2009/09/07
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カテゴリ: ガンダム

ー機動戦士ガンダムMimesis(ミメシス)ーガンダムミュー

序章21




賑わいでいるパーティ会場内には、
ごちそうが振る舞われ、
ホール中央では吹奏楽団の演奏にあわせて、
おもいおもいに踊る人々が集まり埋め尽くされていた
パーティ会場の片隅にはテーブルが並び、
その一角で、
振る舞われるディナーを口に運ぶ 
アイトナとプルトスの姿があった
そのアイトナに近づきいてきて、
彼女の肩をそっと叩く男性が一人、
驚いて後ろを振り返った彼女は、
その姿を見て
つまらない 
という顔をして男に言葉を投げかけた

「あら、今来たの?遅かったじゃない」

男はカドミロスだった

「もう、とっくに来てましたよ
 授与式の時も会場内を探していたんですから」

その言葉に同席していたプルトスが
独り言を呟いた

「あんな所にいたら見つからないだろうな・・・」
「なによ、それ」

アイトナと同席している男性に気づき、
カドミロスは小さな声で彼女に質問する

「こちらの方は?」
「ああ、そうだったわ・・・
 貴方と会うのは初めてだったわよね
 こちら、下院議員のプリトス・エウブレス議員よ・・・
 プルトス・・・彼が私の部下だった
 カドミロス・ヘパイストイ」

プルトスは布で口を拭うと席を立って、
カドミロスに近づき手を差し出した

「君の話しはアイトナからよく聞いているよ 
 プルトス・エウブレスだ 
 まだまだ出かけの議員だがよろしく頼むよ」

カドミロスも、それに答えるように 
手を握り返した

「こちらこそ、プルトス・エウブレス議員・・・
 金星の営業をまかされている
 カドミロス・ヘパイストイです
 青二才の営業主任ですが、よろしく頼みます」

握手をしているカドミロスの腕を軽く叩いて、
アイトナは横に開いていた席に座るように、
彼を促した 

「で、会場内はどうだった?」
「中々人が多くて 
 舞台下で会長の姿はみましたが、
 連邦政府の方々と挨拶を交わしていて
 忙しそうで・・・
 とても声をかけるなんて出来ませんよ 
 あと、
 僕はあまり詳しくないから、
 はっきりした事は言えませんけれど、
 その袖についていたのは、
 ルオ商会の面々かもしれないですね」
「中国マフィアまで連邦のご機嫌伺いしているなんて、
 糞も味噌も一緒、汚水も聖水も一緒ね」
「連邦政府に、こびていなきゃ、
 地球領域での商売なんて出来やしないからな・・・
 それにしても中国マフィアって・・・
 ルオ商会の事かい?」
「それ以外に何かあるの?」

プルトスは飽きれた表情で笑い
カドミロスに話しかけた

「君も大変だろう、
 こんな口の悪いのを相手にしてちゃ・・・」
「あら、私、ちゃんと使い分けているわよ  
 ね・・・ヘパイストイ」
「いやーそうですかね・・・
 時折、予想だにしない事をいいますから、
 ヒヤヒヤして見ていましたよ
 おかげで鍛えられましたけれどね」
「なによ、それ」
「そうだろう?一歩、間違ったら、
 相手の癇に障るどころじゃ済まないからな・・・
 ルオ商会の前で言うなよ、中国マフィアなんて」
「言わないわよ、そんな事」
「でもカターニアさんだったら、
 それを言った事で向こうから
 逆にスカウトされるかもしれないですね」
「フフフ・・・そうかも知れないな・・・
 君のその度胸と手腕だったら・・・なくもないかもな 
 ははは」
「何よ二人して」
「今度の選挙で私と一緒に出てみるか?
 ミスター・タヌキ(連邦政府の狸親父)
 も肝を潰すかもしてないぞ?」
「馬鹿言わないでよ、いくらかかると思っているのよ」
「お飲物はいかがですか」

少し離れた場所で飲み物を勧めている 
ウェイターの声が聞こえアイトナは声をかけた

「お飲物は何になさいますか?」
「ソフトドリンク頂くわ」
「へぇ・・お酒じゃないのかい?」

プルトスはニヤつきながら意地悪そうに言ってみせた

「この後、予定が入っているの知っているでしょ」

プルトスは、その予定が何なのか
目で訴えるようにカドミロスの方を向いて声をかけた 

「じゃあ、君もソフトドリンクでいいね」
「ええ」
「それにしても金星から帰ってすぐ、
 パーティとは君も大変だろ?」

「そうですね、大変といっちゃ大変ですけれど、
 それを言うと怒られますから、
 そっちの方が大変で・・・」

カドミロスはアイトナの方を横目でチラッと見て、
笑いながら話した

「そうか・・・ははっ」
「だから、よかったのよ、別に来なくても・・・
 別の男はちゃんといるんですからね」

アイトナはニコッと笑ってプルトスの方を見たが、
少し困惑した表情を浮かべ目を背けた 
この反応に意地の悪い目線をプルトスに向ける 
アイトナであったが、
その様子を眺めて少し飽きれた表情になった
カドミロスは話しだした

