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パタヤ編
どしりゃぶりのパタヤ編
居心地の良いメナムリバーサイドからタクシーでエカマイを目指す。無口だと思った運ちゃんは意外と商売熱心で「エカマイからどこ行くの?なに?パタヤ?このままこのタクシーでいきなよ。1500Bで行くからサー」たけえよ。
「マイパイカー(行きません)」。「えー!?タクシーのほうがサバイサバイだよ(気持ちがいいよ)。」「ナンロットメー カー(バスに乗ります)」「いろんなビーチが見ながら行けるよ」「ヤークナンロットメーカー、ディチャンチョープロットメーカー!(バスに乗りたいんです、私はバスが好きなんです」「・・・」。ここまで言ってやっと黙らせることができた。
さてエカマイ着。とりあえず奥にカウンターを見つけて「パタヤ2枚」「1人91バーツです」・・・あれ?一人100B越えてなかったっけ?なんか安いなー。まぁいいか。
「そこに座ってて」と言われて目の前のベンチに座る。あたしなんかチャーンビール買っちゃったりして。
トイレを済ませても何の変化もない。もしかして行っちゃってたりして。なーんちゃって。あれ?隣の韓国人カップル、違うバスの方向に走ってる。
「パイパタヤ・・・ギーモンカ?」なんとなく通じるような単語を並べてパタヤに行くの何時か探ってみると・・・「ローバツヌン」と、お嬢にならってなんとなく解った「ちょっと待って」が聞き取れたので、まだ座っていて良さそう。でも、かなり時計を気にしているジェスチャーだったので遅れてるのかな?
そんな会話を終えた瞬間、明らかにテンションの高いファンキーなおにーちゃんが小走りに走りこみ、カウンターのおねーちゃんたちに「サワッディーカー」とにこやかに挨拶をしている。
不安だったのでずっとカウンターのねーちゃんの顔を見ていたあたしに、ねーさんが頼もしく頷き、「このにーちゃんについていけ」というジェスチャーを送ってくれた。え?こ、こいつに?
くりくりのボーズ頭に、だらけてよれよれの白いカッターシャツ、裾の擦り切れた黒いズボンにビーチサンダル。そして、今では渡哲也すらかけていない「大門サングラス」。ひゃー、ファンキー。そいつは高いテンションのまま「パタヤー!パタヤー!」と我々を手招きしている。はーい、にぃさんについていきまーす
いよいよバスに乗車...あれー、なんか汚いぞ。おかしいなあ、ホアヒンに行く時のバスは2回とも往復ともここまで汚くなかったのに。まあ、2時間でパタヤのバスターミナルだからいいかあ。ここではっと気がつく。・・・これ、もしかしてローカルバス?
この時点で、マリのようにはねまくるほどの揺れをこのバスで与えられるとは思ってもいなかった・・・。
バスはごとごとと大揺れに揺れながら出発。ものすごく気になるのはファンキーなくりくり坊主が停留所ごとにバスから飛び降り、ぼーっと待っている人と交渉してバスに乗せていること。
な、何事?見ている感じだと「パタヤ方面に行くけど●●までいくらだよ」という素振り。少しためらう学生の背を押して「いいから乗っちゃいなー、下ろしてやるから」ってな感じなの。もしかしてこのファンキー坊主、すごく商売熱心なのかな。席が空いているのが我慢できないのかも知れぬ。
バスはちょっとの段差でマリのようにあたしら二人を弾ませてくれる。
「ひゃー!」「きゃー!」と叫んでいるのも、外国人もあたしら二人。誰もその揺れに弾まないところを見ると弾まないコツがあるのかもしれないが、解るはずがないあたしたち。それに叫ぶたびに怪訝そうに「じーっ」と見られるのが痛い。
窓の外の景色が、バンコクの日常って感じで、あたしは思わずSEK LOSOのCDを取り出し、ヘッドホンステレオで聴き始めた。うわーお、すごく合う。
相変わらず停留所に着くとファンキーいがぐり君がビーサンでぱたぱたと飛び降り、お客に声をかける。しかも一人一人と交渉。そのちょっとした合間に、串焼屋台のおぢちゃんににこにこと挨拶し、自分の好みの串を自分で網に乗っけ、焼けるまでの間に客を呼び、焼けたころ、ちゃりんとお金を払って串を持って鮮やかにバスに飛び乗る。なんかこのファンキーいがぐり仕事楽しんでるなあ。
