伽藍鳥‡ペリカン‡の止まり木

伽藍鳥‡ペリカン‡の止まり木

PR

×

Profile

伽藍鳥

伽藍鳥

January 24, 2008
XML
テーマ: 詩(934)
カテゴリ: 思考の渦。


結構前に 
記憶の隅っこに残ってたものを文章にしたことがある。

『虹。』

そんな曖昧だったのものを

見つけた。
思い出したんだ。

そうそう。コレだったんだ。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 



『虹の足』 /吉野 弘


雨があがって

雲間から

乾麺みたいに真直な

陽射しがたくさん地上に刺さり、

行きに榛名山が見えたころ

山路の登るバスの中で見たのだ、虹の足を。

眼下にひろがる田圃の上に

虹がそっと足を下ろしたのを!

野面にすらりと足を置いて

虹のアーチが軽やかに

すっくと空に立ったのを!

その虹の足の底に

小さな村といくつかの家が

すっぽり抱かれて染められていたのだ。

それなのに

家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。

―――おーい、君の家が虹の中にあるぞォ

乗客は頬を火照らせ

野面に立った虹の足に見とれた。

多分、あれはバスの中の僕らには見えて

村の人々には見えないのだ。

そんなこともあるだろう。

他人には見えて

自分には見えない幸福の中で

格別驚きもせず

幸福に生きていることが―――――。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 25, 2008 02:44:29 AM
コメント(2) | コメントを書く
[思考の渦。] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: