綺麗ですぞ」と言った。源次郎の言葉に女性も空を見上げ「きらきらと輝いて綺麗ですね」と言った。源次郎は女性に「お嬢さん、笑顔がとても素敵ですよ、その笑顔を忘れなで」と言いながら、星空を見つめていた。源次郎が「まだ、私の事を話していなかったね。私は、笹山源次郎と言います」笹山源次郎は、篠山コーポレーションと言う建設会社を一代で築き上げた人物で、息子の裕一を後継者として、前線から離れている。しかし、笹山源次郎の人柄は、財界・大手銀行。ゼネコン企業にまで知られている人物である。「お嬢さんは」と言った。「私は、朝倉真奈美と言います。真奈美と呼んでください」と言ったが、笹山源次郎と聞いて、もしかして裕一さんのお父様ではと思ったのである。真奈美は、朝倉伸一郎の一人娘で、伸一郎は笹山コーポレーションのライバル会社でもある。アジア建設の企画部長としてアジア建設には欠かせない存在の人物である。真奈美も大手企業の事務職に勤めている。源次郎は「真奈美さんとおっしゃいますか。これも何かの縁、この年寄りに少し付き合ってくださらんかの」と真奈美に言った。真奈美も源次郎の事を、優しくて礼儀正しいとても感じの良い人と思っていたのである。源次郎は、真奈美がバックを届けてくれたお礼もかねて、食事に誘ったのだった。しかし真奈美は迷っていた。真奈美の様子を見ていた源次郎は「真奈美さん、私の様な年寄りと食事をするより、写真の人と食事がしたいでしょう」と言った。この時、裕一がレストランで待っている事など、真奈美は思っていなかったのである。「いいえ、そんな事は・・・」と源次郎に言った。「じゃあ行きましょう。歳を取ってもお腹は空きますからね。真奈美さんも夕食はまだでしょう?さぁ行きましょう」となかば強引に真奈美を誘ったのだった。そして二人は、レストランに向かって歩き始めたのだった。レストランの駐車場の前まで真奈美は立ち止まった。そして一台の車を指差して、「あの車は、裕一さんが乗っている車と同じ車です」と言ったが、周りも暗くてナンバーまでは確認する事は出来なかったのである。源次郎が「他の人が乗っている車でしょう。似た車は幾らでもいますからね」と真奈美に言った。そして二人は、レストランの中へと入った。真奈美は裕一の姿を見て、「裕一さん?裕一さんがなぜここにいるの?どうして?」と源次郎を見ながら言った。裕一が「お父さん、迎えに来たよ。実は父から電話で、レストランまで迎えに来るようにと言われて、迎えに来ました。だが、真奈美さんと父が一緒にいるとは思いませんでした父からの二度目の電話で、私の写真を持っている女性がいる、どうしてかと聞かれましたその時、真奈美さんと分かりました。私の写真を持っている女性は、真奈美さんだけす」と裕一が真奈美に言った。三人は椅子に座り、オーダーした後、食事を始めたのだった。裕一が「お父さんの友人が、この町にいたなんて、知らなかったよ。お父さんの友人のおかげで、こうして三人で食事をする事が出来て良かった」と言った。源次郎は真奈美を見て「真奈美さん、気分でも悪いのかな、それとも気になる事でも」と言った。真奈美は源次郎と裕一に「はい、散歩にいくと言って出かけたものですから、帰りが遅いので、両親が心配しているのではと思いまして」と二人に言った。源次郎が「心配しなくても大丈夫ですよ。裕一からご自宅へ電話させましたから」と言って「裕一、真奈美さんのご両親に連絡をしたのか」裕一は「はい、お父さん、ご両親には連絡しておきました。だから心配しないでいいですよ、真奈美さん」と言った真奈美は裕一の言葉に安心したのか、食事を始めたのだった。源次郎は、真奈美が裕一を見た時の目が輝いていた事に。裕一の事を心から好なのだと思った。そして二人は、交際してどの位経つのか聞く事にした。「裕一、真奈美さんとお付き合いして、どの位になる」と聞いた。「もう、一年になります」と裕一が答えた。源次郎は「真奈美さん、裕一は、ご両親とお会いしましたか」と聞いた。裕一は真奈美の両親とまだ会っていなかったが、真奈美の家によく電話をしていた。真奈美の母親とは何度も電話で話をしていた。裕一が源次郎に言った。「お父さん、真奈美さんのご両親とは会っていません。真奈美さんのお母さんとは電話でよく話をしています」源次郎は裕一と真奈美の両親が会う事を望んでいた。
2008年06月13日
