2003年03月15日
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【問】

  こんなんじゃ、ママ失格ですよね・・・つらいです。ほんと、どうしていいのかわからず、はずかしながら気がつくと、怒りんぼママになっています。
 こんなどうどうめぐりの毎日です。どうかたすけてください


【答え】 メールを拝見致しました。お母さんとしての子育ての難しさ、悩み、葛藤、そしてそのあとに残る「母親失格」という自己嫌悪.......子育てってどうしてこんなに大変なのでしょうね。なんでもない子はなんでもないのに、と思われることでしょうね。
 4歳の長男がADHDということですが、専門の医師の断なのでしょうか?私自身、4歳ではADHDの診断は非常に難しいと思われます。年長組(5歳)まで待ってから診断するようにしています。と言いますのは、正常の発達の3才児や発達の送れのある児は、立ち居振る舞いが、ADHDに非常によく似ているからです。
 ADHDは基本的には知能発達、言語発達は正常です。お子さんの場合、まず言語発達の送れがないか、
知的発達の送れがないか、さらに言語性知能指数と動作性知能指数に歪みがみられないか、を確認することが大切と考えられます。
 ADHDの診断は5歳でも6歳でも、遅くはありません。治療による効果も差がありません。ただ、小学入学前に治療を開始するほうが、小学入学後、学校生活、本人の知的発達、学習面で、より効果があり、より成果が上がります。

 以上、まとめますと、小児神経専門医(小児科または小児神経科)、もしくは児童精神医学専門医(精神神経科もしくは小児専門病院)による正しい診断が先決です。その診断に基づいて、療育を進めてゆきます。


【お母さんからのお返事】
きのうは ありがとうございました。
いきなりの メールにもかかわらず ごていねいな返信を早速いただき お礼申し上げます。まだ 専門の先生に診ていただいたことはないのですが住まいが小さな村なもので、検診のたび、この子があまりにもおちつきがなく、よその子とはあきらかにちがうので、まわりの人たちにいろいろいわれたあげく、「自閉症の多動症やで」といわれ・・・たくさんきずつきました・・・
あたるところもなく、実は姑が20年前に入院歴のある、いまもくすり療養をしている精神病をわずらっているひとなんです。で、ある日『隔世遺伝』と言う人がいて、こころのなかで、姑をうらんでみたり、あたしのほうが精神病ですよね・・・
でも先生の言葉で、救われました。
この子は 1999年3月10日生まれで、クラスのなかでは、一番最後の誕生日・・・もうすぐ 5歳になる
お友達とおんなじこと、できるほうがすごいんですかねぇ?
この子の下に、1歳の妹がいますが、この子の1歳のころとは全然ちがいます。男女の差があるのでしょうか?
また、相談させてもらってもいいですか?
よろしくおねがいします。



 メールを拝見致しました。前のメールでおよそ大切なことは述べたように思います。
今回のメールで気付いたこと、問題点を整理してみますと、母親として、


1)この子は本当に障害があるのだろうか?と言う疑問と障害はないのだ、と思いたい気持ち、のあいだで、揺れておられる、ということ、                                           


2)専門の医師に相談するのが最も良いことだ、ということは充分理解できたが、もし障害があるといわれたら、どうしよう、という恐怖・不安を抱いておられること、


3)現実には、医療機関が無いか、遠いか。周りの他人はいろいろ忠告はしてくれるが、かえって悩みが増えて、心の傷は癒されるどころか、深くなる一方、医療機関を受診するには、現実にいろいろ障壁があり、これは私自身のせいではない(遠い、下にもう一人手のかかる子がいる、身内にいろいろ助けてくれる者がいない、この子がこんな状態なのは、姑の隔世遺伝かもしれない、など)という責任転嫁によって、自己の正当性を見出そうとしている自分。





1)は早くはっきりさせることが、解決の糸口になります。


2)は、すぐれた医師なら、母親の心理を充分理解して、お子さんの障害の有無、内容、程度について説明し、その後の対応、療育の必要性の有無、経済的負担まで、説明してくれるはずです。                                          

3)は結婚して配偶者と同居しておられる場合は、配偶者の協力が第一に重要です。医療機関については、この交通網が発達している日本で、私達は、「遠方だから受診出来ない」場所は、日本には無い、と考えています。と申しますのは、私の知り合いのクリニックには、世界各国から受診してこられるからです。

交通費が出せない場合は、各自アイデアを出していただくしか方法がありません(募金を募る、身内で工面する、など、-サラ金は手を出さないこと-)。医療費に関してなら、ご相談に応じます。


【付記】
 メールによるご相談はいつでもお受け致します。ただ、そこにはおのずと限界があり、今回のお母さんからのご質問のように、メールによるやりとりでは、解決しない場合が多く、そのような場合は、私自身は面談による相談とお子さんを診せて頂くことを、お勧めしています。
 面談による相談とお子さんを診せて頂くことから、問題点をより正確に見つけ、解決法を養育義務者(通常はご両親)とご相談して、その子にとって最も適切な療育は何かを、決めていくことになります。







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最終更新日  2003年03月15日 15時49分30秒
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