2009/09/28
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カテゴリ: ガンダム

ー機動戦士ガンダムMimesis(ミメシス)ーガンダムミュー

序章24




 ご参加いただいて感謝します
 あまり窮屈な話しばかりでは、場の雰囲気から、
 不穏な空気を悟られかねません 
 この場では
 現在の状況の報告等を簡単にさせて頂き、
 後は各人との自由とさせて頂きたく予定です
 こうした機会でもなければ、お互いの情報交換の場も、
 ままらない現状が続いております 
 皆さま、どうか有意義な、お時間をどうぞお送りください」
 それではパーン様どうぞ」

車椅子に乗った一人の老人も壁際から現れでた

「我々劇団員がコロニーを渡り歩き得られた
 些細な情報であるが、何かの参考になればと思うしだいだ 
 それではファウヌスお願いするよ」

その老人の言葉と一緒に
壁一面に、コロニーの場所を明記した宇宙の見取り図の
映像が浮き出しファウヌスが説明を始めた

「今現在、地球領域では塵尻になったレジスタンス組織を
 一括しようとする活動が試みられていますが、
 連邦から出される報酬金の値が上がり、
 それを目当てとした情報漏洩が起によって
 協力者の何人かが犠牲となってます」
「ここまでの情報は知られていないのか?」

前の方の席に座っている男性が質問した

「拘束される直前に自殺を図っているので、
 大丈夫とは思いますが・・・
 いつ自分たちにも降り掛かってくるか解らない
 危険な状態です」

年増の女性が脇から切り返す

「こうした活動をしていれば常に危険は付き物でしょ 
 まあ、自分の身を守る手段は自分で見つけろって事なのね」

ファウヌスは、まだ話しを続けた

「こうした状況下の元、地球領域では、
 活動そのものを中々安定できない状態が
 続いています」

ファウススが、ここまで話して老人が口を開いた

「地球領域から他惑星へ向けた動きを説明してくれたまえ」
「はい・・・
 いくつかレジスタンス組織は存在していますが、
 組織としての、まとまりが薄いので・・・
 火星の方では、連邦との交戦を試みたグループもありますが
 戦力の差ではいかんせん、かないようがなかったようです」
「そうか・・・金星の方は・・・」
「活動家を募るなどの動きはあるみたいですが、 
 連邦管轄の省庁から遠ざける為に、
 移転したコロニーから数基を建造し、
 精鋭を募集し人員を募って入るようですが、
 とても軍といえる代物じゃありません」

この話しを聞いてカドミロスは肝を冷やした 
隣のアイトナに小さな声で話しかける

「なんで金星の方まで情報を知っているんですか?」
「私が情報として提示したのよ」

カドミロスは呆れたという表情をして、
フォウヌスの方を見た

「連邦の方も数基のコロニーで何が出来るかと
 たかをくくっている様子
 今のところ、
 この領域は連邦の手から逃れ安心のようです」
「以上が、私たちが入手した、
 レジスタンス活動の主たるところだ
 今の活動について何か質問、具体的な案等が 
 あるものがいれば、ここで意見を聞こう」

年増の女性が手を上げた

「なにも、こんなところで、
 コソコソ集会なんてしなくはいいのではないの?
 隣でパーティーやっている要人達を、さっさと
 片付けてしまえばいいだけの話し・・・」

これに賛同する人間が何人か現れた 

「俺も、同感だね」

プルトスが手を挙げ、それに異を唱えた

「殺すのは簡単な事さ、
 しかし数人の要人を殺したところで、
 何も変わりはしないだろう?
 マフティーの動乱を思い出してみるといい
 いい例だ
 しかも、相手は巨大なネットワークも持っている 
 情報操作で事実が曲げられてしまっては、
 こちら側に一方的に非があるとされてしまう
 スペースノイド側からも批判者が出てくるかもしれない」

年増の女性が鼻で笑って、それに応戦する
そしてこの2人の攻防が暫く続いた

「はっ連邦政府からスペースノイドが、
 これだけ苦しめられているというのに、
 政府にたてつく組織を批判する人がいるのかしら?
 ありえないわねぇ」
「それは、あなたの住んでいたコロニーが貧しかったから
 そう感じる事だ
 無数にあるコロニーのうち半数近くは、
 たとえ贅沢は出来なくても、なんとか生きていける
 生活レベルのコロニーだ・・・
 そこに住んでいる住民の大半は、
 何は、なくても今の生活が
 一定して送れる事を願っている 
 そうした人間を武力行使という強固な手段に
 賛同させるという事は、とても難しい事だ 
 事実、あの動乱の首謀者に対する反応は、
 スペースノイドですら
 賞賛するものは少なかったのだから・・・
 連邦の情報操作の影響があったにせよね」
「皆、卑怯な傍観者なのよ・・・」
「卑怯な傍観者と揶揄されても、
 人の大切な事は、そこにかかってきている
 今を暮らせてしまえる人々は、
 多少の不平不満があっても
 自らの意思で決して動こうとはしない
 それは、人の心情さ・・・
 だからこそ、
 この人間層にいかに取り込み理解を生むかが、
 今後の最初の課題となると私は思っているのだが?
 いかがかな?」

