元気力UP!

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2016年12月13日
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カテゴリ: 人類

最近民進党の蓮舫氏の国籍問題、トランプ次期米国大統領の台湾の蔡英文総統との電話など、台湾がより注目されているのですが、今日インターネットを見ていましたら興味深いものがありました。

新規ジャーナルを公開しました。
東南アジア学会の発行ジャーナル 
 「東南アジア-歴史と文化-」

──「日本人法」制定過程をめぐる議論から──
吉田 信さん
公開日: 2016年12月13日

結構長い分なので、部分的につまみ読みでまとめた?繋げたが正確ですが、紹介します。

オランダ領東インドに施行されたいわゆる「統治法」は、オランダ本国での立憲主義の確立をうけ、植民地に対する「法の支配」の導入を企図していた。
第一になすべきことは、植民地において、法の適用される範囲を確定すること、すなわちどの住民集団にどの法律が適用されるべきかを定めることだった。
そのため、統治法は、その10 条においてオランダ領東インド(以下東インド)の住民を「ヨーロッパ人」と「原住民」とに区分し、サブカテゴリーとしてそれぞれの住民集団に「同等視される者」という区分を設けた。

「ヨーロッパ人」に対しては本国同様の法律が適用される一方、「原住民」に対しては土着の「慣習法」が適用されることとなり、オランダの東インド統治は、二重構造を基本とすることとなる。両者を分かつ基準となったものが、「人種」であり、「文明」であった。

華人を主とした「外来東洋人」という範疇を「ヨーロッパ人」および「原住民」と並ぶ個別の法的地位として加わった。

この流れの中で、「日本人法(Japannerwet)」は、東インドにおいて従来「原住民と同等視される者」とみなされてきた日本人の法的地位を「ヨーロッパ人と同等視される者」へ転換するものであった。

オランダ側で立法に携わった者達が法案の形成過程に際して、日本人に対しどのようなイメージを抱いていたのか。
そこからさらに、オランダの政策立案者が「文明」をどのように理解していたのか。
また、日本人法に反対の立場をとった者は、この点をどのように理解していたのか。
日本人をヨーロッパ人と同等視するうえで、なにが障害となり、なにが懸念されていたのか。
などの点を説明している。

日本とオランダとの条約改正が両国間で交渉されつつあった時、東インドの行政法に詳しいファン・デル・ケンプは法的な住民区分の相違が文明の進展度に応じて異なるという論を展開していた。
国際関係は、進歩の増大につれ、文明化した諸民族(beschaafde volken)の法的地位における相違を取り払いつつある。
それゆえわれわれの法律も文明化した民族とあまり文明化していない民族との間の分割を認めている、すなわちヨーロッパ人と原住民という類型のようなものであり、また誰がそれぞれの範疇にいわゆる同等視されねばならないのかを述べている。

なぜ日本人法は制定されねばならなかったのか。

その淵源は、明治政府の条約改正交渉に求めることができる。
日本とオランダとの条約改正交渉は、岩倉使節団がハーグを訪ねた際におこなわれている。
オランダ政府は、交渉の席上日本に裁判所が存在しないことや、行政府と立法府が明確に分離していないこと、つまりは近代的な三権の確立と分立の不在を理由として、条約の改定に消極的な姿勢を示していた。

在日本オランダ総領事が日本政府より送付された条約案をオランダ外務省へ提出、そのなかで東インドにおいて「原住民」の法的地位を付与されている日本人に対して、例外適用を東インド総督に要請するこれに対して、植民地相は外相宛に次のよう
な返答をおこなっている。
条約をそこ〔日本政府案〕に書かれているように、オランダの植民地に適用することは難しい。
オランダ領東インドにおける統治法10 条は、キリスト教徒でない限り日本人を他のヨーロッパの国民と同じには認めていない。
それを日本人のために逸脱させることはできない。

また、植民地を持たず、それゆえわれわれにとって同等でない日本に対して植民地におけるあらゆる権利を認めることは承服しかねる。
植民地相が拒んでいる理由は、まず、宗教が理由として述べられている。統治法の成立過程で議会は「原住民」のキリスト教への偽装改宗が進むことで、税や賦役を逃れる事態を懸念し、「原住民」キリスト教徒はキリスト教徒であってもヨーロッパ人と同等視しないことを最終的に決めた。
これは、法的地位の基準が、「宗教」から「人種」へ移行したことを意味していた。

 宗教のほかに、ヨーロッパ人と同等の法的地位を付与する前提として挙げられているのが、植民地の領有である。
この問題は、日本が日清戦争の賠償として台湾を領有したことにより解決をみる。また、日清戦争の開戦直前、日本はイギリスとの間に治外法権の撤廃を盛り込んだ日英通商航海条約を締結し、はじめての不平等条約改正をはたすこととなった。
イギリスとの条約改正は、オランダを含む他の西欧列強諸国との条約改正にも影響を及ぼすこととなる。

 「日本人法」の法案は、下院へ提出され、政府案の趣旨説明で植民地相クレーメル(Cremer)は法案の提出理由を次のように述べていた。
〔日本は〕文明と進歩に関し、ヨーロッパの諸民族とまったく異なるところはない。
このことは、形式的にも実質的にも日本で導入されている民法(商法)および刑法典が完全にヨーロッパ式のものであるという事実によって確かなのである。

