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少年Aの「家族の問題」について言及するにしても、とにかく家族のことを含めて、事件の全体像をつかんでおく必要があるだろう。事件について知るのであれば、たくさんの書籍が出ているので、何冊かを読んでいけばよい。誤報や推測に基づいた言説も含め、様々な情報が流れているので、事件全体と家族の関係について様々な視点から眺めていかなくてはならない。
事件を多角的に見つめ、この家族像を少しでも立体的に見るためには、以下に挙げる著書はぜひチェックすべきだと思う。
「淳」「淳それから」(土師守)「彩花へ-「生きる力」をありがとう」「彩花へ、ふたたび-あなたがいてくれるから」(山下京子)。被害者からは家族がどんなふうに見えているのかを知ることができる。何と言っても、当事者の語る言葉は重みがある。大切なお子さんを亡くされたのにかかわらず、お二方とも強い意志を持ってこのような本を書かれていることには頭が下がる。
「少年A矯正2500日全記録」(草薙厚子)では、あまり語られることのなかったAの事件後の様子をうかがい知ることができる。事件後に関東医療少年院にいた時期のAの様子を知ることができるという点では、大きな意味のある書物であると思う。(どこから情報を得ているのかという点には疑問が残る)
「なぜ、少年Aは『正常』なのか」(漆田典子・川村京子)は今や手に入れることが難しくなっている。独特の書きぶりに興味をひかれた。「この世には愛がわからない人間もいるということを前提に物事を考え直さなくてはならないといった筆者の考え方には賛成である。賛成というか、私にはそんなことは当たり前のようにも思えるが・・・
本当は学校や少年院の関係者が書いた書籍も読んでみたいところだ。岩田友が丘中学校校長の著書「校長は見た!酒鬼薔薇事件の「深層」」はどちらかというと報道被害について書いている。学校の周りに陣取る報道関係者が散らかしたごみを学校側が拾って回った話などは、実に苦々しい思いがする。
岩田校長はマスコミとの闘いに多くのページを割いている。それに比べると、少年Aや家族・友が丘中学校の生徒に関してはほとんど書かれていない。岩田校長のみならず、学校側としては言いたいことがたくさんあると思う。しかし、守秘義務があるため、書きたいことを存分に描くことは難しいと思う。現時点では学校側からの情報に期待するには無理があるだろう。
高山文彦氏は2冊の関係本を出している。両方の本に、須磨のニュータウンの成り立ちやら街の様子が克明に描かれている。特に1冊目「地獄の季節」には、須磨ニュータウンの成り立ちから、両親とその親の生い立ちまでが描かれている。「山、海へ」と言われた名高い神戸市の住宅地開発が生み出した「名谷」というニュータウンへの作者の見方は斬新である。多くの報道が人造的なコンクリートの風景を批判的に描いていただけであったのに対し、高山氏は多井畑側の緑濃い自然の方へと分け入りながら考察を続ける。
高山氏は父方のルーツである南方の島にまで取材を敢行し、戦後の二家族(Aの母方と父方)のヒストリーを明らかにしながら、時代の変遷がどのようにこの事件に作用してきているのかを懸命にさぐろうとしている。やや感傷的すぎる点に目をつぶれば、戦後から事件に至るまでの大きな「家族」のヒストリーを考察しており、事件について考えさせられる。
最後に、Aに関する情報の中で、他では見られない情報を集めたサイトがある。情報の量もさることながら、質としても、圧倒されるものがある。
酒鬼薔薇王国http://www5.pf-x.net/~kusogaki/index.html
である。HP運営者をはじめ、ここに集うAにシンパシーを感じている人たちをどう考えればいいのか・・・深く深く、考えていくべき課題が多いことに改めて気がつき、重い気分になってしまう。
今度も「今度は愛妻家」 Feb 12, 2010 コメント(6)
神戸小学生殺害事件(酒鬼薔薇事件)<15>-… Mar 15, 2009 コメント(12)
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森3087さん