バンコクで住んでいたアパートは、スクムビットソイ16と22をつなぐ小道にある house by the pond。
あ、ホームページには少々お高めに載っていますが、3ヶ月以上で1ヶ月数千バーツの値下げ、1年だとけっこう太っ腹で値下げ・・・あたしは最後の2週間は1週間料金をとられると思ったんだけど、
「ピー(ねぇさんは)はピセー(特別) でげす。今までの家賃の半額で大丈夫でげす」
と融通を利かせてくれるので、長期滞在をお考えの方は、ぜひフロントチームに相談してみよう。
建物は2館あり、新館(といっても灰色で中途半端に古い)、旧館(趣のある洋館)・・・旧館も3つの棟にわれているユニークな作り。
ここは正面入ったメインの棟、ハウスビルディング。この棟の部屋が一番人気があるらしく(かわいいもんね)、なかなか空きがないらしいのだが・・・実はこの階段の上、死ぬほど恐い。まじで。
どんなに天気がいい日も薄暗く、なぜかひんやり。なぞめいた異国の女性の肖像画とイヤでも目が合ってしまうし、 目を凝らしたら、既に他界している方を見つけてしまいそうな勢い だ。
夜中に酔っ払って照明も落ちたこの階段を上がるなんてぞっとする・・・。もう一つぞっとするのが、階段の途中においてあるビリヤード台。
こんな所で玉突きしたら、夢中になるうち 蒲田行進曲も真っ青な階段落ち をすることも可能。
あたしを訪ねて何人かの友人がきてくれた際、別部屋を手配したのだけど、フロントのねぇさんが「よっしー、喜んでください!ハウスビルディングのお部屋が空いてますでげすから、そこにお友達の部屋を取りますよー」と言ってくれたんだけど・・・早朝発の飛行機で帰る友人と最後の時間を過ごすのに、朝5時半にこの階段を登った時には、もう・・・何も見ないで必死で登った。
霊感がなくってもわかる・・・なんか変な雰囲気(爆笑)。
ちなみにこの 1時間半前に起きているはずの2名が、あたしのノックで目を覚まし、ドリフのコントみたいになった光景 は、忘れがたい思い出であるよ。
でも お部屋は素敵 でしょ。ちょっとした屋根裏部屋みたい。ヨーロッパの古い木造のお部屋が好きな人には良いかもね。
ただちょっと・・・夜は恐いかなあ。なんとなく薄暗い。
こちら、短期宿泊者が多い1ベッドルームが集まるタッグビルディングのお部屋。こちらも来タイしてくれた友達がご宿泊~。
で、このアパート、こういうゴシックで不気味な洋物趣味の人はもちろん、動物好きの人はうれしいと思う。
まず、遊びに来てくれた親友Sたんが「私、動物で一番好きなのがインコなんです~・・・かわいい~」と張り付いたまま離れなくて心配した鳥小屋のインコでしょ、オーナーが飼っている看板犬でしょー、もういなくなっちゃったらしいけど、変わり者欧米人の長期滞在者が飼っていた、見たこともない毛が白い猿「パンキー」。もう大きくなってかわいくないんだろうけど。
あ、あと、 敷地内の木々は無数のリスが走り回っていて 窓際のデスクで宿題をしていても気になってしかたがない。
で、んじゃあたしはどんなお部屋に泊っていたの?と言いますと・・・ハウスビルディングの左にある受付奥の、 在住者専用のラウンジ
を抜けて・・・どう?ここもなかなか素敵でしょう?
屋根も何もないオープンエアの廊下、いや、小道を通り・・・ どしゃぶりの日はフロントに出るのすらいやだった よ・・・。
この遺跡の中?って思うような小道をずんずん進んで池を右に見つつ・・・
毎日このようなルートで部屋まで戻るのだけど、この廊下っていうか中庭の小道には 電灯がない。 かろうじて薄暗い照明のようなものがぽつ、ぽつとついているのだけど、 24時過ぎには消えてしまう。
なので 酔って帰ったら・・・さあ大変。ましてヒールはいてたらさあ大変。
見知らぬ虫を踏み潰し、小枝につまづき、それでも先が見えず「きゃーきゃー」いいながら手探りとすり足で建物前まで行かねばならない。
傑作だったのは夜中に遊びに来たタイ人友Mさんが「今から行くー」・・・と、ソイ22の入り口から酔っ払って電話をくれた後・・・1時間たっても到着しなかった時だ。
いくらなんでもこれはおかしい、と思い、廊下、いや、小道に出てみたところ、 丸い物体がうめきながらうごめいている。
ぎゃああああー!でたぁああああ!と本気で悲鳴を上げたところ、それは 小道のレンガに毛躓き、すっころび、「ジェーップ・・・(いたーい)・・・」と本気泣きしていたMさんその人 だった。それくらいデンジャラス。
あたし自身がべろべろに酔っ払って帰宅して、この池っていうか貞子が出そうな 水の中に落ちなかったのが不思議 でしょうがない。
昼はともかく、夜はたどりつくのも命がけのわが部屋はこの棟にある。
このつたの絡まる灰色のお化け屋敷・・・ワインセラーをイメージしたようなくらーい建物がわが棟。
正直言って ハウスビルディングより度を越えて恐い。
しかも出入り口付近に理由もなく鉄格子の扉があり、さながら幽閉された気分だ。 アンネフランクの隠れ家ってこんなんだったかな。
あれ?ここバンコクだよね。
で、棟にたどり着いても、まだ 3階までのこわーい階段 がある。よくわかんないけど、端のほうが見たくないくらい、なんかいそう。おまけに、 どんなに天気がよい昼も暗い。
夜はぼやーんと電球の薄明かりがついているが、よけい恐い。電球が 切れ掛かったりすると「ちか、ちかっ」てなってて、もう泣きそう。
酔って深夜に帰るとこれすら消されてしまい、暗闇の中を手すりに抱きつきながら上がって行く・・・
ぎしぎし・・・ぎしぎし。
たどり着いた一番最上階のお部屋があたしのお部屋、「FA-3」です。
まず入り口から・・・
左に流し。キッチンはなく、スイッチ入れたら爆発しそうな電機式のコンロがあるけど 黒こげのため恐くて使えない。
もちろんサービスアパートなので、冷蔵庫やポット、電子レンジ、食器類も完備。
この部屋を見て決めた第一の理由が、この緑に溢れたお庭を見渡せるデスク。タイには勉強に来たのだから、勉強できる住居の環境が一番大切だ。
リビングスペースも広い!