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小さな光 佐和田信彦一章 秋祭り 平成十二年の秋、山々の紅葉も色鮮やかに染まっていた頃だった。枯葉も時折、風に吹かれながら路上に舞い落ちる、秋も半ばの頃だった。北陸の小さな町で暮らしている、親友の北澤から源次郎宛に一通の手紙が届いた。北澤からの手紙には、〔これまで途絶えていた秋祭りが、町の人達の努力と協力によって、町を挙げて十年ぶりに復活する事となった。源さんも、昔から祭りが大好きなので、私が暮らす町へ来て一緒に祭りを楽しまないか〕と言う誘いの内容だった。北澤が送ってきた手紙を読んだ源次郎は、五年前に会って以来、その後一度も会ってはいなかった。源次郎は北澤宛に〔五年ぶりに会って、町の事や人々の事を聞かせて欲しい、それに、北さんの元気な姿も見たい、喜んで伺わせて貰います。〕と返事を出したのだった。そして、手紙を読んだ六日後、北澤の暮らしている町を五年ぶりに訪れた。東京駅から東海道新幹線で京都まで行き、京都駅から北陸本線に乗り換えて金沢駅で降りた。駅で待っていた北澤は、源次郎の姿を見て、手を振りながら「源さん、五年ぶりだなぁ、よく来てくれた」と源次郎に言った。源次郎も片手を振り「北さん、久しぶりだなぁ、祭りを楽しませて貰うよ」とお互いに声をかけ合った。源次郎と北澤の二人は、コスモスの花が咲き乱れている道を、北澤の運転で、家へと向かって車を走らせた。北澤の家に着いた源次郎は、北澤の妻、早苗に「奥さん、お久しぶりです。二・三日お邪魔させていただきます」と言いながら手に持っていた土産を早苗に渡した。そして北澤の部屋で寛いでいた。源次郎は部屋から外を眺めながら、町の人達や子供達が祭りの会場へ向う姿を見て「北さん祭りが途絶えてから十年になるのか?」と源次郎は言った。北澤も「あぁ、祭りが途絶えてから十年になるな」と言った。「十年も途絶えていたのか町の人達や子供達も、今日の祭りを楽しみにしているだろうなぁ」と源次郎は言った。北澤が「十年ぶりの祭りだからなぁ」と言った。五年ぶりに会った二人の話が尽きる事は無かった。源次郎と北澤も祭りの会場へと向かったのである。会場は十年ぶりに行われる祭りに、子供達や町の人達が楽しむ様子に、源次郎と北澤の顔に笑顔が見えていた。祭りが終わる頃、陽は西の山に隠れ始めていた。二人は世間話をしながら家路に付いた。源次郎は「北さん、町を挙げての事はあったね。今日はとても楽しかったよ、来て良かった、ありがとう」と言った。北澤も「源さん、とても楽しかったよ。ありがとう。明日は、温泉に入って、美味しい物でも食べて、ゆっくりしよう」と言った。北澤に「復活した祭りが、何時までも、永く続いてくれるといいなぁ」と源次郎が言ったそして翌日、源次郎と北澤は、吉野谷の近くにある、白山一里野温泉に向かって車を走らた。温泉で休養した二人は、白山スーパー林道へ向かって車を走らせ、石川県から岐阜県に入り、合掌造りで知られる白川郷を訪れた。合掌造りの建物に興味のある源次郎は、合掌造りの技術に魅せられて、何度か白川郷を、一人で訪れた事があった。何度訪れても飽きる事のない場所でもあった。東京で暮らしている源次郎には、地方で観るすべてが新鮮に思えたのである。白川郷を後に、北澤の暮らしている町へと車を走らせた。北澤の家に着いた時、午後九時を回っていた。二日目を有意義に過ごした源次郎は、北澤の夫婦に感謝していた。三日目の朝を迎えた。秋祭りも終わり、静かな町の暮らしが始まっていた。北澤の運転する車で、金沢駅へ向かう車中で「北さん、世話になったなぁ、久しぶりに、ゆっくりと休養する事ができて、礼を言うよ」と源次郎は北澤に言った。東京の自宅に着いた源次郎は、夕食を食べながら、妻の登美子と裕一に、北澤の暮らしている町の人達の事や祭りの事などを語った。娘の久美子は、友達と一緒に、海外旅行中で家にはいなかった。笹山源次郎の家族は、四人家族で暮らしている。長男の裕一は、源次郎の後を継いで、笹山コーポレーションの代表取締役として多忙な毎日を過ごしている。長女の久美子も、ファッションとジュエリーの小さな会社の経営者である。妻の登美子は主婦であり、みんなの良き理解者でもある。そんな幸せの笹山家に、突然の悲劇が起きた海外旅行から帰って、数日の事だった。娘の久美子が、信号無視をして走って来た車に、撥ねられ、この世を去ったのである。三十六歳の早すぎる死であった。久美子を撥ねた車に乗っていた男は、業務上過失致死罪で、その場で逮捕された。一人娘を失ってしまった。源次郎と登美子は、病院の安置室で泣き崩れていた。裕一も海外の出張から帰って、病院へ駆けつけた。変わり果てた、妹の姿を見た裕一は、呆然としていた。久美子の遺体は、病院から無言の帰宅となった。久美子が無くなった事を知った近所の人達も、笹山の家に駆けつけ、久美子の遺体に手を合わせていた。無事、葬儀も終えて、親族達も笹山の家を後に、帰路についた。源次郎と登美子と裕一は久美子の死を受け入れる事が出来なかった。秋も終わりの出来事だった。源次郎達は、娘のいない、クリスマスを迎えた。源次郎と登美子の二人は、一年前のクリスマスに、娘に貰ったプレゼントを見つめて涙ぐんでいた。一方、裕一はクリスマスどころではない、完成間近のビルの工事が最終段階に入っていた。年明けには引き渡しをする事になっていた。裕一の会社も、年末年始の休みに入った。年の暮れに、裕一は源次郎に交際している女性がいる事を話したのである。名前は、朝倉真奈美である。源次郎と真奈美が、一年後に会う事など思ってもいなかった。
2008年06月12日
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