そう思ったとき、なんかCDの音が二重に聞こえるような気がした。あれ、あれれ?さっきまでタイ映画を放送していた車内テレビの画面がSEK LOSOになってる。しかもBIG ASSやBODY SLAMが出るドリンク剤、M-150のコンサートだ。
「おおー!?」慌ててヘッドフォンをはずし画面に見入るあたし。しかも誰の好みか知らんがBIG ASSもBODY SLAMもはしょられている(爆笑)。いいねー。ローカルバスでSEK LOSO。たまりまへん。
同行のKっちにSEK LOSOを「尾崎豊と長淵剛と浜田省吾をかけて割ったみたいなやつ」と説明していたが、Kっちは「こりゃどう見ても浜省だよー(爆笑)。このサングラス、このGパン、このTシャツ。こいつ浜省ぱくってるよー!」と身をよじりながら笑っている。・・・そういわれてみればこのサングラスは浜省かも・・・。歌詞もハングリーだし。
こちら浜省・・・じゃなくてSEK LOSO
しばらくしたら、いろんなお客と楽しそうに話していた車掌・ファンキーいがぐりがこちらをちらちら見ていた。誰を見ているのだろうと振り返るとちゅっちゅと盛り上がるカップル2名。ん?あたしかい?
「SEK LOSO チョープチャイマイ?(セークローソ、すきなの?)」「チャーイ、チョープマーク!(はい、とっても好き!)」
その会話の間、周りのタイ人の皆さんが痛いほど見てくる、気がつけばファンキー・いがぐりの功労か、席はほとんど埋まってるじゃないか!?
ファンキー・いがぐり、にやっと笑って親指を立て「ディー(いいね)!」と言って去っていった。
あっ、いがぐり、その大門サングラス、SEKの真似だったんだね。
じーん...。
はて?なんでおいらがファンだってわかったんだべ、とKっちに問うと「だってよっしー、のりのりでリズムとってたもん」がーん・・・しまった、SEKを聴くとのっちゃうんだと、あたし。
再びマリのように跳ねさせられながら一路おんぼろバスはパタヤへ。あれ?なんかもうパタヤに入ってる気がするんだけど、ターミナルまだぁ?
時計を見ると、もう3時間半はバスに乗ってる。えーー?パタヤって2時間だろ!?
ん?車掌・ファンキー・いがぐりが再びこちらへ。
「パイ、ティナイ(どこ行くの?)?」・・・どこってパタヤだよー(驚)。これ、パタヤに行くんだろ?
「ぱ、ぱたや・・・」
・・・ファンキー・いがぐり「ぱたや、ぱたや....」とつぶやきながら運ちゃんに声をかけ、どうでもいい路上で停止。そしてバスから降り、モタサイ(バイクタクシー)のおんちゃんたちと話している。なに?なんなの?
プッシューっと搭乗口のドアが開き(うちらは後方に座っていた)「●●××・・・」とあたしのわからないタイ語で話しかけてくる。ニュアンス的にここで降りろって事みたい。
階段を降り、きょとんとしていると「このモタサイで行きなさい」と言ってくれているニュアンス。えーーーー、バスターミナルわぁ?ここどこ?モタサイのおぢちゃん二人も大爆笑している。
ファンキー・いがぐり、「ローンレームティナイ?(ホテルどこ)」「ソイナクルア シップソーン(怯)(ナクルア通り12です)」。ファンキー・いがぐりそう告げるとモタサイの二人、またまた大爆笑。「1台で2人乗れるよ」とファンキーいがぐりが言うものの、あたしがでかい荷物を見せると、もう一人のおやぢに「もう1台いるねー」というニュアンスを告げる。
思わずモタサイおやぢに「アンタライ、チャイマイカ?(危ないんじゃないですか?)」ときくと「マイアンタラーイ、カップ(危なくないですよ)」・・・ほんとかよー(涙)。
でもこのファンキー・いがぐり。何も知らずに乗っているあたしたちのことを最大限に心配してくれていたみたい。
「コップンカー」と告げるとにこっと笑って手を振り颯爽とバスに乗り込んだ。きっと奴はこう思っただろう「いやー、今日はいいことしちゃったなー。セークローソー好きの日本人に親切にしちゃったー」とサングラスを磨いて眠りに着くことだろう。うちらはあまりいい事してもらった気分ではないが・・・バスターミナルに下ろしてもらえたほうがどれだけ親切なのかわからん。
ってか一体どこに行くバスだったわけ?でっかくBANGKOK-PATAYAって書いてあるじゃん!
