アラフィフおやじの温泉やITや中国や道の駅のブログ
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やや硬いタイトルにしてしまいましたが、先日の台湾旅行で関心をもったことのひとつに、台湾での中国語のローマ字表記ということがあります。私、「ローマ字表記フェチ」でもありますので、日本語でもよく間違ったローマ字表記(事実上の国際標準になっているヘボン式以外の表記。例えば「ち」を「CHI」でなく「TI」としたり、長音「おー」を「OO」とか「OU」などとするもの)を見るといつも気持ち悪くなります。大陸ではすでにローマ字表記(英語でも)するときはピンインをそのまま使うことになっていますが、台湾では少し前までウェード式という、英語っぽい表記が使われていました(というか、ピンインよりも歴史はずっと古い。日本のヘボン式にやや近い)。というかまだ人名や地名にはそのまま使われています。例えば台北を「TAIPEI」(ピンインではTAIBEI)、高雄を「KAOHSIUNG」(ピンインはGAOXIONG)とするものです。大陸のピンインではQ、Xなどのように英語など欧米の言語からの類推ではまず発音できないような変な綴りを使っているのにくらべ、台湾のウェード式ではCH、HS(若干問題はありますが発音は可能)となっていてわかりやすく、個人的にはこちらの方が好きでした。ビビアン・スーの「スー(徐)」をHSU(大陸ではXU)とするのも親近感をなぜか感じました。でも今回台湾に行って事情が変わっていることを改めて知りました。この写真、前も使いましたが、台北近郊の板橋駅です。「板橋」のスペルが「BANCIAO」になっています。これは台湾が90年代終盤ごろから使用し始めたもの(通用ピンインといいます)ですが、国際情勢に合わせて大陸式ピンイン(台湾では「漢語ピンイン」と言っています)のさっき例に出したような不可解なスペルを修正したバージョンといえます。大陸式では「BANQIAO」ですが、QをCに代えたり、ZHをJHとしたり、XをSにしたり、英語しか知らない人でも読みやすくしています。ちなみに前のウェード式では「PANCHIAO」(PANTSIAOかも)だったはず。ところがこれで台湾全体が統一されているわけでなく、場所によってばらばらな感じです。「民権西路」というMRTの駅。ローマ字は「MINQUAN W. RD」となっており、これは完全大陸式のピンイン。現行ローマ字表記の下を見ると昔のつづり「MINCHUAN W. RD」というのが塗りなおされているのが見えました。「新店」というMRTの駅。ローマ字は「XINDIAN」でこれも大陸式。これも昔のウェード式表記「HSINTIEN」の上に塗りなおしています。現地の人に少し聞いたところでは、台北市内を走るMRTの場合はすべて大陸式ピンインとのこと。これは現在の馬英九市長が就任してから(次の有力総統候補といわれています)、大陸式に少し前に全部代えたそうです。一番上の写真は台湾国鉄の駅なので、台湾式の通用ピンインが使用されているといったように完全非統一です。台北市内は道路標識のローマ字も大陸式だったと思いますが、郊外では台湾式になっていたりします。さらに、台北TAIPEIなどは定着しているのでTAIBEIとはしないことになっているようです。「蒋介石」などは北京語や広東語が混在したCHIANG KAI SHEKのまま。私としてはどちらのピンインも好きではないです。無理してピンインを使わなくてもいいのではないかと思います。こんなところまで中国大陸さまの無言の圧力を台湾は感じているのでしょうか。日本でも、「北京」をBEIJINGと書くようになってから、中国語を知らない人はみんな「ベイジン」と濁ってしまいますが、本来の中国語の発音は「ペイチン」なのにローマ字に引っ張られて覚えてしまうことが多いです。前にANAのテレビCMでも「杭州(HANGZHOU)」を「ハンジョウ」と発音していましたが、「ハンチョウ」の方が適切だと思いました。でもどちらの発音でもカタカナ式発音ではたぶん通じないので「こうしゅう」「くいしゅう」で十分だと思いますけどね・・・ちょっとマニアックな話になりました。ご関心ある方がいればまだ書けることはありますが、アクセス数が減りそうなのでこのへんでやめておきます。ではまた。人気blogランキングへ中国BLOGGER人気ランキングよろしくお願いします。
2006.08.30
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