一人の男性が横から口を挟んできた

「おい、おい、おい、
 そんな、めんどくさい事をしていたら、
 何年経っても進まないぞ 
 そんな奴らを相手にしなくても、
 俺たちと同じ意思を持った人間だけを集めれば
 いいじゃねーか」

アイトナもたまらず手を挙げ意見を言う

「そう?落ち着いて考えてみなさいよ
 今の状態で、すでに密告者がいるのよ?
 これから先が、思いやらせるわ・・・
 私たちそのものが危うくなっているの 
 その為に、密告者のでない、絶対的な環境を作る事
 これが大事なのよ」

年配の女性が割って話へ入ってきた

「それと、これとは、話しが通らないわ」
「そうかしら?
 連邦が金銭で密告者を募るというのなら、
 私たちは民衆の心に働きかけるしかないわ
 お金で買う事の出来ない人の期待や希望というものをね 
 そうして民衆の中に協力者が増えれば、
 何もなくても、民衆が自主的に密告者を見つけて
 私達に報告してくれるはずよ・・・
 そうすれば裏切り者は出なくなるわ」

前の方の席に座っている男性がこれに賛同した

「面白い考えだ・・・」
「おいおい、こうした活動をするのは
 元々リスクを持ってやっているんだろう?
 なんでわざわざ、そんな事までする必要があるんだ?」

話しに納得しない別の男がアイトナに噛み付いたが
プルトスが割って入って男に反論する

「リスクは低い方がいい、そして確実にしていく必要性がある・・・
 君のような荒くれ者が、
 その辺の惑星で連邦と小競り合いを起こしているが、
 結果満足いくものになっているのかどうか?」
「それは、そうだが」

一度、火がついた話しは中々収まりがつかない
それを危惧してパーンは二回手を叩いた 
それまで、激論が続いていた会場は一瞬に
静まり返り、
パーンは静かに話しだした 

「我々の最終的な目標な何なのか?
 それは、連邦政府のおよび軍施設の完全な破壊だ 
 その為には、サイド自体を動かす必要がある
 嘗てのジオン公国のように・・・
 いや・・・それ以上にだ
 そうでなければ、結局のところ、これまでと同じ、
 敗北か相打ちで終わってしまう
 今度こそは、そうなってはいけない 
 そうは思わないかね?諸君」

全席に座っている男が口を開いた

「そう、そうだ」

アイトナは手を挙げて話した

「けれど、今が時期ではないわね
 どう考えても足下にも及ばないわ」

パーンは会場の人間に問いかけた 

「だったら、どうすればいいと思うかね?諸君」

この質問に誰も具体的な返事を返せずにいると、
パーンは再び話しだした

「今が時期ではないというのなら何年かけても、
 その時期、待とうでは無いか?
 そうであろう?諸君、
 そして、私は、我々の世代で、
 この目的を達成できずとも、
 この意思を後世に伝え育んでいこうと思っている
 どうかな?」

男が口を開いた

「気の遠くなりそうな話しだな」

全席に座っている別の男性が話しを切り出した

「我々は自身の心血を、この活動に注ぐ事を誓っている
 只の犬死とは本末顛倒だろう?
 パーン氏の言う通りかもしれない」
「そうね、それしか方法はないわね」

年増の女性もしょうがないという表情を浮かべて
この意見に賛同した
パーンは言う

「私は、いずれ赤く熟したワインのように、
 連邦に鮮血が流れることを強く願っているのだ 
 それが、人類が宇宙に移民させられ
 苦しめられてきたものの意思、
 そう思っている」

会場がまた静かになった、そこに
プルトスが手を挙げて話しだす

「私たちは、まさにワインで陶酔する
 サテュロスそのものようですよ 
 ミスター・パーン
 ワインの戒めをご存知ですか?」
「どんな事かね?」
「ワインも一杯目は健康の為にいいが、
 大く取りすぎると刃傷沙汰になるという戒めですよ
 7杯目は、丁度、貴方の語る鮮血がそのものだ」
「ほう・・・7杯目に・・・
 そうか・・・7杯目か・・・
 ファウヌス・・・皆に赤ワインを振る舞ってくれ・・・」
「パーン様?」
「今すぐにだ」
「かしこまりました」

「今日集まり頂いた皆さん 
 私は本日参加された一人の紳士によって、
 一つの祝杯の儀を考えた・・・
 どうか、今配っている
 赤ワインの入ったグラスをお持ちになってください
 7杯目のワイン
 このワインに連邦政府の打開へと向けた強い意志を
 ここに込めようと思う 
 そして、今の現状で答えの出せない最中、
 模索し喘いでいる同胞達へ向けて、
 これを送ろうと思っている 
 どうか、共に、このワインに祝杯を上げてくれては
 暮れまいだろうか?フォウヌス・・・」
「それでは皆様グラスは持ち頂けたでしょうか?」
「ええ」
「ああ」
「どうか諸君、これからの活動と、
 連邦が潰えるその日を願って、
 7杯目のワインに祝杯を!」
「7杯目のワインに祝杯を!」



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最終更新日  2009/09/29 12:55:45 AM
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