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Jan 27, 2008
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カテゴリ: 児童・生徒の問題

アスペルガーの子供への対応が、比較的うまくいった例です。

カズオ君は1年生のときから、「みんなとは違う」ことが理由でいじめにあうことが多かった子どもです。こだわりが強く、自分の世界に入ってしまうと、周りが目に入らなくなってしまいます。例えば休み時間に運動場で虫を見つけると、ずっとそれに興味が行ってしまい、授業に入ってもずっと「虫」の事を考えているので、活動のペースがどんと落ちます。また、先生が「授業中は立ち歩いてはいけません」と、ルールを提示すると、例外があることを全く認められないようで、用事があって少しでもたち歩いた子どもを非難してしまいます。楽しい事があると笑いすぎる、腹が立つと怒りすぎる。

そんなカズオ君のアスペルガー傾向が引き起こす行動は、悲しいかな、いじめの材料になります。からかわれたときにパニックを起こし、奇声をあげることがさらに周りの子どもたちを調子づかせます。

2年の時の担任は若い女の教師で、物事をかっちりやらない時がすまないタイプでした。カズオ君のアスペルガー的なイレギュラーな行動は、担任にはまったく理解されません。担任は こっぴどく叱る事で対処をしようとしますが、それは余計に混乱を招くだけ です。

母親は1年の時から、子供が阻害されている状況が気になって仕方がないようで、毎日、連絡帳に細かい字でびっしりと1ページの文章をよこしてきます。抗議・質問・不安・家での様子等々をこれでもかと書き綴ってこられます。この連絡帳攻撃に対応するだけでも、担任はへとへとです。

行き詰ったお母さんは、とうとう自分で市の教育センターに相談を持ちかけます。市から学校にカウンセラーが派遣され、診断の結果、「かなり濃いアスペルガー障害の疑い」という判断が出されました。

その後、母親・学校・カウンセラーの三者での相談を持ち、いくつかの対応策が講じられました。 「むやみに叱っても意味がない」「ルールと現実との落差によって生じる不安をていねいに取り除く」「席を一番前へ」・・・ 細かい事も含めて、カズオ君が不適応を起こしている部分を減らすことを検討しました。

いくつかの対策は的中し、カズオ君はずいぶん楽に学校生活が送れるようになりました。

原因がアスペルガーである事が飲み込めてからは、担任のカズオ君に対する接し方も、頭ごなしに叱る事がなくなるなど、ずいぶん変化が見られました。カウンセラーは授業中や休み時間の教室での様子もつぶさに観察し、カズオ君への対応を若い担任にアドバイスし、 担任もそれを素直に受け入れて 、善処に励んでいました。

同時に、母親にも大きく変化がありました。アスペルガーという「原因」がわかって、 むしろほっとした様子 でした。今まで自分の子どもが人と違っている事を客観的に見れずにいたのが、ずいぶん客観的に考えられるようになったようです。連絡帳を書く日は半分以下になり、文章も3~4行になりました。

自分を知る、親が自分の子どもを知る、教師が児童を知る。

この事例は本人がまだ2年生なので、「自分を知る」はありませんでしたが、周りが客観的に子供をとらえてあげる事によって、状況がずいぶん違ってくる事もあるのです。

しかし、現実は、親が自分の子どもに障害があるとは思いたくないし、 障害を指摘されるような事に極度に拒絶反応を示すケース も少なくありません。

「○○君には、アスペルガー傾向があると思うのですが、一度、専門の先生に診てもらったら、いろいろな対処方法がわかってうまく適応ができるようになるかもしれませんよ」

というような話を担任が切り出すことはまず無理です。保護者の反発を招き、泥沼のトラブルに発展する恐れがあるからです。

アスペルガー等の発達障害に限らず、学校はかつてはなかった「質と量」の 子供の異常な状況 に直面しており、明らかに学校だけの力では対応ができない状況が頻発しています。内科検診や歯科検診と同じように、 子供の心や担任を第三機関が検診するシステムを確立していく必要 を感じています。






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Last updated  Jan 27, 2008 03:05:04 PM
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ほんとにその通りだと思います。  
でも、第三機関に割かれてる予算はほんと微々たるもの。
関係機関の方はほんとに安い給料で精神的に大変な仕事を請け負ってらっしゃると思います。
予算の使い方、もうちょっとどうにかならないものでしょうか… (Jan 27, 2008 03:51:00 PM)

Re:ほんとにその通りだと思います。(01/27)  
redu06  さん
*namiママ*さん、コメントありがとうございます。

>でも、第三機関に割かれてる予算はほんと微々たるもの。
>関係機関の方はほんとに安い給料で精神的に大変な仕事を請け負ってらっしゃると思います。
>予算の使い方、もうちょっとどうにかならないものでしょうか…

カズオ君のお母さんがセンターに連絡を始めてから、対処が講じられるまでに約5ヶ月を要しました。センターも予約でいっぱいだそうです。本当に必要なところに、予算を回してもらいたいものです。


(Jan 27, 2008 04:19:47 PM)

Re:KYとアスペルガー 4 (01/27)  
牛乳キャップ さん
こんにちは。

このシリーズ、4回分拝見させて頂きました。
redu06が書かれてる事はすごく理解できてよかったのですが、
いかんせん私自身、根本的な事、
すなわちアスペルガーについてほとんど知識がなくて...
早速、本屋さんに行ってみました。
関連したテーマの本を、少しずつ読みはじめてます。
何か今まで、心につかえていた事が
いっきに表面にあふれてくる感覚で...

