ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2006年10月29日
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カテゴリ: 教育



最近、数十年前に神奈川のS学園で起きた、高校生の少年の殺人事件が今一度、 となって出版されたために、ネット上でも、話題になっています。私がまだ、子供の頃に起きた事件ですから、そんな事件があったことなど、今回初めて知りました。


そして、そんな本をいまさらなんで出すんだろうとちょっと私は腹立たしい。作者は、当の殺人を犯した少年が大人になって、弁護士にまでなってしゃあしゃあと生きている事が許せないらしい。けれど、やっとこれだけの年月が経って、関係者たちの心から、当時の事件の傷がいくらかでも、薄らいできたかもしれないものを、もう一度ことを荒立たせるような事を何でするんだろう。当事者たちはどうかわからないにしても、その周りにいる身内、特に兄弟にいたっては、まったく責任がないのに、殺人者の兄弟としてずいぶんつらい思いをしただろうにと思うのに、その身内の人たちが、こんな本のせいでもう一度つらい過去を引っ張り出されるなんてちょっとあんまりなんじゃないのか。そこまで、この本の著者は考えないのだろうか。

当の殺人者が今、弁護士となって稼いでいるのに、謝罪も慰謝料の支払いもない事が許せないのだそうです。

でも、この本には矛盾点も多いらしいし、私自身ももなんとなく疑問が残る。

実際まだ、この本を読んだわけではないので、細かいことはわからないけれど、それでも、話の焦点が被害者側にばかり向けられている事がなんとなーく納得いかない。

家族に殺人者が出れば、父親は仕事を追われ、兄弟も又、世間からの非難を浴びるだろう。この少年に兄弟がいたかどうかわからないのでなんともいえないのだが、。そして、弁護士になったとしてもイコール金持ちとは限らない。ぜんぜん仕事のないびんぼーな弁護士だっているんだし、(『ドラゴン桜』の桜木健二もそういえば仕事のないビンボー弁護士だったっけ。)父親が自己破産したのも、わざとだと言うけれど、それはあくまで憶測で。実際仕事にならないでしょう。
それでも、慶応、学習院とお金のかかる大学を出たという事で非難されているけれど、奨学金を受けていたかもしれません。

そのあたりの加害者側の部分ははたしてどうなんだか。まだ、本を読んでないのでそのあたり、考証されているのか、わかりません。なにしろ、図書館に予約したら、すごい予約数なんだもの。いつ読めるかわからない。やはり話題の本なんですね。

そして、その話題の学校に通う生徒たちだってこんな本がでたら、いい気持ちしないでしょう。今は、有名私立進学校として有名なんだけど、実はそのあたりでは、昔を知る人は 首切り学校 と呼ぶのだそうです。そんな事何も知らずに通う生徒さんたちはどうでしょう。それに、この事件のおきたS学園と今のS学院とは、実際のところほぼ別物のようなのです。それでも、そうやって過去の亡霊はあるのでしょうか。

事実を知らなければ、同じ学校と世間の人は見るでしょうし。いや、実は私も思いました。

それにしても、いろいろ他のサイトなど読んでいくと、
当時のその学校もまたそうとう過酷な環境を作り上げていたようで、全寮制で、テレビを見る事も出来ず、食事の後も勉強の時間。
きびしい戒律のカトリックの学校。
被害者の少年にいじめられつづけた加害者の少年の状況を思うと、どちらもかわいそうでなりません。

それぞれどちらもたぶん、同じ条件でストレスをためて、一人は、いじめにはしり、一人は、殺人に向かったのだという事が。

少年犯罪の方が少女犯罪よりも、よく耳にするのは、やはり少年犯罪の方が多いからなのか。残虐性が高いから話題になりやすいのか。

男の子は将来家族を養っていき、あるいは、家をつぎ、親の面倒を引き受けていかなければならないその責任の度合いの高さもまた、少年にかかるプレッシャーの度合いを少女以上に高めているからなのでしょうか。