まあ、親切心は大切にして、モタサイに乗るとしよう。
「ほい」とあたしの頭にヘルメットをのせてにこにこしてくれるおぢちゃん。Kっちも被せられた。えーっ、60Bもとるのー?ぼられてるんじゃ・・・?と思ったのは最初だけ。
一体どこまで走るのだろうと思うくらい、遠くまで走らせている、しかもあたしの荷物、モタサイのおぢちゃんは足元において器用にバランスキープ。すんげえな。
モタサイは過去に4回、タイ人と結婚した友達の家にホームステイした時、大通りに出るために乗ったことがあるきり。しかもこんなに長い距離乗ったことないよー。
おぢちゃんは「タイに住んでるの?」と聞いてくる。「いんや、イープン(日本)だよ」「タイ語上手だね」「上手じゃないよ、ちょっとだけだよ。今タイ語勉強してるの」「日本で?」「そう」。そんなおしゃべりを楽しみながらぶろろろ-っと大通りを一直線バンコク方面に逆戻り・・・どこまでバスで連れてこられてたんだ(驚愕)!
車通りの多い道をくねくねと進行。その途中にかわいく手を振ってくれる赤ちゃんがいたり、なんかモタサイたのしぃーなー。
たっぷり20分ほど快適なドライブ(ほんとに楽しかった)を楽しんで、われらが目指すホテル「ZIGN(ザイン)」へ到着。笑いをこらえながら出てきた従業員(ヴィラの高級ホテルでモタサイでのりつけるなんて、ありえないだろう)、あまりの高級ホテルに驚きながら爆笑するモタサイおやぢ。
THE ZIGNについてはお気に入りホテルタイ編を参照していただいて、ここではパタヤでの話を続けよう・・・。
無事に着いて安心したせいかお腹が減った。でも繁華街から離れたこのへん。何かあるかなー。夜ご飯までそんなに時間がないから重いものは食べたくないし。そこでホテルで荷物を置いて、周辺検索に。
えーっと・・・ない。
もうしばらく歩くとなんかレストランみたいな建物が。一つは完全にオープンバー。欧米人がおねえさんと来るようなところ。ZIGNのタワーがオープンしたらそれなりに儲かりそうだけど、この時点では閑古鳥が鳴いてる感じです。その隣になぜかロシア語の看板。で、でもタイ料理屋だった(爆笑)。ここでいいかーー、とお店へ。
ここのねーちゃんが死ぬほど無愛想!ってかこわーい!
ロシア人の人と結婚したタイ人がやってるのかなー、このおねえさんはなんだろうなー、とぶつぶつ言いながら注文したクイッティオナーム。
これが激うま!ごめん、おねえさん。うまいよ。
しかも無愛想だと思っていたおねーさん、サービスといいながらにこにこっとしてフルーツおいてってくれた。うう、人はみかけと態度では図れないのですね。反省。
色々調べてみたところ、パタヤ→バンペー間はタクシーかミニバスしか交通手段がなさそう。あとはバスターミナルからラヨーンに出てソンテウで20分でバンペー。なかなかめんどくさそうだ。
明日のホテル、サメットのル・ヴィーマン・コテージの予約をお願いした旅行代理店さんのアドバイスにより、夕食ついでに旅行代理店で乗り合いのミニバスを手配することにする。この乗り合いのミニバス、ホテルにまで迎えに着てくれるんだそうで、本来舟まで着いてるんだけど、あたしらのル・ヴィーマン・コテージは専用船があるから、ミニバスだけにしてもらわにゃ。
本当は「アルン」のパタヤ命おにぃさんに教えてもらったナクルア通りの「ソムタムプーマー」っていうところでイサーン料理とシーフードって言う夢の顔合わせの夕食にしたかったんだ。でも、もう夜だし賑わいのある通りに出ないと旅行代理店が営業していないかもね。
しかもプールから上がって準備してたら土砂降りに!ぎゃー!