「なんかお二人の邪魔をしちゃ悪いなぁ・・・
 わざわざ僕が帰ってきたのを確認して、
 電話してきたからには、
 何か用があるのかと思ったんですが・・・
 本当に男がいるなんて思いもよりませんでしたよ」
「あら、初対面の人がいるのに、
 そんな口よく聞けるわね
 失礼じゃないの?」
「貴方のおかげで鍛えられましたからね
 貴方と同席する人は無礼講が通じる事を
 前提でお話していますし」
「ふふ・・・君も随分な事を言うじゃないか・・・
 酒もなくても無礼講とは・・・
 これも彼女の恩恵かな?」

プルトスから意地の悪い目線をアイトナは
憮然な顔して言った

「あら、そんな恩恵ばかりじゃないでしょ
 こうやって人脈を拡げる為に、
 こんなに貢献しているじゃない
 だいたい、誘われないと来ないでしょ
 こういう場所へは」
「当たり前ですよ・・・
 よほど興味があるのならともかく、
 わざわざ、お金払ってこんな場所に・・・
 しかも今回の、この金額、
 ちょっと取り過ぎじゃないですかね
 コロニー間の航空運賃とそれほど変わらないんですから
 今月、赤字ですよ
 これ領収書で落ちないですかね・・・」
「あっそれは無理ね
 人脈を拡げるための授業料として
 自分で払うのね」
「ふふっ大変な事だな」
「笑い事じゃないわよ・・・まったく 
 それにしても、ここだけの話し・・・
 連邦の奴ら、
 フォン・ブラウンが高所得者が多い事を見越して、 
 コロニー再建なんて庶民の気を引くようなネーミイング
 すれば それだけで、ボランティア感覚で払う人間が 
 パーティに参加するのを計算して金額つけてんのよ
 これ」

その言葉にプルトスは横を向き
パーティ会場の遠くを眺めた

「まあ、それでも、これだけの人数だ関心の高さが
 伺えられるよ 
 どれだけの人がコロニー再建へ向けて
 期待をしているのかが、よくわかる・・・」
「どうせ裏切られるのよ 
 宇宙移民化構想と同じようにね」
「そうなった時は、そうなった時さ
 その為にも私たちは、そうした活動をしているのだろ?」

カドミロスは表情を硬くしチラッとアイトナの方を見たが、
彼女は何も聞かなかったようにディナーを口に運んでいる、
一瞬、テーブルを取り囲む3人の中に膠着したような静寂な
時が流れたが、それをかき消すかのように、
アイトナが口を開いた、

「それで、もうそろそろ、集まっているのかしら?」
「まだ、後少しかかるだろう・・・
 そうだ・・・私は先に行っているよ、
 途中、何人か挨拶をしていおきたい人がいるもんでね
 もういい加減手が空いた頃だろうし・・・」
「そう・・・
 じゃあ、私はもう少し、ここで、ゆっくりしているわ
 ヘパイストイ貴方、食事は?」
「いや、まだですけれど」
「じゃあ、自分のを、ついでらっしゃいよ 
 このソテー美味しかったわよ」
「ふふ・・・なんだかんだと言いながらも、
 十分楽しんでいるじゃないか・・・」
「当たり前でしょ、お酒呑めない変わりに、
 できるだけ、こっちで元を取るのよ」
「まあ、ドレスが破けない程度にしておいてくれよ」
「そんなに入るわけないでしょ!失礼なんだから」
「はははっ」

プルトスは笑いながら席を立ち、
カドミロスに声をかけた

「途中まで一緒にいくかい?」
「ええ、じゃあ、お供させて頂きます」
「ああっヘパイストイ、デザートあったら、
 私の分もお願いね」

「自分で取ってくればいいだろ」

プルトスは少し訝し気にアイトナに切り返した

「ケチくさい事は言わないの」

プルトスは歩きながらカドミロスに話しかけた

「あんな上司と一緒にいたんだったら、
 君も大変だったろ」
「はは、慣れましたよ次第に・・・」
「寛大だな君は」
「僕が寛大ではなくて、
 あの人だから、あの程度は許せる範囲なんです 
 憎めない人柄ですよ 
 貴方も、そう思っているんじゃないんですか?」
「ふふ・・・また痛いところをつくな・・・君も」

プルトスがふと目を上げると顔がほころび
カドミロスを見た

「ちょっと失礼するよ」

プルトスは突然数人の人をかき分けて、
一人の人物に声をかけ
嬉しそうな顔をして話しだした
あっけにとられ、その場に立ち尽くし、
彼の様子をみているカドミロスであったが、
その場を離れるわけにもいかず 
暫く待っていると、
手を振って呼んでいるプルトスに気がつき
彼の元へと歩いていった






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突然ですが、
プルトス・エリュニス 

プルトス・エウブレス
に名前を変える事にしました・・・

名前を変えるとかって、
あまりいい事ではないんですが、
プロでないので・・・(おい;)





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最終更新日  2009/09/25 12:05:56 AM
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