もし、私が加害者少年の母であれば、はたして、我が子をいじめ続け、殺人者にまでしてしまった相手の少年とその家族を一生許す事など出来ないように思います。謝罪もしたくないし、慰謝料もはらいたくない。それは被害者側の気持ちとおなじくらい。

そして、たとえ長い年月の末に被害者のしたことを許す事が出来たとしても、我が子がそこまで追い詰められていた事に気づかなかった自分自身だけは一生涯許す事は出来ないだろうと思うのです。子供というのは、自分が今おかれてている環境がどの程度のものなのか、なかなかに気づかないものだし、そこから抜け出す事も出来にくい。今時分がいる場がひどい状況である事にきづき、学校を抜け出し、大人たちにはむかえるほど強ければ、いっそこんな事件にはならない。だからこそ、母として我が子がそんな状況にあることに気づかなかった自分こそけっして許せないだろうと思う。



けれど、こんな本をわざわざいまいちど書いた著者とそれをさらにネットであおる某巨大BBSの人たちの偽善者振りにもものすごーく腹立たしい。

どちらがどう悪いかも、何をどうすればいいのかも、難しすぎて結論なんかとてもじゃないけど、でない。

殺人は悪いのはもちろんで、だから、悪いんだといってしまえば簡単だけれど、今現在自分の存在を否定しつづけ、自分の存在を危うくする存在を抹殺しようとする行為は、自己保存、自己防衛、の行為で、自己保存すら放棄してしまうにいたる今のいじめによる自殺とどっちがましなんでしょうねと聞いてみたい。


ただ、過酷な環境というものがいかに人の心をゆがませていくものか、それだけはわかる。そんな事件なんだろうと思う。



あまりにも、悲壮で細かいことを書き出す気にはなれません。詳細は他のサイトなどでご覧になってください。



 参考サイト  その1 その2 その3









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最終更新日  2006年10月29日 10時44分52秒
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Re:むずかしすぎるよ少年犯罪(10/29)  
ままちり  さん
本当に難しい問題ですよね。
わたし個人としては、殺人を犯した側が「済んだこと」というか「少年時代だったから履歴には残らない」という思考でなにもかも「なかったこと」にしてしまうのが、不思議でなりません。
先日も時効後に殺人を告白した用務員さんの一件がありましたが、あれも「自己暗示や自己催眠で事件を記憶からあえて忘れさせていた」というものでしたね。
その「あえて忘れさせる努力」を少年法は打ち立てていました、過去はね。
今は償って忘れるのではなく、一生忘れずに、その重い荷を背負いながら、誠実に生きよ、という思想を持つ裁判官も出てきています。
問題はその「誠実に生きよ」の部分でしょうね。
なんにおいても、死んだら終わりです。
死んだものは殺された理由の抗弁も出来ません。
特にいじめた側ということで、世間のさらし者になった家族が受けた人災は、心を破壊するに十分でした。
母が精神を病み、妹が自殺未遂の常習者になり・・・あとからでも立ち直れる少年が、ほか3人の一生をも破壊しました。
そこに謝罪がないのは、やはり、間違っているように思えます。
確かにいじめっ子を育てたのは親であり家族でしょう。
しかし「許されること」ばかり学んで「許す」ことを学ぼうとしない側にも責めは残ると思いますよ。 (2006年10月29日 11時38分21秒)

Re[1]:むずかしすぎるよ少年犯罪(10/29)  
civaka  さん
ままちりさん
>本当に難しい問題ですよね。
>わたし個人としては、殺人を犯した側が「済んだこと」というか「少年時代だったから履歴には残らない」という思考でなにもかも「なかったこと」にしてしまうのが、不思議でなりません。
★このあたり解釈難しいですね。確かにあれ?と思う部分ありますからね。

>特にいじめた側ということで、世間のさらし者になった家族が受けた人災は、心を破壊するに十分でした。
>母が精神を病み、妹が自殺未遂の常習者になり・・・あとからでも立ち直れる少年が、ほか3人の一生をも破壊しました。
>そこに謝罪がないのは、やはり、間違っているように思えます。
★ここがまさに言葉のロジックですね。母や妹を追いやったのは、社会の批判であって、彼の殺人はきっかけではあっても、直接的な原因ではないのですから。結果的にそうなっただけで、彼はそこまで狙ったわけではなく、相手の少年を消したかっただけ。彼が謝罪すべきなのはその少年に対してであって、それなのに、それ以外のいろんな事象をむりやり引っ張り出してきてるだけですよね。この本は。

