ショート落語(01/18)

江戸の大道芸
だけど、働くのは面倒くさいてんで、
片方の男が鍋底(なべぞこ)の煤(すす)を顔に塗りたくって
二人で人通りの多いところへやってきて、
もう片方の男が、
『江戸は浅草、 京は四条河原、
浪速は天満天神内におきまして、
ご評判に預かりましたる
紀州熊野浦で生け捕りました河童(かっぱ)でござい〜!』
と、口上を述べる、
顔黒の男は舌を操って『かららら』と奇声を発する。
通行人はどっと笑いますな。
ところが江戸人てえのは、笑っただけでは通り過ぎない。
かならず一文なり二文なりの小銭をほうっていったそうで、
こうして声を張り上げていれば
二人分の呑み代はたちまち集ったそうですな。