後日このソファーにダニが出て、友人、そしてあたしが足をかまれると言う事件があり、こんなソファーにチェンジ。2代目のソファーの方が好きだな。
2代目クン
リビングの左手にはバス&トイレ。
石造りのバスタブがあって素敵なんだけど、給湯器にありんこが死ぬほどいて、めちゃくちゃ恐かった。さらにバスタブの栓は閉まらないので、あっても意味がなく、ずーっとシャワーで終わらせました。まあ、タイはいつも暑いので「バスタブに浸かりたい」という思いになることはなかったかな。
ちなみに ここに住んでいるありんこたちは、石鹸にもたまります。 そんなにお腹が減ってるの?
あれ?ところで、ベッドはどこにあるの?
「上でげすよ」
はいはい、実はここになぞの螺旋階段が・・・。見上げると部屋らしきスペースが。
ここってばスタジオとはいいながらベッドルームとリビングが分かれた立派なスイート仕様ではないの?
一部屋多いけどあくまでロフトってことで、「ワンベッドルーム」ではなく「スタジオ」貸ししてくれているのだとか。
ありがたやー。
ではいよいよ乙女のべッドルーム・・・ぎゅあー、痛い・・・はいはい。読者から鉄パイプで殴られながらロフトをご案内しましょう。
ん?
うわわ、下見ると恐いよ。これ、部屋の下見るためのイス?
おおおおおお!!!!ひっ、広い。 ロフトっていうか広いリビング なんだけど。
反対から見るとこんな感じ
しかもこんな座卓セットまで。あたしって何処でご飯食べるの?もしかしてここ(爆笑)?
で、でもさ。ほんと、どこにベッドあるの?
思わず上から叫ぶと
「奥でげす」
と冷静な従業員さんの声。奥って・・・この座卓セットが一番奥???ってうわぁああああ!なんか洞窟みたいなところがあるよ!そして・・・
ベッドが!!!
小窓が水槽みたい。そして、ベッドルームがある洞穴にはカーテンがかけられていて、なんだか お姫様状態。 で、ベッドルームから見ると足元にさっきの座卓!
左の窓に女性の顔らしきものが写っているのはご愛嬌(うそうそ)・・・じゃなくってこの際無視 しよう。
大きな写真はこれまたくっきり写っていまして・・・えへへへ(えへへじゃないっての)。
ここはどこなのー?
最初は、棟に閉じ込められたお姫様気分を味わってみようとうきうき(馬鹿か?)してたんだけど、 住んでみるとわかる・・・ロフトの暑さを(爆笑)。
エアコンが切れて目覚める朝は汗だくだく、 ロフトにいるとなんか見られてる気がして(写真見ると・・・見られていたっぽい)さらに、下から来そうで(生きてない人が)恐くて電気をつけっぱなしで寝た。
あと、自分は食べ物でもなんでもないのに、 毎朝ありにたかられたり、かじられたりして目が覚める。
このベッドルームには部屋の中で一番すごい量のありさんたち。ありの巣が無限にあったっていう(涙)。
でも、まあ、楽しかったよ。窓から生きてなさそうな女性に見守られて過ごした日々も(照・・・って照れてる場合か)。
で、気を取り直してこのアパートの素敵な部分をどんどん紹介していきましょう
中庭~!
エントランスから右へ行くと、こんなゲートが・・・奥にはもちろん別の棟もあるんだけど、別の棟との間にとっても素敵な中庭があり、いろんなところに寛ぎスペースがあって、 そのへんのリゾートホテルに負けないんだぞ!
ただし、蚊が多いので5分と座れていた人を見たことはない けどね(号泣)。
おんぼろのカウンターバーとか(使用してなさそう)。
そいでもって、一応新館には小さな小さなジムと、屋上にプールがある。
うぃー、いい眺め。
この特等席では、クラスメイト、タイ人Mさんと、頻繁に酒盛りをした。
特に禁酒日なんかは、カルフールのフードコートやら屋台でツマミを買い、禁酒日でもビールを売ってくれるミニマートでビールと氷を仕入れ、酒盛り。素晴らしい夜景を楽しめて最高だったのだ!
そして、なにが大好きって、) 大の仲良しのメーバーン (お部屋を掃除したり、クリーニングのお世話をしてくれる人) さん。
従業員全員がまじめだということはまったくないし、エアコン壊れても3日間放置されたり、このメーバーンさん以外の人が掃除に来たときは全然だめだったりしたくらいなんだけど、彼女がこのアパートの一番まじめな人であるよ!
バンコクの中心部に突如現れる洋館は、不気味なことこの上ないし、いろんな怖いこと、不便なことあるけれども、 こんなに趣き深い、ユニークなアパートはなかなかない んじゃなかろうか?
こんな変てこりんでも、 緑と優しさに囲まれたhouse by the pond。
日貸しもしているので 長期旅行者じゃないかたも、ぜひお試しいただきたい宿泊場所ですぞ!