こりゃもうビーチロードに行くしかあらへんな。ホテルで聞いたらタクシーの手配しかしてないっていうし。小降りになった頃タクシーを拾ってもらい、一路ビーチロードへ!
でもこのタクシーの運ちゃん、ビーチロードって言ってもぜんぜんわかってくれないんだよ。
地図にだってビーチロードって書いてあるのにさー。
「(よっしー)ビーチロード!」
「(運ちゃん)????」
「(よっしー)ソイタレイ(海通り!)」
「(運ちゃん)????」
「(よっしー)だからー、ビーチロードだよ!」
「(運ちゃん)?????」
「(よっしー)タレイ、タレイ(海、海!)!カオジャイ、マイ?(わかんない?)」
「(運ちゃん)おー、タレイ。ここからタレイ」
・・・ってビーチロードじゃん、わかってんじゃん。はい、ここがビーチロードです。なんだよー、まったくもー(ぷんすか)!
それにしてもナクルア12のTHE ZIGNから市街地まで遠い!かなり不便。ホテルはすごくいいのだけど、海も見えないし、海が見えるところまで遠かったら、海にいる感じはしないかもねー。夜海見ても真っ暗だし。
二人で看板を睨みながら旅行代理店を探す。運ちゃん不安なのか「どこ?どこ?」という顔。「トロンパイ カー(まっすぐ行ってください)」それでも不安な顔つきの運ちゃん。あたしたちの勢いにのまれてしまったのか。
・・・うーん、ドレス着たはではでなおねーさんとか、男性の好きそうな店が建ち並んで女性にはむかないストリートだがウォーキングストリートのほうが店がありそう。
「おっけー、運ちゃん、ウォーキングストリートに行ってちょうだい!」
「おー!ウォーキングストリート、カオジャイ、カップ(わかりました)。」
Kっち、そこでぼそっとつぶやく
「何でこの人、ビーチロードはわからないのに、ウォーキングストリートは解ったんだ?」・・・ほんとだ。なんでだろう。
誰か現地の人がパタヤのビーチロードを何て言っているか知ってたらおしえてちょうだい。
フリーの商売姉さんやお店に所属しているおねえさんが自分を売り込み中の光景がずらーっと並んでいてある種、壮観!そんな荒んだ光景の中を女二人、づかづかと旅行代理店を探す。
雨が上がるのを待っていたから、余計閉店した店が多くてコリャー、困った。
でもさすが歓楽街!ウォーキングストリートの中で営業中の代理店発見!
「わーい」と駆け込み「バーンペー行きのミニバス、2人!」と告げる。ちゃんと舟はいらないからと50B引いてもらって一人250B。ホテルまで送迎してくれるならまあ、これで良し。
奥のほうにいたおばはんがKっちの「もしタクシーだったらいくら?」の問いかけを聞いて、店員の人の良さそうなにぃさんに「そっちのほうが高いからすすめなさい」としきりと言ってたけど、Kっちはここで「ウイ、ライク、ミニバス」とぴしゃり。値段も忘れたけど1000Bは越えてたな。
ほっと一安心して、ウォーキングストリート沿いのシーフード屋さんへ。
ここ、だいぶ前、えりちゃんときたところじゃーん!けっこう値が上がってた。でもでも、ここで食べた牡蠣のグラタンがちょーーうまかった!生牡蠣も!牡蠣は新鮮な所で食べないと、後がこわいからね。ここ、タイだし。
コレ牡蠣のグラタンと、生牡蠣!
帰りはソンテウで。でも、ナクルアには行かない・・・しょーがないから交渉して(それでも高い)ソンテウにルート外れてもらうコースを選択。それでも行ってくれない...!なんでー?料金たかいじゃーん。
やはりナクルアは不便だな。
でもソンテウはすごーく気持ちがいい!お姉さん達が踊ってるところや、荒廃したパタヤを眺めて夜風にあたる。最高の乗り心地ーーー。
今日はタクシー→ローカルバス→モタサイ→ソンテウ・・・随分乗ったなあと感心しつつゴージャスなヴィラへ帰るのでした。
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