奥からは、『死ぬまで塾やってね。あなたはそれしか出来ないから。』

と言われている。まぁそれはそうだなと思う。

でも最近、『俺、あんがいコロリと逝っちゃうのかな？』とも思う。

大腸ポリープの緊急オペの傷も相変わらず痛いし、白内障、静脈瘤の

オペもやってもらった。風呂場で転んで頭から大出血もやった。

もう、いつコロリとなってもおかしくない気がする。

なので遺言書も書いた。奥が金に困るようでは困るので、ちゃんと書いた。

あと気がかりは塾の事。父とすごした３１年。思い入れはある。

やれるのは杉山先生しかいない。でも自分がコロリと死んでしまったら、

やれるかどうかは分からない。女一人では無理かも知れない。

『もし杉山さんが出来ないと言ったら、閉塾して、売れ。』としたためた。

まさか死ぬ準備をするとは、若い頃は思いもしなかった。