日本とオランダとの間に条約改正がなされたことは、オランダ政府の求めていた条件を日本が達成したことを意味する。
法案は、下院議員から構成される法案の検討委員会にまわされ、同年10月1 日に委員会は議会に対して以下のような報告書を提出した。
〔政府の〕趣旨説明は、日本国が、文明と進歩に関して、その国にヨーロッパ式の法典を導入したことから明らかなように、ヨーロッパの諸民族とまったく異なるところがないと述べている。
だが、この点について述べるなら、日本は宗教に関してはヨーロッパと同じではなく、アジアの諸民族とのみ同等視されるのであって、日本で主要な宗教とキリスト教との間には、儀礼や慣習の点で決定的な相違があるというのは必然的な結論である。
さらに、数名の考えるところでは、法案の可決が他の外来東洋人、とりわけ華人のヨーロッパ人との同等視に帰結することは否定できない。
検討委員会は、政府の見解に異議を唱えた。
「文明と進歩」は、「宗教」の基準によっても理解されねばならない。
加えて、委員会の見解として興味深いものが、華人に及ぼす影響に関する箇所である。

下院に提出された法案に対し、強力な反対意見を展開したのが、のちに首相となるカイペル(Kuyper)である。
カイペルは、次のように述べた。
日本人ははるかに文明化し、非常に進歩したので、完全にヨーロッパ人と同等であると政府は述べている政府はそれに対する証拠を出しているだろうか。
確かに。証拠として、現在日本で導入されている法典は、ヨーロッパでのわれわれの法典とほぼ同じものであると述べている。
これはそのとおりだし、この事実は大変ありがたいものと思う。
だが、法典を導入したとして、それ自身がある民族4千万人の文明度に対する証拠となるのであろうか。
国民自身まで高尚になるようなことはあるのだろうか。

東インドに来る日本人について言うならば、日本政府の官吏は問題ではない、むしろ個々の日本人男性や女性が問題となるのである。
「文明化」の基準を政府はヨーロッパ式の法典に求めている。
これに対してカイペルは、個々の日本人を念頭に置きながら「文明化」の議論を展開している。
 東インドに到来する日本人の職種を直接問題にするファン・デ・フェルデ議員による反対意見もあった。
売春婦や女衒、その類の者たちから大部分が構成されているある種の人たちに特権が与えられることになれば、どのような印象を他の住民に与えることになるのだろうか。
カイペルをはじめとして法案に反対する議員は、日本人に対する法的地位をヨーロッパ人と同等にすることが、東インドへの大量の日本人移民を引き起こすのではないかとの懸念を共有していた。

 「日本人法」の前提となる日蘭通商航海条約をめぐっては、当初日本の植民地領有が要件とされていた。
だが、現実に日本が台湾を植民地として領有し、条約改正をおこない、「日本人法」によりヨーロッパ人と同等の法的地位を獲得することが問題になると、植民地領有がかえって議論の的となった。日本人の「文明化」でさえ疑わしいのに台湾人にいたってはどう理解すべきなのか。
政府に対して、この点から法案の妥当性を疑問視したのもカイペルであった。

日本人はこれまではさほど多く移民を出してこなかったのだが、最近では急激に移民を送り出し、年に2 万 千人の男性と1 万 千の女性が移民として日本を出た。
台湾人はその文明と進歩に関して、 ヨーロッパ人とすでに同じであると確信しているのだろうか。
日本人が穏やかな民族であるならば、私はこの脅威を過大視しないだろう、だが、日本人は現在、世界で最も乱暴な民族に属していることをわれわれは理解している。
彼らは領土拡張の野心をもつようになって、アジア全体で強大な島嶼帝国になろうと望んでいる。
この第一歩が台湾の領有によってすでになされたのである。

クレーメル植民地相は、次のように答弁した。
台湾が併合された時点で、台湾人はヨーロッパ式の法律のもとで生きるのであり、われわれのところでと同じようにそこで暮らすのだ。
カイペルとクレーメル植民地相の議論は、平行線をたどったまま採決がおこなわれ、法案は過半数の承認を得て可決された。

「日本人法」をめぐる反応
竹越与三郎は法案の施行から10年後となる年に東インドを訪れた時の記録を翌年出版した『南国記』に記している。
東インドに居住している華人が「台湾籍」を取得することによって日本臣民の地位を取得している状況を報告している。

 「日本人法」の意義をめぐっては、わずかではあるが植民地法の専門家の見解が存在している。ライデン大学に対抗して植民地官僚養成機関の設けられたユトレヒト大学で教鞭をとっていたネーデルブルフは、日本人が治外法権の撤廃を望んだだけでなく「外国においてももはや東洋人とみなされないこと」を望んでいた、と述べている。



また、台湾人と華人(中国人)の日本との関連が、現在の国際政治の駆け引きや思惑と同じように行われていたことがよく分かる情報でした。
その後、韓国人まで絡んで、もうすぐプーチンのロシアまで入って、もちろんトランプのアメリカも、複雑で面白いですね。






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Last updated  2022年11月06日 17時05分00秒
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