>確かにいじめっ子を育てたのは親であり家族でしょう。
>しかし「許されること」ばかり学んで「許す」ことを学ぼうとしない側にも責めは残ると思いますよ。
★「ゆるし」は、少年二人の間でだけ成立するもので、その親族に対しては、あくまで当事者の倫理によるのに、全く関係ない第三者の人たちが騒いでいるのが私には許せないです。
「ゆるし」ってそんなに簡単に出来るものなのかどうか。
罪人に石を投げる人々にキリストが言った言葉を思い出してしまいます。
なんでいまさらこんな本出すんでしょう。
この事件はサカキバラ事件みたいには、行かないですね。
ほーんとむずかしい。です。
(2006年10月29日 18時44分25秒)

Re[2]:むずかしすぎるよ少年犯罪(10/29)  
ままちり  さん
civakaさん
>★ここがまさに言葉のロジックですね。母や妹を追いやったのは、社会の批判であって、彼の殺人はきっかけではあっても、直接的な原因ではないのですから。結果的にそうなっただけで、彼はそこまで狙ったわけではなく、相手の少年を消したかっただけ。彼が謝罪すべきなのはその少年に対してであって、それなのに、それ以外のいろんな事象をむりやり引っ張り出してきてるだけですよね。この本は。

ああ、そういえばそうですね。
だとすれば、被害者家族の不幸は、誰の責任でもなくなるというところに落ち着くことしかできませんね。
どこが最初だったのか・・・うーん、この際最初だのなんだのはどうでももいいかも知れませんねぇ。
ところでこの本の本当の主旨は、当該弁護士に対する糾弾ではなく、犯罪被害者遺族救済に対策が何もとられていないことに対する、一家族のドキュメンタリーを通しての糾弾であるようです。
世の中と本の広告主が騒ぐような、弁護士の責任追及に対するために書かれたのではないようです。
もちろん読み手がどこに重きを置くかは、それぞれでしょうが・・・ (2006年10月29日 19時28分43秒)

Re[3]:むずかしすぎるよ少年犯罪(10/29)  
civaka  さん
ままちりさん
>ああ、そういえばそうですね。
>だとすれば、被害者家族の不幸は、誰の責任でもなくなるというところに落ち着くことしかできませんね。
>どこが最初だったのか・・・うーん、この際最初だのなんだのはどうでももいいかも知れませんねぇ。
★無責任な社会の非難という問題点を提示しているともいえましょうか。
今世間で起きているいじめによる自殺事件もまた、いじめる側は悪いとは言えそれをオープンにしてしまうことでいじめた側がまた自殺に追い込まれるあるいはおかしくなってしまうかも知れない危険性をもう一度考え直してほしいです。マスコミは騒いでますからね。

>ところでこの本の本当の主旨は、当該弁護士に対する糾弾ではなく、犯罪被害者遺族救済に対策が何もとられていないことに対する、一家族のドキュメンタリーを通しての糾弾であるようです。
>世の中と本の広告主が騒ぐような、弁護士の責任追及に対するために書かれたのではないようです。
★それでも、あおりの文句や本のタイトルのつけ方はひどいですね。作者の意図と出版社側の売らんかなの姿勢のずれなのでしょうか。
作者にはこんなタイトルは反対してほしいですが、本を出したいという希望との折り合いはどこにあるのか。
タイトルのつけ方が問題ですよね。

>もちろん読み手がどこに重きを置くかは、それぞれでしょうが・・・
★本屋で少し見ましたが。あれでは確かに弁護士さんに非難が行きますね。素直に読んじゃうと。
疑問の多い本でした。全部読まないとわからないかもしれませんが。
(2006年11月18日 09時35分14秒)

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