
競馬中継
はい〜、ようこそ、お越しやす。あちゃら・こちゃらでございます・・。
風薫る五月、・・いい季節でんなぁ。端午の節句、花菖蒲、鯉のぼり・・。
かしわ餅、ちまき・・、汁粉、善哉・・。
汁粉、善哉は関係あらへん・・。
ワテの好物やねん・・。
こちゃら
「さいでんなぁ・・」
あちゃら
「こんどの総理は誰になるねん・・?」
こちゃら
「誰になりはっても、あまり期待せん方がええとちゃうか?
この前は、密室からの誕生で・・
こんどは、派閥の抗争からの誕生やでぇ・・」
あちゃら
「密室と比べると、少しは広くなった云う感じやな」
こちゃら
「せやけど、有権者は党員やあらへんよって、
ただ見てるしか、しゃあないねん・・」
あちゃら
「なんで公選にせえへんね?」
こちゃら
「規制が厳しいからやろ・・」
あちゃら
「政治屋はん達は、演説では皆うまいこと言うとりまんな」
こちゃら
「皆ウソ上手いですわ・・。
国や国民より党が大事。
党より派閥が大事。
派閥より政治屋の利権が大事。
・・なんてこと、一言も言うとりまへんでぇ」
あちゃら
「政治屋の
政治屋による
政治屋の利権のための政治・・
・・なんてこと、一言も言うとりまへんもんなぁ・・」
こちゃら
「ここで騙されたら、あきまへんでぇ・・」
あちゃら
「ころっと騙されるんは、お人よしや・・」
こちゃら
「せやけど、人材不足云うても、
4人も候補者よう出ましたでぇ・・」
あちゃら
「一人目は、『この前の貧乏神』や・・」
こちゃら
「二人目は、『変人』でんね・・」
あちゃら
「三人目は、『とにかく孫』や・・」
こちゃら
「四人目は、『ダミ声のどう喝屋』でんな・・」
あちゃら
「ちょと待てや・・、『変人』が派閥選挙は止めや・・云うて
派閥飛び出したでぇ・・」
こちゃら
「ほな、あの『サメ味噌派』から飛び出して一匹狼かいな。
おもろなりそやな・・」
あちゃら
「ファンファーレが鳴って、4頭が揃ってゲートインしました。
おおかたの予想によりますと、『貧乏神』と『変人』の一騎討ち
になると思われますが・・」
こちゃら
「ゲートが開いて各馬一斉にスタートしました。
先行は『この前の貧乏神』、前回の惨敗を忘れて、また出走しました。
二番手は『変人』。続いて『とにかく孫』、『ダミ声のどう喝屋』
と続いています。
間もなく第1コーナーに差し掛かろうとしています・・」
あちゃら
「先行逃げきりを狙うのか、『この前の貧乏神』。
その後を『変人』がピッタリ付けています」
こちゃら
「マキコ飛び出す。マキコ飛び出す。
牝馬『マキコ』が『変人』に伴走して、応援し始めたぁ!! 」
あちゃら
「おーっと、牝馬『マキコ』が観客席に向かって何か吠えています。
・・『オダブツ様』とは、なんてこと云いまんね・・」
こちゃら
「第3コーナーを回ってゆるやかなカーブになりました。
先頭の『貧乏神』、やや疲れがみえたか・・、
ポマードのタテガミが乱れてきました」
あちゃら
「二番手『変人』、トップとの差をジリッ・ジリッと詰めています」
こちゃら
「『とにかく孫』と『ダミ声のどう喝屋』は、遅れが目立ってきました。
先行グループとの差は、だいぶ開きました・・」
あちゃら
「さあ、いよいよ第4コーナーにさしかかります。
おーっと、観客が・・、ほとんどの観客が『変人』の応援団と化しました!!
なんと!!『貧乏神』のファンまでが、『変人』に大声援を送っています!!
これは、どうしたことでしょう!? 」
こちゃら
「意外な展開になってきました・・」
あちゃら
「これは驚きです!!
場内は地鳴りのような大歓声です!! 」
こちゃら
「第4コーナーを回って、最後の直線に入りました!
おーっと、二番手から外側を回って、
『変人』がいきなりトップに躍り出たぁ!! 」
あちゃら
「そのままぐんぐん『貧乏神』を引き離して、独走体勢に入ったぁ!! 」
こちゃら
「『変人』強い!! 『変人』強い!!
ゴールまであと30メートル!! あと10メートル!! 」
あちゃら
「『変人』1着!! 『変人』1着!!
2着の『貧乏神』に大差を付けて、いま、ゴール前を駆け抜けたぁ!!
手元の時計では、2分9秒8。
これは新記録です!! 」
こちゃら
「いゃあ、驚きましたねぇ!!
ゴール前の直線で、『変人』が抜群の強さを
見せつけてくれました・・・」
あちゃら
「これほどの大差で圧勝するなど、
誰が予想したでしょうか!! 」
こちゃら
「おおかたは"鼻差の勝負"と読んでましたからねぇ・・」
あちゃら
「『貧乏神』のモナカ調教師も、顎然としたようすで
口元が震えています」
こちゃら
「時代の流れに、その大きなうねりに打ちのめされた・・
そんな感じに見て取れます!! 」
あちゃら
「いやぁ・・、そこまで自覚してないでしょう・・」
こちゃら
「・・と云いますと、あまり解ってない・・?」
あちゃら
「はい。単なる作戦ミスと思ってるでしょうねぇ・・」
こちゃら
「どこでミスったか?とか、あいつのせいだとか・・」
あちゃら
「まあ、そんなところでしょう・・。
その辺が、裏仕事師たちの思考回路の限界です」
こちゃら
「まだ、場内の興奮は冷めやらず・・、といったところですが
ご覧のとおりの結果で、春のG1『総裁椅子捕り杯』は、
『変人』が見事なレース展開で、栄冠を勝ち取りました。
では、この辺で競馬実況中継を終わります」
あちゃら
「ワテ、家に帰るの怖いワ・・」
こちゃら
「なんでや?」
あちゃら
「ワテの買うた馬券、パーでんねん・・」
こちゃら
「なんでやね?・・馬連やったら楽勝やろ」
あちゃら
「単勝一点買いや。
今月の給料みな注ぎ込んでまんね・・」
こちゃら
「あほかいな・・」