タイ大好き!

タイ大好き!

タイ映画いろいろ



わすれなうた.jpg

2003年製作。タイ映画としては日本で異例の知名度を誇る1本。
タイでのタイトルは「ong bak」。仏像の頭って言う映画の内容そのもののストレートなタイトルです。しかし、タイトルのつけ方がうまいなあと感心。もし「ong bak」のままだったら日本ではあそこまで売れなかったかも。日本では仏像の頭よりアクションシーンの連続を強調したわけですな。

ストーリーは・・・
農業だけで生きているようなタイのものすごく田舎の村、ノンプラドゥ村の守り神の仏像の首が、村出身の密輸団員、ドンに盗まれ、僧侶から古式ムエタイを学んだ孤児ティン(トニー・ジャー)が、村人の期待を一身ににない、バンコクへ仏像の首を取り返しに旅発つ。
ジョージと名乗り、薬の売買、いかさまペテン師を仕事とする村出身のハムレイに偶然再会(んなことあるかっての)。ハムレイとハムレイの相棒ムエに巻き込まれながら、格闘技大会に出るはめに。それを主催しているのが密輸団のボスだったため、密輸団を追い詰める道のりに数多い戦いを重ねていきます。
そしてラストは・・・・!!!!

というものなのですが、率直に言うとティンがバンコクに乗り込むあたりから中盤にかけてが最高に面白いです。
出だしなどは、タイの農村は未だにこんなに貧しいんだなあ、という切ない気持ちになる。ハムレイ役がタイでは携帯のコマーシャルやバラエティ番組に引っ張りだこの(正直タイではトニージャーより売れてると思う)の人気コメディアン、ペットターイ・ウォンカムラオだったお影で、根底にシリアスは話がからまっているのに関わらず「どたばたアクションコメディー」の色を強くしてくれます。憎めないいかさまペテン師。この存在は大きいです。
終盤からはそのハムレイまで真面目になってしまい、急速にシリアス度合いが増し、「一体この映画は、アクションなのか、笑いなのか、シリアスにしたいのかどうなんだ?」という疑問点にぶつかり始めます。
衝撃のラストは・・・出家!地味すぎます。

とにーじゃー.jpg ←一番右が大人気のコメディアン

途中のアクションとコメディーが軽快すぎたためにオチが腑に落ちない。でも、こういうパターンがタイの映画にはずいぶんあることに後々気がついていくあたし。シリアスかなー?と思った映画にも途中爆笑のシーンが出てくることもあるんだよなあ。逆もあるし。

ただし、主演のトニー・ジャー演じるティンのまっすぐな真面目さは、トニー・ジャー自身のアクションに対するひたむきな努力とかぶり、非常に好感が持てました。トニージャー自身がイサーン出身で(当然SEK LOSOやプレーンルークトゥン好きらしい)こてこての田舎っぽい顔をしているせいもあり素朴度100%で、ティン役に違和感が全くなし。タイの美形ハーフ芸能人ばかり起用する感覚と違っていたのが最高のキャスティングに感じられました。ムエ役の女の子もほんっとに化粧っけのないそのへんの屋台の女の子みたいだったし。

とにー.jpg

悪役の車椅子のおっさんもすごい迫力で、悪役側には一切の笑いなし。よく考えたらハムレイだけがその役を担ってただけで、笑えない映画。日本の宣伝の仕方が「スタントなーし!ワイヤーなーし!特撮なーし!」「でも、たまに怪我もします」「トニージャー!!!!!、おもしろいんぢやー!!!!」っていうやたら笑わせ系のだったからねえ。

とにかくアクションで快感を得たい人にはおすすめ!バンコクのカオサンやラマ3世どおり付近のチャオプラヤ川、ヤワラーなどなど、バンコク好きには目頭の熱くなるシーンが満載。もちろんイサーン好きの人には最初と最後がいけてると思います。

トムヤムクン

トムヤムクン.jpgトムヤムクン3.jpg

トニー・ジャー、今度はオーストラリアへ!

ってかなんていう安直なタイトルなの!?世界三大スープは、映画中に出てくる店の名前にしか関係なくてびっくり。まったくストーリー上に関係ありません!まあ、いいか。トニー・ジャーのマッツ!!!!!に続くアクション巨編第2弾です。
キャストはもちろんヒーローにトニー・ジャー、大人気コメディアン、ペットターイ・ウォンカムラオも健在!このコンビじゃどうしてもマッハ!!!!!と比較しちゃうと思うんだけど。

ストーリーは愛する家族と大切に育てた象を殺されたり奪われたムエタイファイターが、生き残ったものの密売された象を救いにオーストラリアへ!

ネタバレするとあれなんだけど、象の末路があまりにも哀れ。なにもそこまでリアルにしなくても漂わせるだけで十分伝わりますよー、なんて思ったりして。

でも出だしの象とトニー・ジャーの絡みはほろりときちゃうくらい象がかわいい。象の演技って一体どこまで本当なの?っていうくらい、よく撮れてる。トニー・ジャーも本当に象がかわいいんだろうなーと思うほどいい表情を見せていてこれまた良いですね。アクションも前より長回しが多くて「こりゃー、まじでスタントないな」ってわかるところが、迫力あり。骨の折れる音とか入りまくって、なんかぞわっときたりして。

アジトのトップ(オカマ)の元にやっていく過程はロケ地が違っても対象物が、「像」からにんべんが取れて「象」になっても、根本はマッハ!!!!!と変わっていないような・・・。ま、それを狙ってるのかも知れぬしね。ちょっと監督さん「中国、きらい?」的なかんじが漂っているのもいなめなかった。ってかまじで中国人は象を食べるのか?うそだろー!???もっとおいしものあるだろーー???