いつも問題に気づかせていただき
ありがとうございます。


(Jul 13, 2008 11:10:44 PM)

Re[1]:KYとアスペルガー 4 (01/27)  
redu06  さん
牛乳キャップさん、コメントありがとうございます。

>何か今まで、心につかえていた事が
>いっきに表面にあふれてくる感覚で...

ああ、何か身近にそういう状況の方がおられるのでしょうか?
私は自分自身がかなりADHDやアスペルガーに当てはまるところがあります。チェックシートなどが、ネット上にたくさんあります。どの人にも、ある程度当てはまる部分はあると思います。この不思議な症候群に関心を持つことは、「自分を知る、現代社会を知る」という意味もあるのではないかと思います。 (Jul 14, 2008 06:10:12 PM)

同じ悩み  
¡Hola! さん
私の妻が同じような悩みに直面しています。担任の先生は教育課程を修了し、教員採用試験も合格していますが、アスペについての知識はゼロ。公務員試験には出ませんよね、アスペルガー!!レベルの低い教師がいるのは事実・・・。採用試験にアスペを入れれば、合格の為に教師を目指す方のアスペ知識を理解するのでしょうかね~。もう少し、最新情報を教師が勉強しないとね。でも、優秀な教師も中にはいますよ。アスペを理解している教師が。(我が子の小学校にはいません) (Jun 18, 2009 10:59:27 PM)

Re:同じ悩み(01/27)  
redu06  さん
潤タHola!さん、コメントありがとうございます。

>私の妻が同じような悩みに直面しています。担任の先生は教育課程を修了し、教員採用試験も合格していますが、アスペについての知識はゼロ。

教師ってやつは、本当に効率の悪い勉強の仕方をしています。

アスペは直面しないとなかなか理解できない部分はあると思いますので、講義形式での研修は非常にわかりにくいし、まどろっこしいです。

事例を図説したいい本がたくさんあるのだらか、くだらない授業(大学)や研修(学校)をして時間を費やすなら各学校に1冊ぐらい配ればいいのに。

(Jun 18, 2009 11:50:45 PM)

再びコメントさせて下さ~い。  
牛乳キャップ さん
再び...こんにちは~。


最近受講した講義のテキストからですが...
『発達障害の有無を問題視するより、支援を必要としている児童に、適切な支援をする必要があるのではないか』という文言にはっと気づかされました。
診断の線引きはなかなか難しいよう...ですが、私もその『線引き』に踊らされていました。肝心なのは診断の有無ではなく、そのお子さんに対する支援が出来るかどうかですよね。


ところで、文科省の発達障害児童に対する支援体制の『しくみ』は十分出来ていると勉強しました...が...
担任教師→校内委員会→特別支援コーディネーター→巡回指導員→専門家チーム!!??
支援を必要としている学級の子ども一人一人に担任が個別の指導計画を作成!!??
保護者対応の窓口に担任を置かない!!??


あ~、どうしてこういう机上の空論バカリ続くのでしょうか....
ごく普通の保護者である私でさえ『ため息...』なのですから、現場の先生方はもう、毎日がいっぱい、いっぱいで...優秀な先生になればなる程、へとへとなのではないかと危惧しています。

(Jun 19, 2009 10:32:57 PM)

Re:再びコメントさせて下さ~い。(01/27)  
redu06  さん
牛乳キャップさん、コメントありがとうございます。

過去に書いた文章にコメントをいただけるのは本当にうれしいです。が、過去文章へのコメントは見落としやすいので、見落としてしまったらすみません。

>診断の線引きはなかなか難しいよう...ですが、私もその『線引き』に踊らされていました。肝心なのは診断の有無ではなく、そのお子さんに対する支援が出来るかどうかですよね。

そうですよね。よくわかります。
白か黒か、どれくらいの濃さのグレイか・・・もちろんそれも必要な情報です。しかし、薄いグレイでも苦しんでいる子供はいると思います。
そこそこ濃いグレイでも助けてくれる友達がいて、比較的周囲になじんでいる子供もいます。

担任、周囲人々など、環境が変われることによって、「困り感」もどんどん変わります。

その子その子にとって、よりよい支援を目指すというのが大事だと思います。

>担任教師→校内委員会→特別支援コーディネーター→巡回指導員→専門家チーム!!??
>支援を必要としている学級の子ども一人一人に担任が個別の指導計画を作成!!??
>保護者対応の窓口に担任を置かない!!??

>あ~、どうしてこういう机上の空論バカリ続くのでしょうか....

正論は時に人を追い詰めてしまうことがあります。現実的対処というものを考えていかないと、現場は苦しいです。

(Jun 20, 2009 12:36:52 AM)

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