前回の悪のトップは車椅子で口がきけぬ迫力爺、今回は美しいオカマ、と悪党がものすんごいキャラって言うのも、トニー・ジャーは必ず田舎もので素朴っていうキャラって言うのはこのシリーズの徹底した基本なんだろうな。

今回はキャストにハリウッド映画に出たり、プライドに出たファイターなんかもいてかなり力はいってるのは解った気がする。

そして前回は仏像、今回は象、タイ人があがめる対象を必死で守ろうとするというテーマがタイ人の心を熱くするんだろうか?「ビバ!タイランド」っていう王道を見た気が・・・。もし続編があるのなら次のタイ人が愛する対象は・・・まさか、あのお方では!?まーさかね。

アタック・ナンバーハーフ

アタックナンバーハーフ.jpgあたっく.jpg ←右端がジュン


2000年制作。タイでのタイトルは「Satree-Lex」(鋼鉄の女)。
これ、なんと実話なんだそうで、こんな破天荒な出来事がある国タイランドってなんて素晴らしいんでしょうと、思ったもんです。
無邪気に笑えて、おかまの友情にほろり。コメディー大好きな私はこの映画は大好きな映画の中の一つ!なんとタイの国体で優勝した、ニューハーフたちのバレーボールチームのお話。

ストーリーはバレーボールがうまいのにオカマだからということで県代表チームの選抜に落ちてしまったモン。そのモンを励ます、屋台でお菓子を売っているオカマのジュン。県代表チームがオナベの監督になったということで選考試験を受け見事パス!でも他の選手達は「オカマが入るならいやだ」とチームを脱退。1人の「男性」以外全員オカマというチーム編成になってしまう。そして紆余曲折視ながらも最後は優勝!

日本では飲み屋やエンターテイメント(オカマショー)なんかでしか見られないオカマさんやゲイさん。タイでは普通の会社でもレストランでも軍でも、博士クラスでも活躍なさっています。これを見るまでは寛大な国だなあと思っていたけど、実は差別はあったんですねえ。でも、実力があるとわかれば受け入れるタイの人たち。そんなフレキシブルなタイの姿勢がわかるのも面白い。私にはその気持ちはわからないけど「お菓子が好き」「甘いものはきらい」とかそういうキャラクターの一つでしかないのだから、オカマさんに関しては同性のお友達、でいいと思うんだけど・・・そう思うと日本はまだ閉鎖的なんでしょうね。

出演者に公言しているゲイは実は1人だけ。ジュン役の人も実はオカマさんではないそうで、女の子のようにふるまう演技は大変だったし、お化粧にも最初は戸惑ったそうです。でもこのジュン役のかわいいこと。とってもキュートです。ハイテンションで、おしゃれ。モン役もも大きくて女性キャラみはほぼ遠いけど、ごつい顔にむりやりの化粧が強烈。
3人組のオカマキャラのチームメイトも日本に来日して有名になったっけ。
とにかく爆笑したい人にはおすすめですねー!


地球で最後の二人

最後の2人.jpg

浅野忠信が今から10年ほど前「カフェレシオ」っていうカフェオレのCM(今はそんな商品ねぇーし)に出ている頃からファンだったあたし。そんな浅野忠信がタイの映画に出るっていうからそりゃー、あーた、わくわくわくわくで。しかも浅野忠信なんかより大好きな、松重豊(えー、いつも重要な脇役、ほとんどの人が知らないです)と兄弟役だったんですわ。

はっきりいって「で、なにがいいたかったの?」っていううすーい話なんですが、タイが舞台であたしの好きな2大俳優が見れました、というだけですねあはは。

ストーリーは、バンコクの日本文化交流センター(あるんですか?)で働く潔癖症のけんじ(浅野忠信)は、その潔癖症から周囲との関わりを避けるようにして生きていた。そして、なぜか自殺志望者(そのへんの説明があまりうまくされていない)。そんなケンジの元にやくざの兄が日本でトラブルを起こしてやって来る。で、追ってきたやくざに兄は殺され、たまたまトイレにいたけんじは助かる(えーー!)。一方、外国人向けのクラブで働くノイは男のことで妹・ニッド車中でけんか。車から飛び出したニッドが車にはねられ、川に身投げしようとするケンジが目撃。ノイに付き添い病院に向かうことでストーリがーはじまるんだけど。

えーっと、期待してみたせいか、タイ映画のふしぎな特徴、「最後がしまらない」にぴったりはまっていて、「え?え?なに?なんなの?」って感じ。

ノイが希望していた大阪で働らくっていうのはわかるんだけど、ふつーのカフェ。そんなのタイでも働けますよ。
で、ラストシーンはそのカフェに客が尋ねてくるシーンで終了。
けんじがやくざにおわれまくっていた(兄を殺したところを目撃されたやくざがおっていた)ものの、やくざをけんじが殺し、逮捕されて終了してるんだけど、ノイのところにきた客人って何?

例えばノイがそれを目撃している、とか何かに携わってるならわかるんだけど・・・そういう説明のシーンもないし。

はっきしいってつまんないです。

抽象的な世界観を描きたいのであればもう少し勉強して欲しいものです。


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